レーティングランキング|日本史上歴代最強牝馬編
牡馬含めた歴代最強争いでも上位に食い込むアーモンドアイのクラスがもう1頭。展開が向いた事もあったとはいえ海外G1から有馬記念の圧勝でリスグラシューが最強に。直接対決はもう出来ないのでアーモンドアイが逆転するには海外G1で圧勝しないと難しいレベルの高い2頭の争い。それでも3歳JCと4歳天秋の先行して更に豪脚で突き放す競馬はタイムと着差もそうだが圧倒的な強さとしか言えない。3位は、オークスの圧勝、ドバイの闘勝、JCでのオルフェーヴルとの激闘のジェンティルドンナ。その次が古馬GⅠ完勝レベルにあったダイワスカーレットとウオッカ。直接対決勝ち越ししている点で少し差をつけている。上位5頭は牡馬混じえても歴代上位レベルだろう。続くブエナビスタは、牡馬歴代では見劣るが牝馬レベルでないラインと判断。シーザリオ以下は、歴代の牡馬が同世代にいると古馬GⅠでは地力でもぎ取れないくらいのレベルで混戦と考えている。底を見せないまま引退してGⅠ馬を連発しているシーザリオだけは上位に近い馬と判断していいだろう。
現役馬でいくとムラがあるもののリスグラシューを何度も子供扱いしているディアドラが安定してはしりさえすれば上位争いに食い込んでくるだろう。
現役馬でいくとムラがあるもののリスグラシューを何度も子供扱いしているディアドラが安定してはしりさえすれば上位争いに食い込んでくるだろう。
順位 | 馬名 | 性生 | 適正 | 評価 | 変動 |
---|---|---|---|---|---|
1 | リスグラシュー | 牝2014 | I | 134.0 | ↑ |
2 | アーモンドアイ | 牝2015 | I | 133.0 | ↓ |
3 | ジェンティルドンナ | 牝2009 | I | 126.8 | ↓ |
4 | ダイワスカーレット | 牝2004 | I | 125.3 | ↓ |
5 | ウオッカ | 牝2004 | I | 124.3 | ↓ |
6 | ブエナビスタ | 牝2006 | I | 122.8 | ↓ |
7 | シーザリオ | 牝2002 | I | 120.8 | ↓ |
8 | エアグルーヴ | 牝1993 | I | 120.5 | ↓ |
9 | ヒシアマゾン | 牝1991 | I | 120.3 | ↓ |
10 | スイープトウショウ | 牝2001 | I | 120.0 | ↓ |
10 | ファビラスラフイン | 牝1993 | I | 120.0 | ↓ |
ランキング上位の最強馬を紹介
4歳秋のエリザベス女王杯で初GⅠ制覇を達成し一気に本格化したリスグラシュー。5歳時には宝塚記念を勝利した後、オーストラリアの伝統的GⅠであるコックスプレートを圧勝し海外GⅠのタイトルも獲得。そして引退レースとなった有馬記念では、アーモンドアイ以下を軽く一蹴し、2着に5馬身差を付ける圧倒的な強さで快勝し名実共に歴代最強牝馬の座を獲得。と同時に、ハーツクライ産駒の代表産駒にも輝いている。
デビュー2着後、破竹の快進撃で牝馬三冠とジャパンカップ制覇を成し遂げたアーモンドアイ。特にジャパンカップでは並み居る強豪をあっさりと退け、従来の記録を1秒5も上回る世界レコードで駆け抜けたのだからこれはもう怪物クラスである。単純な実績として上位2頭の下位にいるものの、実質的なポテンシャルの高さは恐らく3歳秋次点なら文句無しの歴代最強牝馬ではないだろうか。年明けのドバイターフ快勝、安田記念では3着に敗れるも復帰戦の天皇賞秋は見事快勝しGⅠ6勝目。
