清水成駿氏

清水成駿氏

1948年-2016年8月4日(享年68歳)

明治大学卒業後、競馬専門紙“一馬”入社。後に解説者・編集長を歴任する。同紙の「今日のスーパーショット」を初め、各媒体で独自の予想を展開し、人気薄にも平然とアツい印を打つ姿は「孤独の◎」とも比喩された。

何より、予想以上に彼の卓越した文章力に感嘆する読者たちも多く、クリエイティブな才能にも満ち溢れていた才能の塊の様な人物。

癌との闘病生活中も休まずペンを走らせていた気骨の人間である。
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日本ダービーでウオッカを本命

 
2007年ダービーの東スポ1面

2007年ダービーの東スポ1面

自身の予想をドストエフスキーの人生になぞらえ、まるでひとつの物語の様に見事な起・承・転を生み最後は誰もが納得の行く締めでしっかりと結ぶ。

本人は後世で執筆業を挫折したと言っていたが、少なからず週刊誌や競馬新聞などで連載していた某はすべて素晴らしく文才に富んだ内容でした。

このウオッカに◎を打って当てた時の衝撃は今でも忘れらません。

以下の引用が当時掲載されていた文章です、ご参考までに。
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やはり、今年は牝馬に賭けてみるつもり。

歴史的な賭けである。20歳も下の恋人に振り回され、ついにギャンブル漬けの借金だらけ、
一度はにっちもさっちもいかなくなったドストエフスキーであるが、そんな借金地獄から
救い出してくれたのも速記者を引き受けてくれた一人の女性。今年はウオッカに助けを求めた。

桜花賞馬ダイワスカーレットはアドマイヤオーラと1勝1敗。また、Dスカーレットはウオッカとも
1勝1敗。さらに前述したようにAオーラはFホウオーに同じ上がりを使って1馬身半差なら、
HホウオーVSウオッカとてさほどの能力差があるわけではない。まして、桜花賞は直線で
何度も内に刺さりながらの2着確保。とても力を出し切った競馬でなかったことは、その前の
チューリップ賞を見ればわかること。

今年の牝馬は特別強い。傍証はいくらでもある。時計はともかく桜花賞11着のピンクカメオが、
皐月賞6着のローレルゲレイロをおさえてNHKマイルCを勝ち、その翌週のオークスでは
ローブデコルテが従来のオークス・レコードを0.8秒も更新する2分25秒3の優秀な時計で快勝。
少なくてもウオッカはピンクカメオやローブデコルテが相手なら常に1秒近く前にいる馬である。
むろん、距離も心配ない。心配なしというより、あのパワフルな走りはむしろ2000からそれ以上で
真価が発揮されるはず。兄のタニノベリーニは新潟の新馬戦(2着)で初めてきた時、
これは先々ダービー、菊花賞で…と思わせた好馬体。だが、馬に柔軟性がなかった。
結局、2200の未勝利を勝ち、2400の500万特別で2着まで。ただし、
その優勝馬が春の天皇賞2着のエリモエクスパイア。どうみても距離はもつ。
 

1998年のダービーでは14番人気のボールドエンペラーに◎

 
◎はボールドエンペラーとする。
皐月賞をテープが擦り切れるまで見たところ味のある競馬をしている馬がいた。
ボールドエンペラーだ。
ダービーにおいてここまで評価が落ちるのは評論家、トラックマンの責任もある。
皐月賞一戦で見限るのは早計、穴は過去のレースの本質を見抜いた者のみが与えられる神からのギフト。
きさらぎ賞ではダービーの主役スペシャルウィークの2着。地力はある。
対抗はスペシャルウィークで鉄板。
ダービーくらい一点でしとめたいものである。
たまには女房に帯の札束を渡すのも悪くはあるまい。
 
…まさに文才の塊。

正直、筆者も近年は予想云々よりも清水氏のコラムを読む為だけに新聞を勝っていた節もある程。それくらい、彼の書きモノには機智の詰まった表現力があったのだ。勿論、予想においても何度も参考にさせて頂きました。
 

極めつけの名言がコチラ

 
「競馬を一生懸命勉強したら、アクシデントがない限り、◎は3着以内に来るよ。それがプロってもんだろう」
 
あぁ…清水成駿氏、格好良すぎます。

さすがプロ。こんな言葉、どれだけの自信があってもなかなか言えません。彼の収支や生涯成績がどうとかそんな事は知ったこっちゃありません。責任と影響力がある立場の中で、こんな啖呵をサラッと切れる男気に惚れるんですよね。

普通、巨星が堕ちてしまった後にはまた新しい新星が煌めき立つものなんですが…清水成駿氏の後継者、いや、同等のカリスマ性を持った予想家は現れてくれるんでしょうか??
 
一応の師弟関係はお馴染みの虎石記者

一応の師弟関係はお馴染みの虎石記者

清水成駿氏とは全く以てキャラクターが異なるが、一応の弟子にあたるのが「ウイニング競馬」でお茶の間でも人気の虎石記者。

今後、清水氏の後任枠は虎石氏が務めるのでしょうか。道理で言えばそれが一番自然であるのでしょうが…ちょっと、色が違い過ぎるかと思います。
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まとめ

 
とにもかくにも、こうして競馬界の重鎮がまた一人この世を去りました。

筆者のリアルタイムな活躍馬が老衰で死んでしまったりと、今年は何やらそういう年なのかも知れません。こうした時の経過をまざまざと感じさせられる事が起きると、改めて初心に帰らせてもらうキッカケと捉える様にしています。競馬を始めたあの頃の様に、当てる当てないではなく純粋に競馬をもっともっと楽しめたらと思いましたね。

文末になり恐縮ではございますが、清水成駿氏のご冥福を心よりお祈り申し上げます。どうぞ安らかにお眠り下さい。

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