レース傾向&展開

 

京都競馬場・芝3000m(外回り)

 
菊花賞(G1)と万葉S(OP)のために、年に2回しか使用されない京都芝3000m。万葉Sがスローペースなのに対して菊花賞は早いラップになることが多く、前半から消耗戦となるのでかなりのスタミナが要求される。さらにコーナーが6つあるため、道中はインで立ち回れる馬が有利になる。最後の直線は約400mと長めだが、京都コースは急坂がない平坦なコース。4コーナーの時点で後方にいると厳しく、先行・捲りタイプの馬が狙い目になる。

種牡馬ではステイゴールド、マンハッタンカフェ、ゼンノロブロイ、ダンスインザダーク、シンボリクリスエスあたりが好成績を残している。一方で、どの競馬場でも最上位にいるディープインパクトはこの舞台ではやや成績が劣る。
 

レース展開予想

 
先手争いはミライヘノツバサ、サトノエトワール、アグネスフォルテの3頭が有力。後ろの先行勢にジョルジュサンク、エアスピネル、マウントロブソンが続いて、中団から後方にカフジプリンス、サトノダイヤモンド、シュペルミエール、ディーマジェスティ、レッドエルディスト、ミッキーロケット、イモータル、ウムブルフ、レインボーライン、コスモジャーベ、プロディガルサン、ジュンヴァルカンと展開が予想される。
 

独自予想

 

◎ディーマジェスティ(牡3歳、美浦・二ノ宮敬宇厩舎)

 
ディーマジェスティ

ディーマジェスティ

父:ディープインパクト
母:エルメスティアラ
母の父:ブライアンズタイム
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今年の皐月賞を制して一冠目を奪取。続く1番人気に支持された日本ダービーでは3着に敗れたものの、中間で順調さを欠いた分であり、地力の高さは世代トップクラスであることは間違いない。秋初戦の前走セントライト記念では単勝オッズ1.4倍の断然人気に応えて勝利し、万全の態勢で二冠制覇を狙う。
唯一不安材料を挙げるならば、長距離重賞でのディープインパクト産駒の成績が良くないことだろう。ただ、本馬の母父はナリタブライアンやマヤノトップガンを輩出したブライアンズタイム。さらに母母父にSadler's Wellsがいるスタミナ血統。高い身体能力と強靭な精神力を武器に3000mの過酷な舞台でも十分にこなしてくれるはずだ。
 

◯サトノダイヤモンド(牡3歳、栗東・池江泰寿厩舎)

 
サトノダイヤモンド

サトノダイヤモンド

父:ディープインパクト
母:マルペンサ
母の父:Orpen
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デビューから3連勝で挑んだ皐月賞は直線不利を受けながらも3着、続く日本ダービーはマカヒキとの熾烈な追い比べの末、ハナ差敗れて2着と春はあと一歩のところで涙をのんだが、世代トップクラスの実力は誰もが認めるところだろう。
秋初戦となった前走の神戸新聞杯では少し行きたがる仕草を見せたが、最後はミッキーロケットの追撃をクビ差凌いで1.2倍の断然人気に応えて勝利。久々を一度使われてさらなる前進が見込めそうな今回は、万全のレースを見せてくれるはず。
本馬もディーマジェスティ同様に血統面での不安があるが、フットワークの大きい走りはステイヤータイプには多く見られる特徴で、高いレースセンスを武器に上手く立ち回れれば上位争いは必至だ。
 

▲カフジプリンス(牡2歳、栗東・矢作芳人厩舎)

 
カフジプリンス

カフジプリンス

父:ハーツクライ
母:ギンザフローラル
母の父:シンボリクリスエス
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昨年8月にデビューして初勝利を飾ったのが今年の3月。初勝利まで計10戦も要した遅咲きで、続く500万→1000万と連勝して前々走の丹頂SでようやくOP入りを果たした。初重賞参戦となった前走の神戸新聞杯では4着に敗れたものの、最後まで伸び脚が鈍らなかったことは素直に評価したい。1、2番人気が予想されるディーマジェスティとサトノダイヤモンドが距離に不安を抱えているのに対して、本馬は血統面から距離は伸びた方がプラスに働くタイプ。スタートからインで上手く立ち回れれば春のクラシックを賑わせた2頭を逆転することは十分に可能だ。
 

