近頃出馬表を見て「外国人多いなー」と思うことはないだろうか。ヨーロッパを拠点とする各国のジョッキーたちがいわゆる”短期免許”を取得し日本へやってくる。そして有力馬の騎乗依頼を受け、賞金を総なめしていく。日本の競馬なのに多く勝つのは日本人ジョッキーではなく外国人ジョッキーという現状。だから外国人の馬券を買えば当たると考えている人は少なくないだろう。
 
ミルコ・デムーロ騎手とクリストフ・ルメール騎手

ミルコ・デムーロ騎手とクリストフ・ルメール騎手

通年免許取得1年目からリーディング争いに加わる。
2016年3月現在、1位、2位独占。
 

優遇される外国人ジョッキー

 
競馬界ではオーナー側(馬主)の意見が絶対である。その馬の調教師がレース選択や騎手選択を行うが、オーナーがNOと言えばレースに出走させることも調教師が決めた騎手を乗せることもできない。
つまり全ての権限はオーナーにある。自分の馬がレースに出るのなら絶対に勝ちたいと誰でも思うだろう。
そこで重要なのは「どのジョッキーに乗ってもらうか」ということだ。もちろんジョッキーの騎乗ミスで負けるなんてことはオーナーはたまったものじゃない。だからこそ優秀なジョッキーに乗ってもらいたいと思うはず。そんなオーナーが頼りにしているのが外国人ジョッキーだ。
 

スタイルの違い

 
まず大きな違いとして騎乗技術の差でないだろうか。ヨーロッパの競馬は日本のようにペースが速くならず馬群が縦長にならないため道中馬群が固まって直線に入ることがほとんどだ。日本ではスタートして良いポジションを取った馬がそのまま勝つことが多い。逆にヨーロッパだと密集している所からいかに上手く抜け出すか、馬の力もそうだが騎手の判断能力や技量が多く問われる。以前クリストフ・ルメール騎手は「どんなに強い馬でもヨーロッパの競馬だと馬の能力だけで勝つのは難しい」と言っていた。これほどシビアな環境に慣れているのか外国人ジョッキーはギリギリのスペースを突いたり、かかり癖のある馬をしっかり抑える技術はさすがだ。
 

世界の一流ジョッキーたちが日本競馬を席巻

 
そんな世界のトップジョッキーが日本競馬に参戦するというのが近年多くなってきた。ミルコ・デムーロ騎手とクリストフ・ルメール騎手は2015年から通年免許を取得し1年間日本での騎乗を許され、日本人ジョッキーと同じ立場になった。彼らは以前から日本での騎乗が多く、競馬界ではお馴染みの存在だ。1年目から多くの有力馬の騎乗依頼を受け、G1でも大活躍。ミルコ・デムーロ騎手は2015年ドゥラメンテで日本ダービーを制覇した。2人に関わらず競馬関係者の外国人ジョッキーに対する信頼は大きく、初めて日本で騎乗する外国人に対しても強い馬が集まることがほとんどだ。特に日本競馬を牽引している社台グループなどは外国人ジョッキーに数多く依頼することが多く、ノーザンファームの吉田勝己氏は外国人の方が明らかに上手いとインタビューで語っている。今競馬界ではライアン・ムーア、クリストフ・スミヨン、クレイグ・ウィリアムズなどの外国人ジョッキー争奪戦が繰り広げられている。
 
世界的名手のライアン・ムーア騎手

世界的名手のライアン・ムーア騎手

ヨーロッパのみならず世界中で活躍している。
日本でも大人気だ!
 

相次ぐ乗り替わり

 
日本人ジョッキーも決して負けていない。ヨーロッパやアジアなどのビッグレースを制している。日本競馬の至宝・武豊騎手は世界で知る人ぞ知るスーパースターだ。経験豊富なベテランや若手の実力派ジョッキーがいる中でも外国人>日本人という考えは競馬関係者にはあるようだ。競馬ファンの中で印象的なのは三冠馬オルフェ―ヴルの乗り替わりではないだろうか。フランス・凱旋門賞に参戦した際、鞍上は主戦の池添謙一騎手からクリストフ・スミヨン騎手にスイッチされた。池添騎手の海外での経験不足が要因だったというが。レースではオルフェ―ヴルが直線で抜け出すも内側へ斜行し、ゴール手前で後ろの馬に差されてしまい惜しくも2着。。翌年、池添騎手はオルフェ―ヴルへの騎乗を勝ち取るためフランスへ修行に出たが、騎乗依頼はなくその年もスミヨン騎手が騎乗することになり、また2着。日本の悲願は叶わなかった。この件に関して競馬ファンは調教師やオーナーに怒り!「池添なら凱旋門賞勝っていた」という声が出てしまった。
 
クリストフ・スミヨン騎手

クリストフ・スミヨン騎手

凱旋門賞でオルフェ―ヴルに騎乗。
惜しくも2年連続2着に終わってしまった。
 

競馬ファンが思うこと

 
馬券が当たることが全てではなく、人と馬とのロマンを観たいという人も多いと思う。世界と対等に渡り合う力はあると思うし、日本人ジョッキーには意地とプライドを持ってより一層奮起ほしい。

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