唯一、牡牝合わせたランキングでも上位に顔を出すジェンティルドンナ。牝馬3冠にジャパンC連覇、ドバイシーマC制覇などその実績を考えればダントツの1位である事は間違い無し。個人的にはブエナビスタとキャラクターが被る事もあって全盛期の2頭ではどちらが強いのかを知りたかった。引退レースとなる有馬記念での勝利も重なって、実力だけでなく人気も高かった1頭。賞金額も牝馬ではトップを誇る。
走りに派手さは無いが、完全無欠と言えば牝馬ではダイワスカーレットか。逃げれば誰も追い付けず、現役時は牡馬含めても現役最強の座をほしいままにしていた同馬。永遠のライバルであるウオッカとは天皇賞秋での激闘を始め、数々の名勝負を演じて来た。2000mまでの勝負ならジェンティルドンナなどもそうそう敵わなかったのではないだろうか。
牝馬にして日本ダービーを制した記憶に残る名牝。他の記事では各媒体の歴代最強馬ランキングで全項目1位を獲得するなど絶大な人気で競馬ファンを虜にしていた。希少的な面か普通のレースで取りこぼす事が多かったが、いざ大舞台になると素晴らしい走りで数々のGⅠを制覇。その時のパフォーマンスは上位2頭にも負けないレベルだった。しかし、不安定さと言う事も加味するとこのレーティングも致し方無いだろう。
近年で言う歴代最強牝馬の筆頭候補にブエナビスタと言う人も少なく無いだろう。それだけレースでのパフォーマンスが圧倒的で牡馬すら相手にならない程の存在感があった。引退前の秋シーズン以外ではずっと馬券圏内に入るなど、長く一線級で戦って来たがその中でGⅠでの降着を2回記録している珍しい戦績の持ち主でもある。そう言う意味では余り運が無かった馬とも言える。
シーザリオの日米オークスを制した実績はしっかりと評価しなければいけないだろう。故障で無念の早期引退をしてしまったが、そのまま走り続けていれば間違いなく牡馬とも対等に戦えた筈だ。誰もが諦めかけたオークスでの最後の直線の末脚は未だに忘れらない。繁殖に入ってからも2頭のGⅠ馬を輩出。母になっても一流である。
個人的には“女傑”と言えばすぐにエアグルーヴを思い出す。当時、牝馬にして天皇賞秋を制覇すると言う偉業を達成し、その後も牡馬相手に大レースで幾度と好勝負を重ねて来た歴戦の強者である。また、引退後は繁殖牝馬として2頭のGⅠ馬を輩出するなど母としての実績だけならダントツでNo.1。総合的に見て競馬界に長く貢献をしているのは実は同馬だったりもするのだ。
あのナリタブライアンと同期であり、3冠達成直後の有馬記念では唯一ナリタブライアンに迫ったのがヒシアマゾン。自身も2着とは言え、当時の強豪ライスシャワーやサクラチトセオーを突き放しており如何に強かったかが窺い知れる。その後、ジャパンCでは2着には入るなど牝馬とは思えない戦いをしていたが、何より“ダビスタ世代”の人にとってはゲーム内での同馬の強さが尋常では無かったのが実に印象深いのではないだろうか。
最も個性的な牝馬と言えば、スイープトウショウの名前を挙げる人も多い筈。それくらいレースぶりにインパクトがあり、且つそのおてんばぶりが競馬ファンを強く惹きつけていたに違いない。特にハーツクライやゼンノロブロイなど、当時の最強クラスと呼ばれる牡馬陣を軽く差し切った宝塚記念は同馬の強さを象徴するレースになったのではないだろうか。池添謙一騎手のガッツポーズが鮮烈に頭の中の映像で残っている。
1996年のジャパンCは未だに記憶に色濃く残っている人も少なくないのでは。あのシングスピールと激しい叩き合いの末2着には敗れたものの、当時の4歳牝馬(現3歳牝馬)にしてそのレベルの活躍はこれまでの常識を覆す衝撃的な事件だった。特に外国産馬自体の適性が短距離にあった時代で、牝馬が海外の名馬相手に接戦をするなど誰が思っていただろう。あの1戦のみのパフォーマンスでファビラスラフインがトップ10にランクイン。
