今回から一括と月額の支払いを選択が可能に
募集額を安く設定して話題を集めた『DMMバヌーシー』だが、今回の募集から月払い方式を採用する事で更にその価格帯を下回って来た。募集馬の最低額は初期購入時で何と500円(保険料含む)というケースもあり、その他ランニングコストとして2歳1月以降、運用開始月から引退月まで1頭につき月額費300円を支払うという仕組みだ。これには当然ながら維持費も含まれており、新しく募集される全頭一律の額となる。
一括購入=維持費用不要で初回購入時にまとめて全額を支払う
月額購入=初期購入費を抑える代わりに2歳1月以降、運用開始月から引退月まで毎月300円維持費用を支払う
以上の方法で馬を購入する事が出来るのだが、では果たしていずれの方法がお得なのだろうか?簡単ではあるがおおよその配当例を計算してみたので参考にして頂きたい。
一口馬主シミュレーション
一口10,000円の馬を一括購入した場合 ( 1万口設定 )
仮にオグリロマンス2016を一括で購入したとする。運良く新馬戦を勝利したとすると賞金は700万円。その内、馬主には約80%分配されるので約560万円。これ1万で割った場合における一口馬主への配当額は一人あたり560円。つまり、投資額の1万円を回収しようとすれば購入馬が賞金にして1億2500万円稼がないといけない計算になる。シンプルに例えるなら、そこから新馬→500万→1000万→1600万→オープン→GⅡと破竹の6連勝を達成して初めて到達する金額なのだ。先ず持って相当に厳しいハードルとなる。
初期購入費500円、運用開始月~引退月まで月額300円を支払い続けた場合
DMMバヌーシーの想定では6歳12月(牝馬は6歳3月)まで走った想定で一括金額を設定しているとの事。では、オグリロマンス2016がその規定通りに2歳6月~6歳12月まで走ったとする。この中で掛かる総費用は500円+(300円×55ヶ月)=17000円。元を取ろうとすると、一括購入時よりも金額が上がり約2億1500万円以上稼いで初めて回収出来る計算だ。これも簡単に例えると、先のGⅡまでの6連勝に加えて、GⅢを2勝か格の高いGⅡを1勝、はたまた賞金の安いGⅠを1勝という実績が必要となる。
※尚、今回のシミュレーションには出走手当や奨励金などの類は非計上
※尚、今回のシミュレーションには出走手当や奨励金などの類は非計上
2016年産駒の募集額一覧
オグリロマンス2016 1口/1万口 ( 一括:10,000円 月額:初期500円+最大16,500円 )
オグリロマンス2016の動画
via www.youtube.com
祖母のオグリローマンは名馬オグリキャップの全妹で桜花賞勝ち馬。繁殖はイマイチだが、潜在能力と秘めたる爆発力はしっかりと遺伝されているだろう。父ベーカバド自体はクラシックディスタンスまで対応出来る種牡馬であり、上手く行けばきっちりと回収出来ても不思議ではい1頭と言える。但し、どちらかと言えば奥手の血統タイプ。長い目で見守りたい。
マネーペニー2016 1口/1万口 ( 一括:17,420円 月額:初期5,360円+最大13,200円 )
マネーペニー2016の動画
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マネーペニーは海外で鳴かず飛ばずの成績を残し日本で繁殖牝馬に、それでも初年度から2頭続けて4勝馬(いずれもマンハッタンカフェ産駒)を出すなど一定の実績を積んではいる。とは言え、ディープインパクトの上もいるがそこは活躍していないという点も含めると極めて微妙なポジション。この値段でディープ産駒が買える事を良しとするかどうか。
キタノインパクト 1口/1万口 ( 一括:22,580円 月額:初期7,240円+最大16,800円 )
キタノインパクト(ボンバルリーナ2016)の動画
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ビートたけし命名第二弾のキタノインパクト。ご存知、初回命名のキタノコマンドールは新馬→すみれステークスを連勝し一気にクラシック有力候補へ名乗りを上げるなど幸先の良いスタートを切っている。さすが大物芸能人の引き、といった所だろう。その流れを引き継いで行きたいのは山々だが、実はボンバルリーナの上の兄弟は全てディープインパクト産駒なのだが未だ勝ち上がった馬は0。これでは買う気が一切起こらないのも事実としてある。
Steel Princess2016 1口/1万口 ( 一括:34,130円 月額:初期21,780円+最大13,500円 )
Steel Princess2016の動画
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母スティールプリンセスは2011年にジャパンカップで来日したサラリンクスを産むなど、一定の成績を残した繁殖牝馬。そこにデインヒル3×2となる強力なインブリードを持ったフランケル産駒がラインナップされ、ある意味で2016年産駒では最も注目度の高い1頭となるだろう。実際に価格帯もずば抜けて高く設定され、クラブ側の期待値が大きく反映されている。
Azeema2016 1口/1万口 ( 一括:18,600円 月額:初期3,740円+最大16,200円 )
Azeema2016の動画
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父オーストラリアはサドラーズウェルズ系の種牡馬で、その母ウィジャボードはジャパンカップに2度参戦した名牝。母のアジーマはそこそこの繁殖牝馬という配合からも、基本的には日本に向かない血統背景というイメージか。唯一面白いのは武幸四郎厩舎に委託予定という点くらい、これを選ぶなら他に手を出した方が良いのは間違いない。
Night Visit2016 1口/1万口 ( 一括:19,040円 月額:初期4,180円+最大16,200円 )
Night Visit2016の動画
