2018年産駒のセリ落札額ランキング
セレクトセールにおける2018年産駒の注目馬を高額順(落札額1億円以上)にランクイン。
将来のクラシックホースがこの中から誕生する可能性は大きい。今からPOGに向けて早々にもチェックしておきたいところだ。
将来のクラシックホースがこの中から誕生する可能性は大きい。今からPOGに向けて早々にもチェックしておきたいところだ。
ミュージカルウェイ2018 3億6000万円
セレクトセールの1歳セリのおける歴代最高額タイの3億6000万円で落札されたミュージカルウェイ2018。全姉にGⅠ2勝のミッキークイーンがいる血統で、購入したのはアドマイヤでお馴染みの近藤利一氏だ。そのミッキークイーン以降、母の産駒は鳴かず飛ばずが続いているが本馬は果たして。ひとつのセールスポイントとしては左後一白という点くらいだろうか。
ジンジャーパンチ2018 2億9000万円
半姉にルージュバックがいる血統馬ジンジャーパンチ2018。父にキングカメハメハを擁し、これまでの産駒で一番デキが良いという評判だそうだ。落札したのはレヴァンテライオンやドリームキラリでお馴染みのサラブレッドクラブライオン。という事は単純に同クラブで来年に3億円以上の高額で募集されるという事か。仮にちょうど3億円とすれば、400口募集で75万円…なかなか強気のクラブ運営である。
リアアントニア2018 2億9000万円
2018年セレクトセールの当歳セリにおいて2億超えを果たしたリアアントニア2018。落札者はやはり大富豪のサトミホースカンパニー、里見治氏だ。この一族もまだ活躍馬が出ていないにも関わらず、毎年評判の馬を送り込んで来る。これで実際に活躍馬が出れば良いのだが…イルーシヴウェーヴ産駒の二の舞にだけはならないで欲しいところだ。
シンハディーパ2018 2億7000万円
シンハリーズの本線となるシンハディーパの3番仔。父がハーツクライとなり、一気に馬の雰囲気が変わって来た印象だ。そもそもシンハリーズにウォーエンブレムの肌という時点で最高レベルの繁殖能力が期待できる。何故か初年度スクリーンヒーロー、2年目にダイワメジャーと微妙な種牡馬をチョイスしたのだが、ようやくここに来てS級の父を配合されている。落札したのはラウンドワン社長の杉野公彦氏。
ジョコンダⅡ2018 2億6000万円
サトノクラウンの半弟にあたるジョコンダⅡ2018、落札したのはあの金子真人氏である。Sir Ivorの多重クロスが発生する面白い配合だが、そもそも父ディープインパクトで母系がしっかりしていれば走る産駒は出して来るだろう。全兄サトノヴィクトリーも2勝をあげそこそこのパフォーマンスを発揮しており、フィリオアレグロと本馬でその真価が問われる事となる。
ベルワトリング2018 2億5000万円
母ベルワトリングは2010年のチリ年度代表馬。現役時代に13勝をあげGⅠタイトルも5つと華々しい戦績で吉田勝己氏が購入し日本へ持ち込んでいる。産駒はまだ結果が出ていないものの、素質の高そうな走りを見せたトーセンヴァロンなど可能性は感じる血統。とは言え、ここでのキングカメハメハが2億5000万円というのは幾ら何でもリスクが高過ぎる気しかしない。
マラコスタムブラダ2018 2億3000万円
半兄ミッキーブラックはデビューから2連勝し、母マラコスタムブラダの評価が一気に上昇。仔出しも良く、今トレンドのアルゼンチン競馬で活躍した牝馬という点からも値付けは非常に高くなって来る傾向だ。父ハーツクライ産駒はスリーエイチレーシングが落札、この馬主はシャドウでお馴染みの飯塚氏が恐らく組合目的で設立した名義ではないだろうか。それにしても良く見映えのする馬体である。
マーゴットディド2018 2億1000万円
1歳セリで唯一のフランケル産駒だったマーゴットディド2018。母はイギリスの1000mGⅠ馬で、母父もオーストラリアのスプリンター。実際に馬体も胴が詰まった短距離路線にシフトされた様な1頭である。こちらは金子真人氏が2億超えの破格で落札している。記憶が確かならば金子真人氏所有のフランケル産駒というのは本馬が初…??かもしれない。
サマーハ2018 2億1000万円
シャケトラの半弟、サマーハ2018。これまで全ての産駒が勝ち上がりシハーブを除く4頭が複数勝利をあげるという超優良牝系である。そのシハーブもデビュー戦圧勝のパフォーマンスから間違いなく上のクラスへ上がって来れる逸材。そして、待望のディープインパクト産駒を競り落としたのは金子真人氏という完璧な流れ。これはまずもって走って来るだろう。
