この提案は、取手市出身の吉田隼人騎手が、昨年の有馬記念を初制覇。市民の間で大きな話題になったことで、竹原市議は「公営ギャンブルの枠を超え、スポーツになりつつある」とひらめいたそうだ。
さっそく、JRAに出向き、可能性を調査。JRAによると、同競馬場では「美浦ステークス」など自治体名を関したレースがあるが、いずれもJRAが命名している。「自治体の提案によるレースは、現在ない」という。とは言うものの、JRAは「可能性は十分ある。物産展などの集客イベントを開催すれば、JRAにもメリットがある」(総務課)と説明している。
これが現実となった場合、「寄贈賞」の提供が求められる。贈呈品は、カップやトロフィーに限らず、オリジナリティあふれる品まで、取手市の自由だ。ただし、寄贈品の値段は、レースの本賞金の「10%程度」というしきたりがある(高額賞金のGIレースなどはこの限りにあらず)。
たとえば、日本ダービーなら「内閣総理大臣賞のメダル」、「日本馬主協会連合会会長賞のメダル」、「東京馬主協会賞のカップ」。記録に残る最古の寄贈品としては、明治13年・根岸競馬において、「金銀銅象嵌銅製花瓶」一対にはじまり、銀製サラダ椀、金象嵌銅製馬像など多岐にわたったそうだ。
変わったところでは、昔は「ダイヤの指輪」があった。現在は、「陶器」、「牛肉など食料品」などの特産品。京都競馬の「栗東ステークス」は地元の目川が瓢箪の産地ということで「大きな瓢箪」が贈られている。
こんなエピソードもある。寄贈品を受け取れない場合だ。優勝しても「騎乗停止以上の処分を受けたジョッキーには、交付されない」というJRAの内規があるのだ。有名なのは、昭和58年の日本ダービーをミスターシービーで勝った吉永正人騎手、昭和59年の皐月賞をシンボリルドルフで勝った岡部幸雄騎手、平成20年のオークスをトールポピーで勝った池添謙一騎手……。いずれも騎乗停止を受けてしまった。
寄贈品には、『アド街』で上位ランクインの「新六本店」・「山中屋」の「奈良漬」を、候補に入れてほしい。そして、サブちゃんに負けじと、氷川きよしを呼んで、『人情取手宿』を熱唱してもらいたい。これで、ジジババの来場者は倍増するはずだ。