▲ミッキーロケット(牡3歳、栗東・音無秀孝厩舎)

 
ミッキーロケット

ミッキーロケット

父:キングカメハメハ
母:マネーキャントバイミーラヴ
母の父:Pivotal
via google imghp
 
デビュー時から素質の高さを評価されていたが、春はスプリングS5着、皐月賞13着と力の差を見せつけられる結果に終わった。続く日本ダービーには向かわず休養に入ると、7月の北海道シリーズで戦線復帰。夏は3戦して2勝2着1回の好成績をマークし、前走の神戸新聞杯では全く歯が立たなかったサトノダイヤモンドとクビ差の接戦を演じ、大きな地力強化を印象付けた。
ただ、夏に3戦消化したこともあり、前走はマイナス10kgでの出走。ここからさらに上積みがあるかと言えば他馬より見劣りしてしまう印象で、どのくらい状態をキープできているかがポイントになりそうだ。
 
△レインボーライン(牡3歳、栗東・浅見秀一厩舎)
今年のアーリントンCを制して重賞初制覇を遂げ、NHKマイルCでは勝ち馬メジャーエンブレムから0.1秒差の3着と好走。続く日本ダービーでは8着、前走の札幌記念ではモーリスやヌーヴォレコルトといった一線級の古馬を相手に3着に入り、素質の高さと共に中距離でも十分に対応できることを証明した。父はオルフェーヴル、ゴールドシップという2頭の菊花賞を輩出したステイゴールドと血統面からも期待せざるを得ない一頭だ。
 

出馬表&レーティング&予想オッズ

 
レーティング的には上位人気が予想される2頭サトノダイヤモンド、ディーマジェスティが完全に抜けているわけだが、長距離重賞でディープインパクト産駒が実績のないという理由で少し低く見積もる必要があるかもしれない。しかし今年はその2頭がワンツーを決める可能性も十分にあるだろう。仮にディープインパクト産駒が全く走らないとなると、ほぼ全馬に可能性を感じる状況も想定できるので予想としては難しいが、かなり面白いレースになるだろう。
 
     
馬番 出走馬 性齢 斤量 騎手 評価 本印 大川 田中 小野寺 予想オッズ
1 カフジプリンス 牡3 57.0 岩田康誠 109.0 × 8.5
2 ジョルジュサンク 牡3 57.0 幸英明 97.7 114.6
3 サトノダイヤモンド 牡3 57.0 C.ルメール 118.5 2.9
4 シュペルミエール 牡3 57.0 北村宏司 100.0 × 28.7
5 ミライヘノツバサ 牡3 57.0 藤岡佑介 96.5 86.0
6 ディーマジェスティ 牡3 57.0 蛯名正義 117.3 2.6
7 レッドエルディスト 牡3 57.0 四位洋文 109.0 × 7.2
8 ミッキーロケット 牡3 57.0 和田竜二 110.7 × 6.5
9 イモータル 牡3 57.0 F.ヴェロン 103.8 53.6
10 ウムブルフ牡3 57.0 浜中俊 102.0 × × × 25.0
11 レインボーライン 牡3 57.0 福永祐一 107.7 × 14.7
12 コスモジャーベ 牡3 57.0 丹内祐次 94.0 98.4
13 エアスピネル 牡3 57.0 武豊 113.0 × 10.6
14 アグネスフォルテ 牡3 57.0 松山弘平 104.7 74.3
15 サトノエトワール 牡3 57.0 池添謙一 97.0 127.5
16 プロディガルサン 牡3 57.0 田辺裕信 109.7 21.7
17 ジュンヴァルカン 牡3 57.0 M.デムーロ 100.0 × × × 46.7
18 マウントロブソン 牡3 57.0 川田将雅 110.3 × 40.2

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