フラーテイシャスミス2018 2億円
ダート戦線で長く活躍したベストウォーリアを上に持つフラーテイシャスミス2018。ディープインパクト×Mr. Greeley配合パターンは、既にミスパスカリ産駒でマウントロブソンやポポカテペトルなどの活躍馬が出ており相性は証明済みである。これまでダート色の強い掛け合わせが多かった所へ、いきなりディープインパクトへ転換した挑戦が上手く行けば面白い。落札者はサラブレッドクラブライオン。
プリティカリーナ2018 1億8000万円
アンタラジーから立て続けにアグレアーブル、エクレアスパークルとオープン級の産駒を輩出したプリティカリーナ。2018年産駒は1つ上と同じディープインパクト産駒。待望の牡馬が生まれたとあれば、それは高額落札に繋がって来るだろう。購入したのは“ホウオウ”でお馴染みの小笹芳央氏である。Seeking the Goldの肌というのも今では貴重な存在。ディープインパクトの後継種牡馬に成り得るか。
アイムユアーズ2018 1億8000万円
今年の当歳が初年度産駒となるドゥラメンテ、母は重賞4勝をあげたアイムユアーズの2018が1億8000万円の高値で取り引き。落札したのは“スワーヴ”でお馴染みのNICKSである。アイムユアーズ産駒はまだ実績があがっていないものの全体的に評判は良く、ファルブラヴが母父で成功している事例を踏まえても高い確率で活躍馬を出して来るだろう。後はドゥラメンテの気性面が産駒にどう影響するか。
シルヴァースカヤ2018 1億8000万円
言わずもがな、あの幻のダービー馬シルバーステートの全弟にあたるシルヴァースカヤ2018。落札したのは“スマート”の大川徹氏=トニー倶楽部である。3つ上の全兄ヘンリーバローズも、新馬戦でワグネリアンと互角の争いを繰り広げこちらもダービー馬候補に名を連ねた逸材だった。しかし、ネックはいずれも体質面の弱さで大成出来なかった点だろう、魅力は感じるがポテンシャルを持て余す可能性も同じく高い。
ホットチャチャ2018 1億7000万円
母ホットチャチャはアメリカのGⅠ馬でエタリオウの産みの親。その肌にダイワメジャーを配合したある意味で異色の産駒に何と1億7000万円もの高額取引がなされたのである。購入したのは前述にもあるがラウンドワン社長の杉野公彦氏。通常、億超えはディープインパクトやキングカメハメハ、ハーツクライなどのS級種牡馬である事が多くダイワメジャーではかなり珍しいケース。それだけ馬のデキが良かったのだろう。
ラスティングソング2018 1億7000万円
母系はハルーワソング一族の系譜、近親にシュヴァルグランやヴィブロスなどがいるラスティングソング2018。そこにあの怪物モーリスが配合されたとなれば1億7000万円の高額も納得、それを落札したのは新進気鋭の馬主KTレーシング。母はワークフォースでクィーンズベストという素質馬を出している事からも、初年度産駒とは言えモーリスの方が更に可能性は感じる配合だ。モーリスの派生を願いつつ走って欲しい血統。
ラッドルチェンド2018 1億6500万円
祖母ラヴズオンリーミーは言わずと知れたリアルスティール、ラヴズオンリーユーの母。その初仔だったDanehill Dancerの肌に新種牡馬ドゥラメンテを配合した事で、Kingmambo×Monevassiaという全兄妹のクロスが完成している。爆発力という点では非常に興味深いが、それでも牝馬で1億6500万円は余りにも高過ぎるのではないだろうか。落札者は“ダノン”のダノックス。
ムーンライトダンス2018 1億6000万円
英愛ダービー、凱旋門賞を制した名馬Sinndarを母父に持つムーンライトダンス2018。そこにロードカナロアという配合は一見合わなさそうなイメージだが、これが意外にハマる可能性は高い。何より落札したのが、ジェネラーレウーノとエタリオウで2018年日本ダービー2頭出しを成し遂げたGリビエール・レーシング。ここの目利きはかなりのモノがあるだけに、本馬も当たりの可能性は高い。
ペルヴィアンリリー2018 1億5000万円
数多くの活躍馬を輩出するラスティックベル一族の出自であるペルヴィアンリリー2018。母自体もアドマイヤエイカンで重賞馬を出すなどフレンチデピュティ肌の底力を遺憾なく発揮している。新種牡馬ドゥラメンテを迎え入れ、馬のデキは最高レベルの見映え。1億5000万円という値段が付いたのも頷ける代物である。落札したのはお馴染みダノックス。