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半兄トレーディングレザーは2013年のアイルランドダービー馬で、父が変わったとは言え同じサドラーズウェルズ系の配合からも期待出来る血統構成。ドーンアプローチも既にその父ニューアプローチと共に日本での産駒である程度の成績を残している事からも気後れは無い。クラシックの常連でもある友道康夫厩舎に預けられるのであればある程度の成績は残してくれるのでは。
2017年産駒の募集額一覧
サラファン2017 1口/1万口 ( 一括:18,780円 月額:初期2,280円+最大18,000円 )
サラファン2017の動画
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母系がボチボチ優秀な牝系という点くらいで、それ以外は取り立てる要素が無いサラファン2017。注目点として強いて挙げるならば新種牡馬エピファネイア産駒という要素くらいなもの。それなら他でももっと良い馬が要るだろうに、あえてここをセレクトする必要は無い。ただ、栗毛に金髪のルックスは見ていてかなりカッコイイ。単純な見た目重視で選んでも良いかもしれない。
ヴィクトリーマーチ2017 1口/1万口 ( 一括:19,580円 月額:初期3,080円+最大18,000円 )
ヴィクトリーマーチ2017の動画
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母はエルフィンステークスで2着に入るなどそこそこの活躍をして繁殖入り、その後数頭産んではいるが余り良い繁殖成績は残せていない。ヌレイエフ→リアファン→カーリアン→アグネスタキオンと優秀な父を重ね合わせた母系だけにいつ大物を輩出してもおかしくは無いが、如何せんルーラーシップ産駒がキセキ以外の体たらくぶり。今のところ遅めの未勝利戦をダートで勝ち上がるイメージしか湧かない。
スターズインハーアイズ2017 1口/1万口 ( 一括:23,780円 月額:初期7,280円+最大18,000円 )
スターズインハーアイズ2017の動画
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母はディープインパクトの姉、近親には重賞馬がズラリ並ぶ日本を代表するレベルの牝系出身だ。そこへ産駒が好調のロードカナロアを掛け合わせた時点で相当な期待が出来る1頭に仕上がっているのではないだろうか。同産駒は意外にも中距離もこなせる馬が多く、若駒時代のクラシック戦線は先ずもって問題ない。母父Woodmanだろうが潜在的なスタミナは介在しており、今回の募集馬の中でもトップクラスの評価を与えたい。
ツルマルハロー2017 1口/1万口 ( 一括:18,780円 月額:初期2,280円+最大18,000円 )
ツルマルハロー2017の動画
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母ツルマルハローは京王杯スプリングカップ勝ち馬サンクスノートの妹で、自身の産駒は4頭全て勝ち上がりを見せる割と優秀な部類の繁殖牝馬。大物を求めるのは少々酷だが、ダート戦線でしぶとく活躍するレベルの競走馬は期待出来る可能性が高い。エピファネイア×アグネスデジタルという配合からもゴリゴリのパワータイプと判断する。
クラリネット2017 1口/1万口 ( 一括:20,370円 月額:初期3,870円+最大18,000円 )
クラリネット2017の動画
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母クラリネットの半兄にはアメリカの年度代表馬にも輝いたあのFavorite Trickがおり、2013年に来日してから2頭続けてディープインパクトを付けるなど名門・下河辺牧場でも期待されている一族だ。残念ながら上は全て未出走で未だその繁殖力を見極める事が出来ないものの、ハーツクライに代わって爆発する可能性は大。クラシックを狙うならこれが1番オススメだろう。
まとめ
オグリロマンス以外は、最大支払い想定にほとんど差がないので好みでプラン選択してよし!!
以上、3月2日より募集が開始される11頭のリストまとめ。
内容を総括すると、一括購入でGⅢクラス、分割購入ではGⅠに手が届くかどうかというレベルの馬と巡り会えなければほとんど回収の見込みは絶たれるという事だろう。勿論、地道に条件やOP戦で入着を繰り返し到達するケースもあるだろうが…ざっと考えても一括購入の方が割が良いのではないだろうか。
前回の募集馬が軒並み完売に届かず売れ行き不振、クラブとしては存続の為の策として月額方式を採用したという流れなのは間違いない。その経緯はどうあれ、ユーザーからすればワンコインで馬のオーナーになれるのだからそれはそれで有りか。DMMバヌーシー側が言っている様に、この一口馬主の形態では投資額の回収は難しい。それよりも馬主という立場から持ち馬の勝利や大レースに出走した時の感動を共有したいとの想いで立ち上げたクラブであり、そういう意味で今回の新システムがどの様な反響を呼ぶかは非常に興味深いところである。
内容を総括すると、一括購入でGⅢクラス、分割購入ではGⅠに手が届くかどうかというレベルの馬と巡り会えなければほとんど回収の見込みは絶たれるという事だろう。勿論、地道に条件やOP戦で入着を繰り返し到達するケースもあるだろうが…ざっと考えても一括購入の方が割が良いのではないだろうか。
前回の募集馬が軒並み完売に届かず売れ行き不振、クラブとしては存続の為の策として月額方式を採用したという流れなのは間違いない。その経緯はどうあれ、ユーザーからすればワンコインで馬のオーナーになれるのだからそれはそれで有りか。DMMバヌーシー側が言っている様に、この一口馬主の形態では投資額の回収は難しい。それよりも馬主という立場から持ち馬の勝利や大レースに出走した時の感動を共有したいとの想いで立ち上げたクラブであり、そういう意味で今回の新システムがどの様な反響を呼ぶかは非常に興味深いところである。
父馬:ベーカバド
母馬:オグリロマンス
母父:ノーザンテースト
所属:松永昌博厩舎(栗東)
生産:ヤマタケ牧場
馬主:DMMドリームクラブ
月額費用開始:2018年6月予定