条件見直しで外国人騎手が激減

 
二代外国人ジョッキー

二代外国人ジョッキー

左がデムーロ、右がルメール。

昨年から正式にJRA所属のジョッキーとなり、今のリーディングはこの二人で回っている様なものである。元々は何年も前から短期免許で来日し、数々の実績を挙げる事で日本の免許をパスしやすくしていた事実もあった。

しかし、今回の変更で短期免許自体のハードルが上がり=日本の通年免許獲得もより厳しい事態へと変わって行く。
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この程、以前より議論に上がっていた外国人騎手への短期免許交付に対する諸条件の変更が伝えられた。

それによると、大きな変更点は以下の通り。
 
『成績基準』
・過去2年の母国でのリーディング成績が5位(北米・英仏)と3位(アイルランド・オーストラリア)に変更→これは、北米で30位内&英仏で10位内だった事から大幅な変更だろう。数多くの騎手が前提条件で除外となる。今年の来日組ではフランシス・ベリーが対象内だ。但し、指定G1に挙げられる凱旋門賞などを通算2勝以上していればリーディング順位はスルー出来る救済処置も存在する。

『免許期間』
・新規取得者、又は騎乗停止処分1回及び制裁点数が15点を超えた騎手は翌年の期間が2ヶ月に制限→今まで、どの条件でも一律で3ヶ月が免許期間だった。この変更により、外国人騎手の騎乗にも多少の変化が生まれて来るのではないだろうか。
 
騎手免許交付における歴史

騎手免許交付における歴史

制度自体は1994年にスタート。

免許交付の第1号は、ニュージーランドの女性騎手であるリサ・クロップ。その後、フランスのオリビエ・ペリエが来日するなど、自国でもリーディングを争うトップジョッキーも参戦する様になった。又、初めて短期免許騎手がG1を制したのは1998年の朝日杯3歳Sのマイケル・ロバーツ騎手(アドマイヤコジーン)である。
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JRAの発表では、2003年以降に交付した193人(延べ人数)に対して新基準を照らしあわせた場合、半数近くが対象除外となる様である。上記、フランシス・ベリー騎手以外だと、近々ではアッゼニ騎手も除外される見込みだ。
 

最終的なキッカケは禁止薬物使用の件か

 
近年、多くの外国人騎手が来日し比較的簡単に免許を交付して来たJRA。元々、マナーなど文化の認識も大きく異なる人種故に日本特有のルールに反した行動から、度重なる騎乗停止処分を受けて来た。加えて、有力馬がこぞって外国人騎手へ回る様になり、日本の騎手が活躍する機会も年々減少傾向にあったのだ。それらの事から、「短期免許交付の条件見直しを」という声はかなり前から内外で挙がっていた。
 
ルイス・コントレラス騎手

ルイス・コントレラス騎手

生年月日:1986年3月14日
出身地:メキシコ

2015年北米リーディング2位

主な勝ち鞍:カーターハンデキャップ(G1)など
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そして、最終的な引き金となった事件が今年の2月に起こる事となる。

それは来日中のメキシコ人ジョッキー、ルイス・コントレラス氏の体内から禁止薬物であるオキシコドンが検出されたのだ。JRAが行った抜き打ちのドーピング検査で発覚した。これを受け、JRAは同騎手へ今後5年間は騎手免許を交付しない旨の制裁を決定。

しかし元を辿れば、そもそも免許交付の段階でそういったグレー部分のチェック体制がほぼスルーされていた事が原因。入国する際の持ち込む薬品の検査などもしていなかったとされ、JRAの短期免許交付に対するずさんなシステムが浮き彫りとなった。

そこをメディアも特集記事として集中的に取り上げ、各方面からもたくさん非難の声が上がってから初めて重い腰を動かした当局。正直な所、遅過ぎる対応ではある。
 

まとめ

 
いずれにせよ、今回の変更により更なる公平性の元で競馬が行われる様になって欲しい。もっと言えば、日本の若手にも騎乗馬の依頼が多くなって来ると思われ、そこをしっかりとモノにしてどんどんステップアップしてくれると言う事は無い。

勿論、乗れる外国人騎手は関係者も我々にとっても非常に有り難い存在である。但し、あくまでその前提として、“JRAの慣習に沿った行動が出来る”というのが最低条件でもある。

その必須要項の基準が見直されたという事自体は、遅かれ早かれ日本競馬会全体の進化にとって良い材料になるのではないかと筆者は見ている。

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