着々と募集馬も増加中
2017年に一口馬主業界へ電撃参戦したDMMドリームクラブ。セレクトセールでは名だたる良血馬を落札しメディアへの注目をかっさらった形だが、その他でも水面下で各方面から競走馬を獲得していたらしい。そこで気になる同クラブの募集馬をピックアップしてみた。2018年、2019年シーズンのPOG指名または実際のDMMバヌーシーのアプリ内で出資する為の参考資料にして頂きたい。
2016年産駒
ファイナルドリーム 一口価格:34,130円
母スティールプリンセスの産駒には2011年のジャパンカップで来日したサラリンクスがいる血統で、ファイナルドリームの父は怪物フランケル。その産駒はソウルスターリングやモズアスコットなど、少頭数ながら既にGⅠ馬も輩出しており日本競馬のスピードにも対応している。預託先も池江泰寿厩舎とあらば、そうそう駄馬の類は出さないだろう。上手く行けばクラシック戦線にまで乗って行ける好素材と言える。
ラヴズオンリーユー 一口価格:32,000円
言わずもがな、あのドバイターフを制したリアルスティールの全妹。その他にプロディガルサンがいる安定の“ディープインパクト×Storm Cat”配合で、この中だと最も高確率で活躍馬を輩出する産駒と言えるだろう。2017年セレクトセールでは1億6000万円で落札された超良血馬だが、それを鑑みても規定の6歳3月(牝馬は繁殖期がある為引退設定が牡馬より早い)までの維持費を含めてこの価格なら相当に安い。
ドリームインパクト 一口価格:28,500円
母タミーンはイギリスの準重賞を勝った程度ではあるが、その系譜を紐解けば遠巻きの血縁関係にティンバーカントリーやドバイミレニアムなどの一流馬がいる血統。持ち込みの初年度からディープインパクト、オルフェーヴルと超一流種牡馬が配合されている事からも牧場側の期待の高さがうかがい知れる。まだ産駒が一度もターフを走っていないのは気掛かりだが、先物買いをしても決して損にはならない1頭ではないだろうか。
レーヴナイト 一口価格:19,040円
半兄に愛ダービー馬トレーディングレザーがいる超良血馬レーヴナイト。その他、ヨーロッパや日本でもGⅠ馬を多数輩出する優秀な母系から受け継がれる素質は父ドーンアプローチの掛け合わせで爆発する可能性大。血統的にも仕上がり早で2歳時から能力全開の1頭だろう。関西の最有力である友道康夫厩舎に預けられるのは何とも心強い。
クロスオブヴァロー 一口価格:18,600円
2011年の英愛ダービーを制したオーストラリアの初年度産駒にあたるAzeema2016。その父にはガリレオ、母はジャパンカップで3着に入った名牝ウィジャボードと超良血。母方も兄弟にGⅠ馬がいる優秀な母系でまさに世界レベルの血統馬と言える。新人の武幸四郎厩舎に預けられるが、馬も人も注目の的である。課題は父系のネックでもある日本の高速馬場に対応出来るかどうかだ。
ランヴォール 一口価格:18,510円
母系を遡ればフェアリドール一族にたどり着くファミリーの出身。即ち、トゥザ軍団とは近親関係にあたり、その豊かな血統構成の下地にオルフェーヴルをぶつけた配合で一発の期待感はある。しかも、今では希少な母父トニービンの肌馬。その名前の通り、東京競馬場の大舞台で飛翔する走りを見る事は出来るのだろうか。
ゴッドトール 一口価格:18,000円
ゴッドフェニックスの母はロンドンブリッジ。つまり、近親にはオークス馬ダイワエルシエーロや2017年の安田記念で4着に好走したグレーターロンドンがいるお馴染みの血統だ。母自体の繁殖実績が乏しいのは事実だが、その中でもサトノマルス(ディープインパクト産駒)が新馬で高いパフォーマンスを見せていたのは好材料だろう。キタサンブラックで種牡馬としても覚醒し始めたディープの全兄ブラックタイドが意地を見せ付けるか。
ルナティアーラ 一口価格:17,420円
