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15年夏の「エンブレム問題・2題」

 
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 15年夏以降、世間を賑わせた「エンブレム問題」を今一度、確認しておこう。
この東京五輪エンブレムは、7月24日、東京都庁で華々しくお披露目された。

その後、盗作疑惑騒動となり、9月1日に白紙撤回。
そして、11月24日から新デザインの応募が開始される。

誰が言ったか知らないが、「佐野厄寄せ大師」とは、
思わず「座布団10枚!」と叫びたくなるほど、うまいギャグだった。
 
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 ところが、お披露目された日の前日、7月23日に、
ウォーエンブレム(16歳)の種牡馬引退がひそかに決定されていたのである。
こちらの「エンブレム問題」も整理しておこう。

 このウォーエンブレムは、02年ケンタッキーダービー、
プリークネスSを勝ったアメリカ2冠馬。

同年10月、社台スタリオンが約21億円で購入した。
その年の夏に逝去したサンデーサイレンスの後釜として迎い入れるためである。
 

試行錯誤の種付け作業

 
 だが、好みの牝馬にしか興味を示さず、種牡馬としての苦労が始まったのだ。
当時、組まれていたシンジケートは、初年度にして解散。

保険会社から約16億円の保険金が支払われたという。
好きな牝馬とはヤル。好きじゃない牝馬とはヤラない。当たり前ではないか。
サルじゃないのだから、どんな相手でも交配するなんて誤った考えだろう。
馬だって人間だ! 好き嫌いがあってもいいじゃないか。

その後も、細々と種付けを行っていたが、2015年の種付けをもって、
引退することになった。
 

ウォーエンブレムの種牡馬成績

 
 血統登録産駒121頭からは、ブラックエンブレム(08年秋華賞)、
エアパスカル(08年チューリップ賞)、ショウナンアルバ(08年共同通信杯)、
ウォータクティクス(09年アンタレスS)、キングスエンブレム(10年シリウスS)、
クランエンブレム(11年阪神JS)、ローブティサージュ(12年阪神JF)、
シビルウォー(13年の名古屋グランプリ)などの活躍馬を輩出した。

 10月10日にアメリカに戻った彼は、
「オールドフレンズファーム」で功労馬として余生を送っている。

 たったこれだけの産駒からGⅠ馬2頭を出したのは相当優秀なだけに
そのGⅠ馬が牝馬である事で母父としても成功しているといえるので
残念な結果だろう。
 

代表産駒、孫の活躍

 

2008年 秋華賞

1着 ブラックエンブレム
産駒のブライトエンブレム、アストラエンブレムも
能力の片鱗をみせている。
 

2012年 阪神ジュベナイルフィリーズ

1着 ローブティサージュ

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