過去の栄光を少しずつ取り戻しつつある社台レースホース。ステイフーリッシュやギベオンなど、2015年産駒からもクラシックを賑わせる馬を輩出、POGファンとしては悩ましい産駒ばかりを毎年募集にかける良い意味で厄介なクラブだ。サンデーレーシング同様に厩舎は騎手も安心出来る差配が期待出来、トータルで見てやはりまだまだ有力なクラブという事には何ら変わりがない。後は遠ざかっているクラシックタイトルを獲得するのみで、その材料は全て揃っている。
社台レースホース所属高額馬一覧
セントレオナード|リリーオブザヴァレー2016
社台レースホース、今期の最高額募集馬がこのセントレオナード。全兄に青葉賞を制したヴァンキッシュラン、近親にはドバイワールドカップで好走するなど海外5勝のムビタヒージがいる血統だ。ディープインパクト×Galileoの配合はたくさんの成功例が出ているだけにある程度安心出来る産駒だろう。但し、1億2000万円という値段が相応かどうかは微妙なラインか。堀厩舎だけに失敗する事はあるまい。
ジュベルハフィート|ドバウィハイツ2016
1つ上の姉リバティハイツがフィリーズレビューを制覇した事で評価がグンと上がったジュベルハフィート。全姉リーチザハイツは走っていないものの新馬戦の1戦のみ。その新馬戦でも1番人気に支持されていた事から考えても同馬の期待度は大きい筈。牝馬の様な立ち姿に柔らかみのある馬体、如何にも走って来そうな雰囲気を醸し出しているのではないだろうか。
シェーングランツ|スタセリタ2016
2冠牝馬ソウルスターリングの下、シェーングランツ。父がフランケルからディープインパクトに変わりどの様な産駒が出て来るか興味津々の1頭だ。馬体は文句なし、姉よりも幾らかボリュームのある雰囲気で非常に好バランスなのは血統が為せる業か。既に結果が出ていて且つディープインパクト産駒なのに8000万円というのはお買い得感が満載である。普通に走らなければおかしい。
ダンスディライト|ダンスインザムード2016
ダンスインザムードに待望のキングカメハメハ、というイメージで真打ち登場の感が強いダンスディライト。とは言え、キングカメハメハ×サンデーサイレンスの配合は産駒数に比例してそこまで成功した例が見当たらない。加えて、ダンスインザムード産駒の牡馬のほとんどがセン馬になっている点を考えると同馬もややリスクのほうが高いと言える。一か八か、的な1頭になるのは心得ておきたい。
ヴァンドギャルド|スキア2016
母スキアはフランスの重賞馬で持ち込み輸入された異色の繁殖牝馬。その上が海外の種牡馬でダートしか走っていない事からもかなり未知数な産駒と言える。正直、これで8000万円なら他でもっと高確率に狙える馬を探した方が得策だろう。厩舎は魅力的だが、そこを押し切ってでも不安材料のほうが強い。母父モチベーターも実績が無いだけにここはスルーの選択がマスト。
エフェクトオン|オヴァンボクイーン2016
期待された全兄ウォルビスベイは未だ1勝しかしておらず肩透かしを喰らった感は大きい。厩舎も1枚落ちた上に値段がその兄と同じ7000万円ならここは静観したいのが本音だろう。母の実績を考えればいつ走って来てもおかしくはないが、個人的には性別か種牡馬が変わった時に馬がどういう雰囲気を醸し出すかで判断したい所。
イニティウム|ゴールデンドックエー2016
兄アルバートドック、リライアブルエースと牡馬勢はしっかり結果を残しているゴールデンドックエー産駒。父がハーツクライになってより長距離適性が強く出た形だが、ディープインパクト→ハーツクライ変わりパターンは個人的に狙い目のひとつと考えている。マイル~中距離前後で走る産駒を出した母ならハーツクライで大化けする可能性が高くなるのではないだろうか。名前、厩舎も良い。
スペースクラフト|スターシップトラッフルズ2016