母マネーペニーの妹にGⅠ5勝をあげ、アメリカの2歳チャンピオンに輝いたスターダムバウンドがいるエリート一族出身のルナティアーラ。母自体もカウニスクッカやダイトウキョウなど、ある程度の繁殖結果を残しているのでディープインパクトで成功する要素は揃っていると言えよう。但し、既に全兄姉の上2頭が期待外れに終わっている点は加味しておきたい。
アイスブラスト 一口価格:17,400円
実績こそ少ないもののメインスルーを軸とする母系のラインは無駄のない上級種牡馬の掛け合わせで、それをキングカメハメハで締めたキングダンサーの印象としては悪くない。父ゼンノロブロイが果たしてどうかという感じだが、大物は望めないまでも複数勝利級の馬が輩出されても何ら不思議ではないイメージだろう。戸田博文厩舎だけにじっくり勝てるレースを選んで来そう。
オグリクロノス 一口価格:10,000円
競馬のロマンを求めるならこのオグリクロノスだろう。オグリロマンス→オグリローマンをあのオグリキャップを近親に持つ懐かしい血統馬。とは言え、オグリローマン以降の繁殖成績たるや全く奮っておらず…更にベーカバドで締めたこの配合で走る可能性が高いとは言い難いものがある。あくまでも応援、走れば儲けもの的な感覚で投資するのが良いだろう。
2017年産駒
ダブルアンコール 一口価格:46,800円
大注目は何と言ってもこちら、ダブルアンコール。7冠牝馬ジェンティルドンナの全妹で、2017年セレクトセールでは何と史上3番目の額となる3億7000万円で取り引きされている。他馬との兼ね合いを考えれば、恐らく落札額から見ても募集額は5~6万円程度の見込みだろう。正式な価格は2018年の1月以降の発表が予定されている。具体的な情報は暫しお待ちを。
エブリワンブラック 一口価格:43,500円
現役最強馬の呼び声が高いキタサンブラックの全弟。2017年セレクトセールで1億4500万円もの高値で取り引きされた大注目の1頭だ。その兄は2017年8月現在で約13億円もの賞金を稼いでいる事から、一口4万3500円の価格も高くはないだろう。全く同じだけ走ると言われると難しいかもしれないが、同配合だけにいわゆる駄馬は出さないと見て良い。
ディヴィナプレシオーサ2017 一口価格:32,000円
母ディヴィナプレシオーサはチリでGⅠ2勝をあげたチャンピオンホース。その初年度から立て続けにディープインパクトを配合され、いわゆる走るトレンドの“ディープ×海外の実績牝馬”パターンに該当する産駒だ。預託先も絶好調の藤沢和雄厩舎を確保している辺り、陣営も密かにかなり期待しているのではないだろうか。当たり外れはあるかもだが、思い切って狙ってみても良い1頭だ。
キタノブルー 一口価格:26,170円
2014年の阪神ジュベナイルフィリーズを制したショウナンアデラを全姉に持つキタノブルー。命名はキタノインパクトに続き、世界の北野武氏である。話題性は勿論、その血統に裏付けられた確かな実績が飛躍の予感を漂わせている。関東の国枝栄厩舎に預けられ期待値の高さも十分、キタノコマンドールに続いてクラシック参戦も十分に可能だろう。
スターズインハーアイズ2017 一口価格:23,780円
スターズインハーアイズはウインドインハーヘアの直仔、つまりディープインパクトやレイデオロなどの近親にあたる同馬。母父ウッドマンの肌にロードカナロアと、スピード色豊かな配合でマイル以下の活躍が期待出来る1頭だろう。池江泰寿厩舎だけに大ゴケという事は有り得ない。
クラリネット2017 一口価格:20,370円
遡ればアメリカの年度代表馬に輝いたフェイバリットトリックがいる由緒ある母系の出身。Unbridled→Giant's Causewayという質の高い種牡馬の代重ねにハーツクライを配合し、如何にもクラシックを意識させる中距離適性の高い1頭となりそう。ディープインパクトが付けられた上の牝馬2頭とは打って変わり、ハーツクライの牡馬という転換でいきなりの大物出現の期待も。
ヴィクトリーマーチ2017 一口価格:19,580円
