2016年の京都新聞杯(G2)など3歳世代トップの重賞3勝を挙げ、近年稀に見るハイレベルな3歳世代の中でも上のレベルに位置するスマートオーディンが、松田国英厩舎(栗東)から池江泰寿厩舎(栗東)へ電撃転厩することがわかった。

松田国英厩舎といえば現在も日本競馬を支えているキングカメハメハなど名馬を管理し、多くのビッグタイトルを手にしてきた名門中の名門厩舎で、本来なら転厩を受け入れる側の立場のはずだが、ここから馬が出て行くということはなかなかの大事件である。
 
スマートオーディン(牡3歳)

スマートオーディン(牡3歳)

父:ダノンシャンティ
母:レディアップステージ
母父:Alzao
馬主:大川徹
生産者:スカイビーチステーブル
通算成績:7戦4勝
主な勝ち鞍:東京スポーツ杯2歳S・毎日杯・京都新聞杯
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マツクニ先生とオーナーの間で大きな亀裂??

 
今回の転厩は松田国英調教師と大川徹オーナーとの間でダービー後のスマートオーディンのローテーションに対する意見が食い違ったのが最大の要因とされている。

松田国調教師は日本ダービーが終わってすぐに今後のローテーションについて「オーナーと話し合いましたがまとまらず、未だ未定です」とコメントしており、この頃から徐々に両者の間には亀裂が入っていたのかもしれない。

一部では「秋のローテーションで揉めた」や「オーナー側の最大目標はNHKマイルCでダービー参戦は前向きではなかった」という情報が飛び交っているが、はっきりとした理由はわかっていないようだ。
 
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松田国英調教師
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松田国英厩舎のこだわりは、「牡馬には種牡馬入りできるような厳しい調教」「牝馬には無事に牧場に帰せるような余裕残しの調教」という調教方針を徹底。その結果、キングカメハメハが史上初めて変則二冠(NHKマイルC→日本ダービー)を果たしており、今までは不可能だった”マツクニローテ”をこの世に確立した。
 
今現在まで日本ダービー2勝など輝かしい実績を誇る松田国英調教師だが、一方でクロフネやキングカメハメハを古馬になる前に故障で登録を抹消させてしまったり、ダイワスカーレットやスマートオーディンの父であるダノンシャンティは屈腱炎で引退を余儀なくされており、一部のファンの間では”クラッシャートレーナー”と批判を受けている。
 
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大川徹オーナー(右から2番目)
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現在もスマートオーディンをはじめ、スマートレイアーなどの現役活躍馬を抱える大川徹オーナー。とうとう松田国英厩舎の方針が気に食わなくなったのか、ここにきてまさかの転厩というサプライズをぶち込んできた。
 

有力馬の駆け込み寺・池江泰寿厩舎

 
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池江泰寿調教師
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今の競馬界は「西の池江」「東の堀」と言われる時代で、三冠馬オルフェーヴルなどを育て上げた日本のトップに君臨する名トレーナーである。
 
先週、そういうお話をいただきました。あれだけの馬なので自分でいいのかな、と思いましたが受けさせていただきました。
金曜日(17日)に見に行って、ダービーの疲れを見せていませんでした。オーナーと話し合って菊花賞路線なのか、古馬とぶつけるのか、マイルなのか、いろいろと考えたいです。
 
オーナーと調教師のトラブルはさておき、スマートオーディンは3歳世代トップクラスの実力馬であることに変わりはない。百戦錬磨の池江泰寿厩舎なら何の心配もいらないだろうし、スマートオーディンに一番合ったレース選択をしてくれることを願っている。またターフで強烈な鬼脚を見せてほしい。

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