母スターシップトラッフルズはアメリカで14勝をあげた実力馬。Tapitが配合された時点での持ち込みとなるが、血統からしても完全にダート血統。加えて預けられたのが松永幹夫厩舎と来たものだから、狙うはドバイ&米クラシック戦線という事か。POGにはどうかと思うがワールドワイドな活躍を期待出来る1頭、それはそれで追い掛けても楽しいかもしれない。
デッドアヘッド|ベイトゥベイ2016
全兄スワーヴアラミスが全く走っていない点を加味しても6000万円に投資する理由が見当たらない。確率論の問題で、それなら2000~3000万円の馬を2頭当たった方が確実に良い。ハーツクライ産駒は大物を出す代わりに、ほとんどがハズレというリスクもある種牡馬。前提として上が実績を出しているというデータは必至となるだろう。
クロランサス|クリアンサス2016
リダウツチョイスの肌にディープインパクトというのは魅力的な配合だが、如何せん馬体重が420kgに満たない。牝馬でまだありなのかもしれないが、それでも大きい所を狙うには400kg後半が欲しいのも事実。そう考えると、ここからどれだけ上手く成長したとしても450kgに行くか行かない程度のものだろう。正直、クラシック云々というより古馬になってから期待する手か。母系がまさに晩成タイプ、POGには向かない。
ビザンティン|アカンサス2016
特に特筆すべき点が無い1頭、5000万円は高い。馬体などの評価でそうなっているのだろうが、母の繁殖実績も無ければキングカメハメハ×フジキセキに明るい兆しも見えない。これで満口になるのだから一口馬主業界はまだまだ盛り上がっているという事だろう。少々辛口なコメントだがこれが走れば社台レースホースの見る目があったという事だ。
ラストドラフト|マルセリーナ2016
桜花賞馬マルセリーナの初年度産駒、ラストドラフト。馬体に関してはさすがの血統馬で非常にバランスが良い。但し、父はノヴェリスト。ドイツの重厚な血が日本で大成する訳も無く、日本で繁用されてから大した活躍馬を出していないのが現状である。幾ら母父ディープインパクトとは言え、この配合で初仔に手を出すのはまさに無謀。厩舎も素質馬を預かりながらろくに結果を出さない戸田博文厩舎なのだからここは見送りだ。
ランブリングアレー|ブルーミングアレー2016
毎年の様に話題となる素質馬を出しながらイマイチ結果が出ないのは非常に残念。このランブリングアレーも恐らく見栄え含めて高評価を与えられているのだろうが、それを簡単に邪魔する母父シンボリクリスエスの遺伝力か。友道康夫厩舎とは言え、同馬を大成させるには一苦労しそうな予感しかしない。プリンセスオリビアの母系を引き継いでいるのならいつか大物を出しそうな気もしなくもないが。
ペルクナス|サンダーカップ2016
全姉にケンタッキーオークスを勝ったラヴリーマリアがいる超良血。日本に持ち込まれた初年度産駒となる訳だが、社台レースホースの目標は明らかに世界のダートレースだろう。既に馬体重も500kgを超す大型馬に成長しているとの事で、池江泰寿厩舎の手腕が試される1頭となる。とは言え、既に結果が出ている配合だけにまともなら走って来るのは間違いない。
まとめ
以上、社台レースホースの2016年産駒募集馬の5000万円までを上位掲載。
今後はその他有力クラブの同ランキングも掲載予定、どうぞお楽しみに。
尚、これらの記事は随時更新予定ですので引き続き御覧下さい。
今後はその他有力クラブの同ランキングも掲載予定、どうぞお楽しみに。
尚、これらの記事は随時更新予定ですので引き続き御覧下さい。
価格:1億2000万円
父馬:ディープインパクト
母馬:リリーオブザヴァレー
母父:Galileo
所属:堀宣行厩舎(美浦)
生産:社台ファーム
馬主:社台レースホース
兄弟:ヴァンキッシュラン