エンジェルフォール2018 1億5000万円
アドマイヤサンデー直系、全兄姉にフサイチホウオーやトールポピー、アヴェンチュラなどがいる優良牝系の系譜を引き継ぐ母エンジェルフォール。そこにロードカナロア産駒を掛け合わせ、現代の考え得る最高レベルの配合として生産したのが本馬である。母父ジャングルポケットがそこまで大成した例も少なく、やや不安材料もなくはないが、逆に爆発した時はかなりの大物が出る可能性も捨てられない。落札者は杉野公彦氏。
ライトニングパール2018 1億5000万円
母の全弟サトノクラウンがいる血統のライトニングパール2018、1億5000万円で落札したのはダノックスだ。母は日本主流血統がほぼ血統に内包されていない為、ディープインパクトなどサンデーサイレンス系の上級種牡馬を付け放題。それでいて仔出しが良いというのは非常に価値の高い産駒になる。持ち込みで産まれたライトニングパール2016(フランケル産駒)の走りを早く見てみたい。
ヒカルアマランサス2018 1億4000万円
母ヒカルアマランサスはブエナビスタたちと激闘を繰り広げた名牝、“ホウオウ”の小笹芳央氏が破格の1億4000万円で落札している。産駒もギモーヴ、クインアマランサスと複数勝利をあげた馬を出しているだけにそこまで繁殖能力は悪くない。いつ大物が出てもおかしくない要素は持ち合わせているが、如何せん母の現役時代同様に優等生キャラが多そうなイメージ。
ワイ2018 1億3500万円
祖母Rumplestiltskinは自身2歳牝馬チャンピオンに輝いた後、タペストリーやJohn F Kennedyを産んだ名牝である。その更に母MonevassiaはあのKingmamboの全妹であり、本馬はリアルスティールやラヴズオンリーユーの近親にあたるやはり超良血馬である。母系だけで言えば世界でもトップクラスのファミリーマートであり、後はディープインパクトとの掛け合わせで当たりが出るのを待つばかり。落札したのが金子真人氏ならそろそろ引きそうな予感もする。
ハヴユーゴーンアウェイ2018 1億3000万円
母ハヴユーゴーンアウェイはアメリカのGⅠ馬でキャリア11勝をあげた活躍馬。米ダート血統にディープインパクトを掛け合わせるトレンドの配合で攻めて来た言わば王道の産駒である。牝馬で1億超えの落札は、それだけ馬自体の出来栄えが良かったという証拠ほかならない。その資金力を持ち合わせた小笹芳央氏があっさりと購入を決めている。生産はレイクヴィラファーム。
シャンドランジュ2018 1億2500万円
母シャンドランジュはあのハルーワソングの直仔、即ち近親にヴィルシーナ、シュヴァルグラン、ヴィブロスなどがいる超名血Balladeファミリーの出自である。競走成績は未勝利に終わったが、マンハッタンカフェの肌で繁殖牝馬としての可能性は無限に感じるのは確か。そこにロードカナロアを掛け合わせる事で、間違っても駄馬は出て来ないだろう。それを落札したのはABCマート社長の三木正浩氏なのだから面白い。
シュガーハート2018 1億2500万円
キタサンブラックの全弟にあたるシュガーハート2018、前年の2017年産駒に引き続き2年連続で落札したのは“DMMバヌーシー”のDMMドリームクラブ。意地というか執念と言うか、クラブの目玉として何としてでもという想いで購入したは良いが…その全兄が走らなかったら一体どうするのだろう。恐らくそっちの確率の方が遥かに高い気がしてならない。
ルモスティ2018 1億2000万円
セレクトセール2019の初日上場番号1番だったルモスティ2018。ファーストバッターでいきなり億超えの落札額となり、セール自体が一気に活気付いた事は間違いない。母ルモスティはオーストラリアの重賞馬、そこに新種牡馬ドゥラメンテを配合して未知数ながらも大いに化ける余地がありそうな1頭。購入者はスクーデリアとなっているが、その実は山本英俊、窪田康志親子などの共同名義である。
レディスキッパー2018 1億2000万円
全姉に2017年のクイーンカップ覇者、オークスで3着に入ったアドマイヤミヤビを持つレディスキッパー2018。落札したのは東洋木材である。さすがはウインドインハーヘアの一族で、産駒もアドマイヤミヤビの他にオープン級のグランアルマダもいる安定感のある繁殖能力だ。そこに実績十分の既存配合ともなれば走る算段を取って億超えする理由も頷ける。
