4強とは差がついたのか
昨年暮れの2歳王者決定戦・朝日杯FSで1番人気に支持されながら、リオンディーズの末脚に屈したエアスピネル。その後の皐月賞トライアル・弥生賞(G2)では前を行くリオンディーズを捕らえられず、さらには後ろからきたマカヒキにあっという間に交わされ2馬身離されゴールした。このときに誰もが思っただろう。「エアスピネルは弱いのか?」と・・・。正直、上位2頭とは差がついた印象だった。
クラシック初戦の皐月賞は前目の好位でレースを進め、抜群の手応えで直線に入るが、ゴール手前でリオンディーズの斜行による不利を受けてしまい4着に終わった。かなりのハイペースになったレースは、最終的にディーマジェスティ、マカヒキ、サトノダイヤモンドの差し馬に敗れたわけだが、もし不利がなくペースも落ち着いていれば勝ち負けできたのかというと疑問が残る人がほとんどのはず。
個人的には、エアスピネルがマカヒキ・サトノダイヤモンド・リオンディーズ、そして新たにディーマジェスティが加わった4強の牙城を崩すには能力的にワンパンチ足りない印象で、鞍上が相当上手く乗り、展開が味方しないと勝ち負けは厳しいと考える。
鞍上はこの春絶好調
エアスピネルにとって何とも頼もしいのが鞍上の武豊騎手の存在だろう。日本ダービーは歴代最多の5勝を誇り、この春はキタサンブラックで天皇賞(春)、コパノリッキーでかしわ記念、エイシンヒカリでフランスG1イスパーン賞を制し、5月だけでG1レース3勝を挙げており、騎手の中で一番乗れているといっても過言ではない。
今週行われた追い切りでは、4F53秒4~1F12秒1をマークし、躍動感あふれる走りを披露。精神的にも落ち着きが出てきたようで、心身共に前回からの上積みを見込めそうだ。
日本ダービーでは想定オッズ25倍前後の7・8番人気が予想されるが、4強相手に何とか次につながる走りをしてほしいと願っている。期待は薄いかもしれないが、鞍上の好調ぶりと応援の意味を込めてエアスピネルの馬券を買ってみてもらいたい。
母:エアメサイア
母の父:サンデーサイレンス
調教師:栗東・笹田和秀
馬主:ラッキーフィールド
生産者:社台ファーム
通算成績:5戦2勝【2-1-1-1】
主な勝鞍:15'デイリー杯2歳S(G2)