競馬のレース格付けにおけるルールがあるのはご存知だろうか。JRAが『このレースを昇格させたい』と決めて、勝手にGⅠへグレードアップする事は不可能なのだ。
その為には、まず直近3年間のレースレーティングが115を超えていないと申請すら出来ない。それをクリアして初めて、“日本グレードかんり委員会”なる組織に申し込む事が出来る。プラス、“アジアパターン競走委員会”という組織からの承認も貰って晴れてGⅠ昇格という流れになる。
そして、2018年のレースレーティングが発表され、その条件を満たしているレースが下記7競走である。それぞれがGⅠへ昇格される可能性の精査含めてご覧あれ。
その為には、まず直近3年間のレースレーティングが115を超えていないと申請すら出来ない。それをクリアして初めて、“日本グレードかんり委員会”なる組織に申し込む事が出来る。プラス、“アジアパターン競走委員会”という組織からの承認も貰って晴れてGⅠ昇格という流れになる。
そして、2018年のレースレーティングが発表され、その条件を満たしているレースが下記7競走である。それぞれがGⅠへ昇格される可能性の精査含めてご覧あれ。
京都記念
FRR:116.42(3年平均)
GⅠ馬が年明けの始動戦に使う事が多い京都記念。2018年はレイデオロ、アルアイン、モズカッチャン、ディアドラなど今をときめくGⅠ馬がズラリと足並みを揃えた。リアルに考えれば、2月初旬にGⅠを施行するというのは現実的では無い。あくまでも別定の中距離重賞として、今後も大阪杯や天皇賞春への前哨戦がメインの位置付けとなって来るだろう。興行的にもこの頃の寒さでGⅠを行っても盛り上がりには欠ける。
中山記念
FRR:115.83(3年平均)
ちょうど京都記念の関東版と言って良い中山記念。こちらも数多くの実力馬たちが始動レースとして使う事が多く、過去の勝ち馬を並べてみてもそうそうたるメンバーが名を連ねている。個人的には、1800mのGⅠを作るべきという考えである為、このレースに関しては時期的な懸念を度外視してでも昇格させて欲しい。というのも、この非根幹距離に滅法強い馬たちの活躍の場が少な過ぎるからだ。同レースを連覇しているバランスオブゲームやスーパーホーネット、ローエングリンに近年ではリアルスティールなど該当距離のスペシャリストが日の目を見ないのは心苦しいばかり。是非とも、JRAには検討頂きたい。
阪神大賞典
FRR:115.25(3年平均)
天皇賞春のステップレースとして格式高いGⅡ阪神大賞典。こちらも条件はクリアしているが、さすがにその後の天皇賞春があるという事を考えると昇格の可能性はほぼ皆無だろう。ましてや、長距離GⅠの存在意義が問われている昨今、むやみやたらに3000m超えのGⅠを増やす事はしないと見て間違いない。しかしながら、何故かいつもレース前は他の重賞よりもワクワクする1戦なのである。ナリタブライアンVSマヤノトップガンの史上稀に見る叩き合いが未だ脳裏に焼き付いているのだろうか。
日経賞
FRR:115.50(3年平均)
有馬記念と同舞台、同距離の日経賞。3月に行われ、天皇賞春へのステップレースとして使う事が多い。さすがに中山2500mのGⅠは有馬記念だけで良く、ここも昇格する可能性は皆無に等しいだろう。日経新春杯と混同する事が多いため、むしろレース名を思い切って変更して欲しいと思うのは筆者だけだろうか。もしくはオールカマーと施行時期を入れ替えてくれれば尚分かりやすくなるのだが。
札幌記念
FRR:116.08(3年平均)
次のGⅠ昇格、最有力候補はこの札幌記念だ。北海道開催で未だGⅠレースは無く、存在意義としても十分に価値が付いて来るであろう要素が揃いに揃っている。加えて、近年は天皇賞秋やジャパンカップなどの前哨戦として実力馬が多く出走する為、華やかさにおいても既にGⅠ級の格があると見て良い。洋芝でこの舞台を得意とする馬も多く、中央開催とは種類の違うスターホースが誕生する事もまた一興ではないだろうか。すぐにでも実現して欲しい。
神戸新聞杯
FRR:115.92(3年平均)
菊花賞のステップレースとして、クラシックホースが軒並み出走する神戸新聞杯。当然ながらレースレーティングが上がるのも頷ける話だ。とは言え、ここをGⅠにして所で3冠レースの位置付けは変わらず、格的に逆にややこしくなる為、昇格の話すら浮上しないのではないだろうか。阪神2400mのコースでGⅠが行われるとしても、全くピンと来ないのが競馬ファンの率直な意見。
京都大賞典
FRR:117.00(3年平均)
札幌記念以外で面白そうなのは、意外に京都大賞典ではないだろうか。というのも、秋は関西で古馬中長距離のGⅠが行われないからである。全て天皇賞秋~ジャパンカップ~有馬記念、と全て関東圏の競馬で、関西圏のファンからすれば1戦くらいは下半期でもGⅠを観たいと思っているに違いない。少なくとも、ローテーション的に過疎化しつつある同レースの盛り上げにはひと役買えそうなものであるが。
まとめ
以上、次にGⅠ昇格するかもしれない候補レースまとめ。
こう見てみると、やはり中長距離カテゴリの重賞ばかりである。短距離戦線はレーティングが低く、依然としてレンジによるレース格差というのを感じてしまう。競馬界全体において競走馬のスピード値を重要視している傾向が強くなって来ているにも関わらずだ。この矛盾した風潮を正して行く事が先決だろう。
それなら、前述の通り1800mや1400mのGⅠを増やすべきである。何故なら、中央競馬のレースにおける振り分けで上記2つの距離が施行数も常に上位だからである。それなのにGⅠが無いというのが昔から釈然としない。さて、これを読んだ読者は一体どう思うのだろうか。
こう見てみると、やはり中長距離カテゴリの重賞ばかりである。短距離戦線はレーティングが低く、依然としてレンジによるレース格差というのを感じてしまう。競馬界全体において競走馬のスピード値を重要視している傾向が強くなって来ているにも関わらずだ。この矛盾した風潮を正して行く事が先決だろう。
それなら、前述の通り1800mや1400mのGⅠを増やすべきである。何故なら、中央競馬のレースにおける振り分けで上記2つの距離が施行数も常に上位だからである。それなのにGⅠが無いというのが昔から釈然としない。さて、これを読んだ読者は一体どう思うのだろうか。