母系もそれほど優秀では無く、海外の重賞戦線で活躍した馬が近親にいる程度。ただ、Nureyev→Lear Fan→Caerleonという種牡馬の代重ねは文句無し。そこにブルードメアサイアーとして活躍しているアグネスタキオンで締めているのでいつ爆発してもおかしくはない配合とも言える。ルーラーシップ自体が重ためでどちらかと言えばダート向きかもしれない。
サラファン2017 一口価格:18,780円
大きな流星と栗毛に金髪の派手なルックスで人気を集めそうなサラファン2017。父は新種牡馬のエピファネイアで、近親にダート重賞の強豪アスカノロマンがいる血統だ。それ以外にさしたるウィークポイントは見当たらないが、応援するという意味では非常に分かりやすい見た目だけでも十分に価値はある。後は父の未知なる爆発力に賭けるしか手はないだろう。
ツルマルハロー2017 一口価格:18,780円
こちらもエピファネイア産駒のツルマルハロー2017。近親に京王杯スプリングカップを制したサンクスノートがいる血統で、どちらかと言えばスピードが勝った母系と言えるだろう。そこにアグネスデジタルの肌でエピファネイア締め。正直、どう転ぶかは走ってみないと分からないが未知数という意味で興味深い1頭だ。下河辺牧場生産のブランド力に期待したい。
ワナダンス2017 一口価格:12,500円
母ワナダンスはアルゼンチンのGⅠ馬。血統構成も悪くなく、上2頭は既にDMMバヌーシーで募集された同クラブと関係値の深い産駒である。そこに絶好調で評価がうなぎのぼりのジャスタウェイ、大物が輩出されてもおかしくない存在と言えるだろう。ノーザンファーム生産、友道康夫厩舎預託というゴールデンラインがクラシック参戦の夢を叶えてくれるかもしれない。
デアリングハート2017 一口価格:10,000円
母デアリングハートは桜花賞3着、NHKマイルカップ2着とGⅠでも好走した活躍馬。一族にも海外GⅠ馬や日本の重賞を制した馬も多数おり、優秀な繁殖牝馬に成り得る存在である。少なくなりつつある希少なサンデーサイレンスの肌にキングカメハメハ、日本競馬の粋を集めた血統馬でこれが1万円で出資出来るのならお買い得感満載である。友道康夫厩舎だけに下手な馬は出て来ない筈。
ミッキーパール2017 一口価格:10,000円
母ミッキーパールは未出走ながら、祖母エヴリウィスパー、引いてはクラフティワイフ一族の出身で日本競馬でも屈指の牝系ファミリーである。産駒が走る下地はこれでもかという程に揃っているので、後は父キズナとの相性次第というところか。ノーザンファーム生産で当然ながら育成環境も抜群、木村哲也厩舎預託も問題ない。デアリングハート2017同様に1万円ならコスパは高い。
シンハディーパ2017 一口価格:10,000円
名前からも分かる通り、シンハリーズから来る優秀な母系のシンハディーパ2017。母父ウォーエンブレムの繁殖実績も十分で、これはかなり期待度の高い産駒ではないだろうか。ダイワメジャーの安定感、国枝栄厩舎のチーム力を考えればハズレを引く可能性はかなり低い。1つ上のアトラクティヴ(父スクリーンヒーロー)次第で評価が急上昇するのではないだろうか。
2018年産駒
シュガーハート2018 一口価格:未定
2017産駒に続き、2年連続でキタサンブラックの全弟を落札したDMMドリームクラブ。こちらも1億2500万円と億超えの額となったが普通に走ってくれば兄の10分の1程度稼ぐ事は容易だろう。先ずは1つ上のエブリワンブラックがどうなるか注目となるも、この2頭からいずれかは重賞級が出ると予想。引き当てるのはどちらか、個人的には下のほうがデキ良しと判断する。
レディオーカモア2017 一口価格:未定
母レディオーカモアは血統表を見るとプリンスリーギフト系→フェアウェイ系→ニアークティック系→プリンスキロ系と希少な系統の代重ねで非常に珍しい母系と言える。既にカナダで重賞馬を輩出している事から、繁殖能力はある程度担保出来ている筈。ハーツクライで突如の大物が出る可能性は秘めており、2018年産駒の台風の目に成り得る素材だろう。
