橋田厩舎から唯一のアドマイヤ2歳馬が消える
一つ上の全兄に2億5000万円で落札されたロイカーバートがいる血統で、牧場関係者は「うちの厩舎のディープ産駒で一番成長した馬。走る雰囲気をすごく持っている。」と大絶賛すれば、NFの吉田勝己代表は「早来で育成している中でもこれはと思わせてくれる。凄くバネがあるし、乗り味もいいね。」と期待がかなり高い注目の一頭。さすが2億7000万円という破格の価格が付いた逸材というのも頷けるし、馬主の近藤利一氏も相当な覚悟の上で購入したのだろう。
アドマイヤエスパーは当初、近藤利一氏所有の2歳馬ではただ一頭だけ橋田満厩舎へ所属することが決まっていた。過去にはアドマイヤベガ(1999年日本ダービー)やアドマイヤグルーヴ(2003年エリザベス女王杯)などのG1ホースを手掛けており、競馬ファンの間でも「アドマイヤ=橋田厩舎」というイメージが強く、今まではアドマイヤ軍団の一番馬は橋田厩舎に入るのが当たり前だったが、デビューもしないうちにエスパーが須貝厩舎へ転厩してしまい、とうとうアドマイヤの2歳馬がいなくなる状態に・・・。
利一がとうとう見切りをつけた
ちょうど10歳差の二人はともに馬主と調教師として駆け出しの頃から深い親交があり、近藤氏は橋田厩舎を「主戦厩舎」と公言していた。このコンビでのG1制覇は1998年のアドマイヤコジーンでの朝日杯3歳Sから始まり、1998年のアドマイヤベガでの日本ダービー制覇など橋田厩舎のG1タイトルは全て近藤氏と「スズカ」の冠名で知られる永井啓弍氏の所有馬によるもの。二人の絆は頑固たるもので毎年のように粒ぞろいのメンバーが所属していた。
しかし、そんな橋田厩舎だが、近年では某大牧場のバックアップを受けている若手有力厩舎の勢いに押されて年々成績が傾き、今シーズンは僅か4勝の170位と大低迷が続いている。おそらくこれが大きな理由と言われており、結果が出ていない厩舎に近藤氏が見切りをつけたのかもしれない。
それに今年デビューする近藤氏所有の2歳馬15頭のうち、栗東の梅田・須貝・友道厩舎に4頭ずつ、中尾厩舎に2頭、美浦の上原厩舎に1頭となっているが、明らかに関西所属の40代調教師への委託へシフトしたことがわかる。
これに対しては様々な意見が・・・
”橋田先生のところだから指名したのに、ガッカリです。”
”ディープとキンカメそろえてこれじゃあ誰でもキレるわ。”
”最近預けているだけの結果は出ていなかったからな。
マツパクが辞めて一気にそれが利一の中で目につくようになったんじゃないか。
それに馬主人生もそんなに長くないだろうしな。”
”橋田ってもうスズカしかいないやん。”
”アドマイヤベガも橋田じゃなくてマツパクに預けておけばもっともっと大成してた。
利一はここまでよく我慢してたと思うわ。”
”結果出せないんだから解消して当然。”
”有能な助手が居なくなってからガタ落ち”
”エスパー自身の評価が高いから走るんだろうけど、申し訳ないが橋田さんって事がひっかかってたのも事実。須貝さんなら鬼に金棒だな!”
今の近藤氏と橋田厩舎は倦怠期真っ只中であるが、3歳以上の馬はまだ所属している。今後再び関係性が修復されることがあるのか。まずはじっくりと見守りたい。
母:アゼリ
母父:ジェイドハンター
近親馬:アメリ・ロイカーバート