ヨーロッパではサドラーズウェル系の血が席巻している中、オペラハウスは日本で唯一、同系の血統でG1馬を輩出した貴重な種牡馬だ。環境自体が合わない中で生き残れる、それだけ特殊な能力を秘めた馬とも言えるだろう。その証拠に、世界の賞金王であるテイエムオペラーを出すなどコンスタントと言うよりは大物志向の一発屋タイプ。日本の競馬界に対しての貢献度は相当高く、今回は追悼の意を表して彼の代表産駒であるG1馬2頭の活躍をまとめたいと思う。
 
オペラハウス

オペラハウス

イギリスの競走馬で、晩成タイプ。5歳になってからキングジョージ(G1)を勝つなど、大舞台で活躍。その後、日本に種牡馬として輸入され初年度から南部杯勝ち馬のニホンピロジュピタを出す。2年目にはあのテイエムオペラオーを輩出し、一躍脚光を浴びる。以降もコンスタントに重賞馬を送り出し、日本の競馬界になくてはならない存在となった。
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①テイエムオペラオー

 
テイエムオペラオー

テイエムオペラオー

父:オペラハウス
母:ワンスウェド
母父:ブラッシンググルーム

通算成績は26戦14勝。主な勝ち鞍は皐月賞、有馬記念、ジャパンカップなど、シンボリルドルフなどと並ぶG1最多勝利タイ。生涯の獲得賞金は18億を超え、未だにその記録は破られていない。
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オペラハウス=テイエムオペラオーと言っても過言ではない。何せ名前から産駒だという事が分かるから‥と、冗談はさて置き、テイエムオペラオーが稼いだ18億3500万円は現在でも世界の賞金額レコード。つまり、オペラハウスは競馬の歴史上で最も強い馬のお父さんとなる訳だ。余りにも間接的な解釈で多数の異論もあるとは思うが、それでも2000年に見せた年間8戦無敗の安定感は素晴らしかった。今後もあのレベルの強さを誇る競走馬が出て来るかはいささか疑問である。
 

テイエムオペラオーが2000年に全勝したG1をまとまた映像

抜群の安定感でこの年のG1を含む全8戦を無敗で終える。ちなみに、天皇賞春を除く残りの古馬G1は4戦共にメイショウドトウが2着だった。この2頭は生涯のライバル関係にあった。補足だが、この2頭はそれぞれセリにおいて1000万と500万という破格で取引されている。
 
どのレースを見ても、決して余裕で勝つ訳ではないが絶対にクビ差以上は前に出ているという勝負根性の塊と言えよう。逆に、この頃のテイエムオペラオーは他馬がどれだけ伸びて来ようがそれに合わせて自分も伸びるといった感じで、見た目以上の余裕さはいつも何処かに感じ取れた。マグレで年間無敗の偉業は絶対に成し遂げられない。その底知れぬパワーの源こそが、父・オペラハウスの秘めた爆発力なのだろう。
 

②メイショウサムソン

 
メイショウサムソン

メイショウサムソン

父:オペラハウス
母:マイヴィヴィアン
母父:ダンシングブレーヴ

通算成績は27戦9勝。主な勝ち鞍は、皐月賞、日本ダービー、天皇賞春・秋など。父系、母系共にバリバリのヨーロッパ血統。日本の軽い芝ではキレ負けするタイプが多い中、メイショウサムソンはスピード&パワーを兼備した異色の実力馬だった。
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オペラハウス産駒のもう1頭の代表産駒がメイショウサムソン。上記にもあるが、母父ダンシングブレーヴと、ほぼほぼ主力欧州血統の塊。なので、本来なら深い芝でのパワー勝負に適しているのだが、サムソンは天皇賞秋でも上がり33.9を記録している様に、ある程度の瞬発力勝負にも難なく対応していた。その点も、オペラハウスが他のサドラーズ系統の種牡馬と違って異端な能力を持っていた証拠なのではないか。実際、メイショウサムソンはテイエムオペラオーよりも種牡馬の成績は格段に上。是非とも、1頭でも多くの後継種牡馬を輩出して欲しいものである。
 

メイショウサムソンが2007年に勝利した天皇賞秋の映像

名手・武豊を鞍上に、直線で他馬よりも一枚上手のキレ味でスッと先頭に立っている。この時の2着、3着は当時の切れ者の代表格であるアグネスアークとカンパニーなだけに更に価値ある勝利と言えよう。種牡馬としても評価が上がったのは言うまでもない。
 
筆者のそれまでのメイショウサムソンに対するイメージは、何だかんだで『‥言ってもサドラーズ系統のパワータイプの馬でしょ??』と世間一般と同じ様な感覚で見ていた。しかし、この天皇賞秋で一気にその評価は覆されたのだ。上がり33.9、勝ちタイムは1.58.4と、当時の芝状態を考慮しても相当な速い時計を記録し、その強さを思い知らされたのを今でも鮮明に覚えている。オペラハウスという馬は時として、そういった血統の既成概念をぶっ壊す意外性を持っていた稀有な種牡馬だったのだろう。
 

まとめ

 
その他、昨年の2歳牝馬チャンピオン・メジャーエンブレムやマイルの日本レコード保持者・レオアクティブの母父としても多くのスピード型産駒に影響を及ぼしており、改めてオペラハウスの能力に感心してしまった。そういう意味で彼の死は競馬界にとっても大きな痛手となったが、本質的に日本では不向きな血統でここまで貢献してくれた意味合いの方が強いと思う。

オペラハウス、長い間本当にお疲れ様でした。安らかに眠って下さい。

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