ソムニア2018 一口価格:未定
母系は社台グループで血の枝を伸ばし続けた一族、数多の重賞活躍馬を輩出しており日本競馬を支えて来た種牡馬の代重ねで底力を蓄えているのは明らかだろう。そこにルーラーシップを配合した事でどこまでポテンシャルを引き出せるかに注目だが、母父スペシャルウィークの肌は時として良い素材を送り出すイメージがある。ノーザンファーム生産でここが正念場の1頭だろう。
コズミックショア2018 一口価格:未定
コズミックショアは明らかに繁殖牝馬用として持ち込まれた経緯があり、母系にはSecretariat→Seattle Slew→Crafty Prospector→ヘネシーとゴリゴリの米ダート血統でパワーを、母父にElusive Qualityでスピードを補っており配合次第で如何様にも転びそう。そこへどう転んでもおかしくないオルフェーヴルが掛け合わせられてまさにピンかパーの1頭だろう。血統構成だけで言えばある意味文句無しだ。
オールウェイズウィリング2018 一口価格:未定
2歳牝馬チャンピオンのショウナンアデラ、1つ上のキタノブルー全弟にあたるオールウェイズウィリング2018。既に結果が出ている血統で安心感もあり、そのキタノブルーが先にデビューする事から産駒のイメージが付きやすいのは非常に嬉しい限り。上が走れば自ずと同馬の出資数にも影響して来るだろうから、クラブ側の命運を握った存在と言える。
タミーン2018 一口価格:未定
名門牧場の下河辺牧場から海外の粋を集めた血統馬タミーン×ドゥラメンテがラインナップ。その父は故障さえ無ければ3冠確実だった最強馬で、海外GⅠ含めても全キャリアで連対を外さなかった近年稀に見る怪物っぷりだった。パフォーマンスを見ても狂気じみた末脚は産駒にも必ず伝えてくれるだろう。同クラブ初のGⅠ制覇がそれまでに成し遂げていなければトップを切るのはこの馬かもしれない。
シスタリーラヴ2018 一口価格:未定
母シスタリーラヴはカナダの古馬牝馬チャンピオンで、上の2頭(共にディープインパクト産駒)はセレクトセールで1億円前後の高値で取引きされた血統馬である。その兄たちは了徳寺氏、ダノックスがそれぞれ落札しており超大物馬主が競り合う程に良い馬なのだろう。見る目のある強豪たちが購入したとあれば、この2018年産駒にも期待をかけずにはいられない。
ラヴインザダーク2018 一口価格:未定
パカパカファーム生産の母ラヴインザダークは、同ファーム初の日本ダービー制覇を成し遂げたディープブリランテの姉。まさに屋台骨的存在であり、その血脈を伸ばす意味でも牝馬の存在は貴重なものとなる。そこに新種牡馬ドゥラメンテを配合、母父ダンスインザダークと共に日本屈指の牝系を掛け合わせた血統表は惚れ惚れするばかり。サンデーサイレンスの3×3が爆発すれば大物誕生も。
キストゥヘヴン2018 一口価格:未定
2006年の桜花賞馬キストゥヘヴンを母に持つ同2018産駒。父にロードカナロアを配してそろそろ活躍馬を出して欲しい気もするが、いかんせんこれまでの兄弟が未だ中央で勝利を上げていない事実は捨て難い。幾らGⅠ馬同士の産駒とは言えこれは同世代でも最低ランクの扱いで良いだろう。
まとめ
当初のイメージより各馬の値段設定はやや高くなった印象だが、一般的なクラブでは購入費の他に毎月の維持費がかさんでくる。大体が3000~5000円内の範囲となっているが、それが例えば2歳9月~6歳12月まで走ったとすると最大25万円前後の費用が必要。それと比較すればキタサンブラックの弟が4万4000円で買えて、その後引退するまで諸経費は0円というのは確かに破格かもしれない。正式な稼働後は更なる具体性を持って有力な情報をお届けして行く予定だ。
父馬:フランケル
母馬:スティールプリンセス
母父:デインヒル
所属:池江泰寿厩舎(栗東)
生産:GrangeconStud(愛)
馬主:DMMドリームクラブ