サンデースマイルⅡ2018 1億1500万円
半兄にフルーキーがいる血統のサンデースマイルⅡ2018、落札者は“ホウオウ”の小笹芳央氏。そのフルーキーから全て別の種牡馬で5年連続勝ち上がりを決めた母の繁殖能力は特筆モノだろう。しかも、シンボリクリスエスやチチカステナンゴ、カジノドライヴなどの中級クラスでそれなら今回のキングカメハメハなら化ける可能性も十分。1億超えの上記リストなら最も安心感のある産駒ではないだろうか。
アゲヒバリ2018 1億1000万円
先日の七夕賞を勝利したメドウラークの半弟にあたるアゲヒバリ2018。祖母はトゥザヴィクトリー、フェアリードール一族に繋がる繁栄ファミリーの出自で、ようやく母も結果を出したかと言った印象である。タイミング良く、その直後にロードカナロア産駒が上場されたとなると自ずと価格は高騰するだろう。1億1000万円をポンと購入したのは金子真人ホールディングス。
セレスタ2018 1億500万円
母はアルゼンチンのGⅠ馬、母父は聞き慣れないが成功例の多いパターンのセレスタ2018。実際、アルゼンチンの芝は超高速馬場で日本競馬に近い分そこで活躍している産駒は適応力があるのだろう。とは言え、ディープインパクト産駒ならともかく当たり外れの大きいハーツクライ産駒なので、それこそピンかパーのいずれかに終わりそうな気もするが。
エイグレット2018 1億500万円
半兄に福島記念、金鯱賞勝ち馬ミトラがいるエイグレット2018。その後はいまいちの種牡馬が付けられていたが、ようやくここに来てロードカナロアが2年連続で配合されているのは注目だろう。同配合で早速牝馬2冠のアーモンドアイが輩出されているのはかなりの追い風である。そこへ素直に乗っかったのが“ホウオウ”の冠名でお馴染みの小笹芳央氏。
スノーパイン2018 1億500万円
半兄に重賞2勝のタワーオブロンドンがいるスノーパイン2018、落札者は“ミッキー”の野田みづき氏。父がフランケルに変わって上位互換された様な産駒、距離適性も幾らかは延びて来るだろうが本質的にはマイラーだろう。兄は大舞台でひと息の走りが目に付いたが、同馬に関してはGⅠでこそ力を発揮しそうな底力が魅力の配合である。
ウィラビーオーサム2018 1億500万円
アルゼンチンGⅠホースの母を持つウィラビーオーサム2018、落札者はスマイルクラブ。3つ上の全兄オーサムミッションがサンデーレーシングから1億2000万円の価格で募集され話題となった。しかし、その兄は未だ勝ち上がれず引退の危機を迎えている。そうなると、正直この億超えは理解出来ない所にあるが…果たして馬主に笑顔を届けてくれるのだろうか。
エピックラヴ2018 1億円
母はフランスの重賞勝ち馬、父に世界一の称号を手にしたジャスタウェイがいるエピックラヴ2018。ジャスト1億円で落札したのはダノックスだった。母系にサンデーサイレンスが内包していない分、日本の上級種牡馬を配合しやすい利点含めて輸入されたのだろう。あくまでも、種牡馬の繁殖力に依存する産駒が多くなるのは致し方ない所か。
バラダセール2018 1億円
昨年の2017に続きその全弟であるバラダセール2018を1億円で落札したのはサトミホースカンパニー。よっぽどこの産駒の出が気に入っているのだろう、2年連続で億超えの購入はさすがのひと言だ。まだ結果が出ていないながらも、母はアルゼンチンのGⅠ勝ち馬。芝の高速決着にも対応出来る下地はある事から、いつ大物を輩出してもおかしくはない。
まとめ
以上35頭が、2018年&2019年セレクトセールで高額取り引きされた2018年産駒の注目馬。
今年の新種牡馬はドゥラメンテ、モーリスの2頭が目玉か。その他エピファネイアの爆発力も魅力、キズナがディープインパクトの後継者となるかなどかなりのラインナップである。
POG情報については随時更新予定。どうぞお楽しみに。
今年の新種牡馬はドゥラメンテ、モーリスの2頭が目玉か。その他エピファネイアの爆発力も魅力、キズナがディープインパクトの後継者となるかなどかなりのラインナップである。
POG情報については随時更新予定。どうぞお楽しみに。
父馬:ディープインパクト
母馬:ミュージカルウェイ
母父:Gold Away
所属:厩舎未定
生産:ノーザンファーム
馬主:近藤利一
※セレクトセール2019落札