秋華賞とジャパンCを勝った名牝。近年では最も牡馬と対等に戦った牝馬の1頭だろう。ジャパンCでは宝塚記念と天皇賞秋を連勝して来たラブリーデイ相手に強烈な末脚で差し切り勝ちを決めた。そのキレ味はまさに一級品で、ディープインパクト産駒らしい綺麗な走りをする馬だった。その後は骨折をしてしまい無念の引退となってしまったが、母を超える産駒を輩出してもらいたいものである。
『ベガはベガでもホクトベガ』でお馴染みのエリザベス女王杯馬。ではあるが、それよりも印象的なのは古馬になってダート路線に転向した後の活躍だろう。9連勝と言うのも凄いが、れっきとした古馬重賞で大差勝ちなど異常なパフォーマンスで無敵のシーズンを送った同馬。そして、ファンの期待を一身に背負ってドバイワールドCに遠征した1997年、そのレース中に悲劇の死を遂げる事となる…。
これもインパクトと言う点では歴代でもトップクラス。その末脚は異常なまでのキレ味で、桜花賞は4コーナー最後方の絶望的な位置から直線だけで全頭ゴボウ抜きのパフォーマンスを披露した。その年の凱旋門賞に挑戦し、ジャスタウェイ&ゴールドシップと共に日本代表として素晴らしい戦いを見せてくれた同馬。帰国後はやや早熟傾向にあったのか、本来の走りが影を潜め4歳時のドバイシーマCを最後に引退した。
スプリンターズSとヴィクトリアマイルを連覇した名短距離馬。特に一度引退したものの、それを撤回して復帰した後に制した2016年のヴィクトリアマイルはまさに完勝のひと言。他馬が伸びあぐねる中、直線の半ばまで持ったままで先頭に立つと最後は軽く追って後続に2馬身差を付ける見事な内容だった。その時に負かしたのがミッキークイーンとショウナンパンドラの2頭と言う事からもどれだけハイレベルかがお分かり頂けよう。
遅がけにデビューをしてから瞬く間にトップクラスにまで駆け上がったシンデレラの様な牝馬。特にマイルでは5戦5勝の無敗で、マーベラスクラウンやサクラバクシンオーなどの歴代最強クラスの牡馬も軽々と退けていた程。惜しむらくは約1年半と言う短い現役生活だった事。まだまだ彼女の走りを見たかったファンは多かった筈だ。そして、牝馬の短距離と言えばこの馬だろう。
実績、安定感などは上記名牝達に劣るが、まともに走った時のパフォーマンスは歴代の古馬をも凌ぐものがあったラキシス。特に2015年の大阪杯ではあのキズナ以下を直線で置き去りにした脚はかなりのレベルにあった。現在のトレンド配合でもある『ディープインパクト×Storm Cat』の走り的存在で、引退後は質の高い産駒が生まれる事を期待して止まない。
1990年の牝馬クラシック戦線はアグネスフローラを中心とする勢力だった。その中でも桜花賞まで5戦無敗と言う完璧な成績はこれまでの歴代牝馬と比べても遜色の無いもの。オークスこそ大幅な馬体重増など調整不足もあって2着に敗れはしたが、未だ彼女の走りが記憶として残っているファンも多いのではないだろうか。何より、繁殖牝馬となってアグネスフライト&アグネスタキオンを輩出した功績も評価しておきたい。
何と言っても特筆すべきはその着差。桜花賞は2着に大差、オークスは8馬身差を付けての圧勝劇を飾った偉大なる牝馬である。その衝撃度を当時のファンが表現するには難しく、とある競馬評論家は『サンデーサイレンスが日本に与えた影響』に匹敵する程のレベルであったとも言われている。故に、今でも歴代最強牝馬の議題が上がった時には40年以上前の馬として唯一ランクインするのであろう。
ブエナビスタがいなければ実質の3冠牝馬だったレッドディザイア。3歳時に果敢にチャレンジしたジャパンCでもウオッカに僅差の3着、翌年にはドバイワールドC遠征も果たしその前哨戦では海外の古馬相手に豪快な差し切り勝ちを決めている程。その後はやや精彩を欠いてしまったが、全盛期は現役でも牡馬と併せてトップクラスだった間違いない。引退後、残念ながら3頭の産駒を残して急死してしまった。
