一つ目。名古屋競馬は、約30億円にのぼる累積赤字で存廃が議論されている。そのため、同競馬を運営する愛知県競馬組合は、愛知県弥富市に「弥富トレーニングセンター」内の活用されていない土地を売却し、赤字を一気に解消するというもの。
馬券の売り上げ自体は、2013年度から好転し、13年度・14年度は単年度で黒字を計上。15年度も約14億円の黒字の見込みだ。これで累積赤字を解消しつつ、経営の安定化を図り、存廃議論に決着をつけるのが狙い。そこで今年、公売で入札を実施し、一気に廃止論者をやっつけてしまおうということだ。
売却する土地は、弥富トレセン(76.5ヘクタール)のうち、空き地の約17ヘクタールで、資産評価額は約44億円。伊勢湾岸道・湾岸弥富インターチェンジに隣接し、周辺には物流企業の倉庫などがあり、流通には好立地。すでに複数の企業から打診があったそうだ。
 
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二つ目。競馬場自体を、「老朽化のため」、また「都心のまとまった土地の有効活用のため」に、弥富トレセンに移転するというもの。
これはまだ検討段階であり、16年度内に調査を終えて、移転の最終結論を出す。競馬場の敷地面積は、20.7ヘクタール。弥富トレセンが76.5ヘクタールだから、上記のように約17ヘクタールを売却しても、すっぽりと競馬場が収まる計算になる。
名古屋競馬場は、周辺の地名から「土古(どんこ)競馬場」と親しまれ、1949年に開場。すでに70年が経ち、観客席の老朽化が進んでいる。移転する場合は、弥冨トレセンに新たな観客席を新設・整備することになる。
そして、移転した後の跡地利用についてだが、これが何とも、きな臭い。愛知県が誘致を目指す「2026年アジア競技大会」の「選手村」建設構想が浮上しそうなのだ。愛知県は、パロマ瑞穂スタジアム(瑞穂陸上競技場)を主会場に想定しているが、1万6000人とされる選手や関係者の「宿泊、食堂、診療所」、またトレーニング場となる「選手村」の建設が課題となっているからだ。
競馬を主催する側としては、集客面から郊外への移転を不安視する声もあった。だが、14年度のネット販売が、売り上げ全体の55%に達するため、弥富トレセンへ移転しても支障はないとみられている。
 
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……という2つの動き。前者は仕方ないが、後者は波乱含みだろうな。大村秀章・愛知県知事の「合理化という正論めいた主張の裏に、自分の名を後世に残そうとか、歴史に刻まれる大事業をやってやろうとか」という「目立とう精神」が垣間見られるからである。
おそらく、東京五輪と同じ道を歩むだろう。エンブレム問題、新競技場のデザイン問題、ずさんな予算からの高騰問題、周辺住民の立ち退き問題などなど。
 
さらに愛知県では、かつて、「トヨタの高層ビルや、中部国際空港の建設をトラブルなく進められたのは、バックに弘道会というヤクザ組織の協力があったから」という話もあったから、裏社会での利権争いも過激化していくだろう。
アジア競技会の誘致なんて白紙撤回したらどうか。「老朽化のため」には改修すればいいだけの話だし、「都心のまとまった土地の有効活用のため」には「競馬場のある都会」として発展させればいいのに。どうして、政治家・役人は金儲けしか考えないのだろう。

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