降級制度の仕組み

 
降級を最もシンプルに説明した図

降級を最もシンプルに説明した図

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分かりやすく言うとこうである。

これまでのレースで獲得した収得賞金が、毎年6月には半額扱いとなり各条件に滞在する馬の偏りが無くなる様にクラス編成が行われる仕組み=降級と呼んでいる。そもそも“収得賞金”とは1着賞金のみ(重賞は2着まで)の事を指す。一般的な賞金額とは、“本賞金”と言われ1~5着まで与えられる額面の事。そして、それらの生涯合計額が“総賞金”と言う表記になるので、そこの認識が先ず変わって来るから注意だ。

つまり、JRAが各馬のクラス分けを把握しやすい様に決められた賞金額の事であり、実際に稼いでいる額とは大きく異なって来る。このシステムが、競馬ファンにはイマイチ理解され続けない最大の要因ではないだろうか。
 
降級を数値化して詳しく説明した図

降級を数値化して詳しく説明した図

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一般的なレース体系

 
周知の事実ではあるが、競馬は新馬(未勝利)から1戦毎に勝ち上がって行き最終的にはオープンクラスに属してGⅠタイトルを獲得するのが目標となる。ここで重要なのはそれぞれのクラス毎に収得賞金がカテゴライズされており、その範囲を超えない限りは上のクラスに進めないのだ。

在級クラスを勝てば当然ながらランクアップするが、前述にもある様に重賞2着も収得賞金加算の対象となり飛び級する場合もある。分かりやすいところで言えば、現役馬のサウンズオブアースの成績が通算2勝にも関わらず、常にGⅠ戦線で活躍しているのが最たる例だろう。
 
JRAの競走体系を表すピラミッド図

JRAの競走体系を表すピラミッド図

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そして、更に肝となるのが“3歳以上”や“4歳以上”と言った年齢別の条件。これは、JRAが開催する年間スケジュールと密になって関わって来る。

具体的には新馬戦が始まる6月中旬を境に考えると非常に分かりやすい。大まかに言えば、年の前半は3歳限定と4歳以上、後半は2歳限定と3歳以上の2条件でレースが組まれる。これまで限定戦を走って来た3歳馬が夏競馬に入った途端に古馬と対戦する事となるのだ。つまり、その時に各クラスの中で頭打ちになっている古馬に再度チャンスが与えられるのが“降級”のミソとも言えよう。
 

降級が無くなると一体どうなるの??

 
真っ先に考えられるケースとしては、1600万クラスが飽和状態となる懸念だろう。個人的な感覚だと、500万と1000万のレベルは程近く、1600万で途端に馬質自体が大きく変わり一気に相手が強くなってしまう。つまり、500万→1000万はその時の調子や運など実力以外の要素で連勝出来たりするのだが、それ以上になって来ると本当に力のある馬しか勝ち上がれないのだ。

ともなると、在級する馬の割合が1600万クラスに偏ってしまい同条件に出走しては抽選による出走除外、と言う事象が多発するのではないだろうか。正月開催に出走ラッシュが起きた時のパターンと同じで、それが常時発生している状態だ。調教師からするとせっかく調整したのに目標のレースに出られないと言うのは余りよろしくない。
 
中央馬の相次ぐ地方移籍も??

中央馬の相次ぐ地方移籍も??

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後は、その頭打ちになった中央所属馬の多くが活躍の場を求めて各地方競馬場へ移籍する事も考えられる。これは至極当然の話で、自分が馬主の立場なら上位入線出来ないクラスでずっと滞在するよりもいっその事勝機のある地方に移った方が賞金も獲得出来るし、何より観ていて面白い。若しくは、それらの馬の早期引退か。特にクラブ所属の馬(特に牝馬)は元々が走る期限を設けられいたのが、更に縮まって繁殖の世界へ早々に入ってしまう事態も十分に有り得るだろう。

先の件だと、逆を言えば地方馬主にとっては由々しき問題にも成り兼ねない。自分たちのフィールドに突如大量の元JRA馬が押し寄せてくるのである。幾ら中央で活躍出来ないと言っても、地方とはまだまだ力差があって格上の存在。急にお局が異動して来て楽しかった職場が荒らされ、そのまま偉い立場でふんぞり返られるのだから元々の人間からすればたまったものではない。ここには大きな反対意見も存在している筈だ。
 

まとめ

 
他社の取材では、既にJRA側と多方面で合意に基づく話し合いが進んでいるとされ、ほぼほぼ制度の改正は間違いない。競馬ファンからしても、“夏の降級馬”は穴馬券を取る為の非常に美味しい存在でもあった。それが無くなると言うのはひとつの予想理論が消える事になるので=競馬の楽しみが少し減ってしまうのだ。これはこれで寂しい気もする。

しかし、決まった??以上は仕方のない話であり、来年の本格的な施行後はそこで生じる問題点を解消しつつ上手くやって行くしかない。JRAサイドはこれから大変だとは思うが、競馬がより魅力的なエンターテイメントになる様、より一層の努力に邁進して欲しいと思う。

何より、今年の夏はしこたま降級馬で万馬券を獲ってやろうと心に決めたw

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