不安定な成績ながら、勝鞍にあのドゥラメンテとキタサンブラックの2頭を負かした宝塚記念があるのは大きい。ハマった時の走りは歴代の最強牡馬に匹敵するレベルで、ディープインパクト産駒の牝馬の中でも少し特殊な走りをする馬だった。瞬発力勝負よりもやや湿った馬場でパワー重視の芝が主戦場の母父エルコンドルパサーの血が色濃く出たタイプ。ファミリー的にも繁殖牝馬として成功しそうな雰囲気を持っている。
GⅠ未勝利ながら堂々のランクインを果たしたデニムアンドルビー。ジャパンCと宝塚記念で2着に入線した豪脚は牡馬顔負けのレベルで、骨折などがありながらも長く一線級で活躍した名牝である。やはりランキングの条件として、古馬GⅠでもジャパンCや両グランプリでの活躍は素直に評価されるべき実績だろう。重賞2勝のみの同馬が入ったのも頷ける。
オークス、秋華賞の2冠馬ミッキークイーン。同馬の実績としてはその牝馬GⅠ2勝のみではあるが、馬券圏外の2戦となったジャパンCと有馬記念でも1着から僅差の敗戦と言う内容が評価された。古馬になってからタイトルには遠退いたが、宝塚記念でも3着に入る活躍を見せ牝馬では歴代でも上位の部類にランキングする存在だろう。
3歳牝馬クラシックでは桜花賞&秋華賞の2冠に輝いたテイエムオーシャン。その後、エリザベス女王杯と有馬記念で善戦した後、休み明けの札幌記念を牡馬相手に堂々の完勝。そこからぶっつけで臨んだ天皇賞秋ではシンボリクリスエスやナリタトップロードを押さえて1番人気に支持された程だった。しかし、そこから調子を崩してしまい勝ち星を挙げられずに引退。産駒は尽く走っていない。
牝馬のマイラーで挙げるのならばノースフライトに次いでラインクラフトが出て来るのではないだろうか。3歳時のマイルCSまでの安定感は秀逸で、短距離と言うカテゴリー内なら当時は現役トップクラスだった様に思える。スピード豊かで終いもキレにキレる、スタミナも2000mまでなら問題なしと文句の付けどころが無い牝馬だった。故に現役中に出た急死の悲報はファンたちに大きな落胆を与える事となる。
まとめ
以上が歴代史上最強牝馬のランキングまとめ。
2019年頭現在、実績と賞金額など含めての1位はジェンティルドンナ。しかしながら、ジャパンカップを世界レコードで圧勝したアーモンドアイが急接近しており、順位の入れ替わりも時間の問題だろう。初戦はドバイとされているが、その後には凱旋門賞遠征まで視野に入って来ている末恐ろしい牝馬。日本どころか世界でも歴代最強の座に君臨する可能性は高い。
今回の採点ではあくまでも当サイト記者陣の個人的な見解やイメージ込みの数値が反映されているので、他メディアのランキングとは全く違った結果となっている。その点はご理解頂いた上で各馬の評価などを参考にして頂きたい。
2019年頭現在、実績と賞金額など含めての1位はジェンティルドンナ。しかしながら、ジャパンカップを世界レコードで圧勝したアーモンドアイが急接近しており、順位の入れ替わりも時間の問題だろう。初戦はドバイとされているが、その後には凱旋門賞遠征まで視野に入って来ている末恐ろしい牝馬。日本どころか世界でも歴代最強の座に君臨する可能性は高い。
今回の採点ではあくまでも当サイト記者陣の個人的な見解やイメージ込みの数値が反映されているので、他メディアのランキングとは全く違った結果となっている。その点はご理解頂いた上で各馬の評価などを参考にして頂きたい。
父馬:ハーツクライ
母馬:リリサイド
母父:American Post
所属:矢作芳人厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:キャロットファーム
通算成績:22戦7勝(7-8-4-3)
主な戦績:有馬記念、宝塚記念、エリザベス女王杯、コックスプレートなど