牝馬クラシック三冠への道のり
1976年にエリザベス女王杯が新設され、牝馬三冠の最終関門という位置づけとされていた。その後、牝馬競走体系が見直された1996年に新たに秋華賞が創設。エリザベス女王杯から引き継ぐ形で今日まで牝馬による多くの激闘を見届けている。
春の桜花賞とオークスの2戦が正式なクラシック競走にあたり、秋華賞はあくまでも三冠の最終戦という位置づけ。それぞれが違う条件の下で各カテゴリーの最強馬を決定しているのである。よって、全レースを勝利するというのは至難の業であり、2018年までの約40年間で牝馬三冠を達成した馬は計5頭しか誕生していない。
春の桜花賞とオークスの2戦が正式なクラシック競走にあたり、秋華賞はあくまでも三冠の最終戦という位置づけ。それぞれが違う条件の下で各カテゴリーの最強馬を決定しているのである。よって、全レースを勝利するというのは至難の業であり、2018年までの約40年間で牝馬三冠を達成した馬は計5頭しか誕生していない。
歴代の牝馬三冠馬
メジロラモーヌ
1986年に牝馬で初めて三冠馬となったメジロラモーヌ。当馬の凄い所は、各レースのトライアルも全て制した完全三冠という点。現代競馬のゆったりとしたローテーションを考えると全くもって理解出来ないだろうが、ひと昔前は各トライアルに出走するというのがクラシック参戦前の常識とされていた。なので、3月~5月の2ヶ月間で計4戦を走り抜けた超タフな馬とも言える。秋華賞を含まない当時における唯一の旧牝馬三冠馬の女傑でもあった。
スティルインラブ
2003年に史上2頭目の達成となったスティルインラブ。この馬の成績を見ても分かる様に、新馬~紅梅ステークスを連勝した以外は、トライアルやその他のレースを全て敗れ三冠レースのみ勝ち切るというかなりの勝負強さを誇った。特に同期のアドマイヤグルーヴとは幾多の死闘を演じ、2頭は後世においても稀有なライバル関係にあったと言える。引退後、繁殖牝馬としての活躍も期待されたが急病により7歳で死亡。産駒はただ1頭のみと短く残念な繁殖馬人生を送っている。
アパパネ
2010年に史上3頭目の達成となったアパパネ。当馬は前年に阪神ジュベナイルフィリーズ、翌年にヴィクトリアマイルとGⅠを計5勝した名牝中の名牝。後はエリザベス女王杯を制しさえすれば牝馬限定GⅠの完全制覇となったのだが、3着が2度とあと一歩の所で手が届かなかった。この馬もスティルインラブ同様、トライアルなどその他のレースで取りこぼしが多かったが、いざという勝負どころでは必ず勝つ不思議な力の持ち主だった。ただオークスはサンテミリオンとの同着決着なので完全な単独勝利の三冠馬ではない。
ジェンティルドンナ
2012年に史上4頭目の達成となったジェンティルドンナ。当馬は他の三冠馬と違い、その後の古馬GⅠ戦線でも活躍した当時の日本最強馬レベルだった1頭。3歳のジャパンカップではあのオルフェーヴルとの壮絶な一騎打ちの末に勝利したのが最も記憶に新しいのではないだろうか。海外のドバイシーマクラシックでも世界の強豪相手に圧巻の差し切り勝ちなど、GⅠタイトルを計7勝した史上最強牝馬と言っても過言では無い。尚、三冠レースの2着には全てヴィルシーナが入線するという不運な準三冠馬がいた事も付け加えておきたい。
アーモンドアイ
2018年のクラシック戦線でひと際異彩を放つアーモンドアイ。シンザン記念からのぶっつけで挑んだ桜花賞では、最後方から持ったままで先頭へ躍り出ると言う異次元のパフォーマンスを披露した。続くオークスは距離不安が囁かれながらも圧倒的な競馬で制し、秋華賞では絶望的な位置から追い込む走りで見事三冠を達成。その後臨んだジャパンカップでは、並み居る強豪を退け2分20秒6という2400mの驚異的な世界レコードを記録し快勝している。翌年にはドバイターフを楽勝し世界にその強さをアピール。
まとめ
以上、日本競馬における牝馬三冠馬のまとめ。
こうして見ると、牝馬三冠を制した後に牡馬とまともに戦えたのはジェンティルドンナとアーモンドアイの2頭。その時点で如何に同馬が並外れた名牝だったという事がお分かり頂けよう。逆を言えば、牝馬三冠を制するにはある程度の早熟性も必要な要素と言える。
牡馬よりも激しい1600m→2400mという桜花賞~オークスでの800mの距離延長。適正がまるで違うだけにここを連勝するというのが何よりハードルが高くなっている。今後も桜花賞を制した快速牝馬たちにとって大きな壁となりえる存在か。
こうして見ると、牝馬三冠を制した後に牡馬とまともに戦えたのはジェンティルドンナとアーモンドアイの2頭。その時点で如何に同馬が並外れた名牝だったという事がお分かり頂けよう。逆を言えば、牝馬三冠を制するにはある程度の早熟性も必要な要素と言える。
牡馬よりも激しい1600m→2400mという桜花賞~オークスでの800mの距離延長。適正がまるで違うだけにここを連勝するというのが何よりハードルが高くなっている。今後も桜花賞を制した快速牝馬たちにとって大きな壁となりえる存在か。
父馬:モガミ
母馬:メジロヒリュウ
母父:ネヴァービート
所属:奥平真治厩舎(美浦)
生産:メジロ牧場
馬主:メジロ牧場
通算成績:12戦9勝 (9-0-0-3)
主な戦績:牝馬三冠など