牝馬クラシック三冠への道のり

 
1976年にエリザベス女王杯が新設され、牝馬三冠の最終関門という位置づけとされていた。その後、牝馬競走体系が見直された1996年に新たに秋華賞が創設。エリザベス女王杯から引き継ぐ形で今日まで牝馬による多くの激闘を見届けている。

春の桜花賞とオークスの2戦が正式なクラシック競走にあたり、秋華賞はあくまでも三冠の最終戦という位置づけ。それぞれが違う条件の下で各カテゴリーの最強馬を決定しているのである。よって、全レースを勝利するというのは至難の業であり、2017年までの約40年間で牝馬三冠を達成した馬は計4頭しか誕生していない。
 

歴代の牝馬三冠馬

 

メジロラモーヌ

 
メジロラモーヌ

メジロラモーヌ

牝馬

父馬:モガミ
母馬:メジロヒリュウ
母父:ネヴァービート
所属:奥平真治厩舎(美浦)
生産:メジロ牧場
馬主:メジロ牧場

通算成績:12戦9勝 (9-0-0-3)
主な戦績:牝馬三冠など
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1986年に牝馬で初めて三冠馬となったメジロラモーヌ。当馬の凄い所は、各レースのトライアルも全て制した完全三冠という点。現代競馬のゆったりとしたローテーションを考えると全くもって理解出来ないだろうが、ひと昔前は各トライアルに出走するというのがクラシック参戦前の常識とされていた。なので、3月~5月の2ヶ月間で計4戦を走り抜けた超タフな馬とも言える。秋華賞を含まない当時における唯一の旧牝馬三冠馬の女傑でもあった。
 

スティルインラブ

 
スティルインラブ

スティルインラブ

牝馬

父馬:サンデーサイレンス
母馬:ブラダマンテ
母父:Roberto
所属:松元省一厩舎(栗東)
生産:下河辺牧場
馬主:ノースヒルズマネジメント

通算成績:16戦5勝 (5-2-1-8)
主な戦績:牝馬三冠など
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2003年に史上2頭目の達成となったスティルインラブ。この馬の成績を見ても分かる様に、新馬~紅梅ステークスを連勝した以外は、トライアルやその他のレースを全て敗れ三冠レースのみ勝ち切るというかなりの勝負強さを誇った。特に同期のアドマイヤグルーヴとは幾多の死闘を演じ、2頭は後世においても稀有なライバル関係にあったと言える。引退後、繁殖牝馬としての活躍も期待されたが急病により7歳で死亡。産駒はただ1頭のみと短く残念な繁殖馬人生を送っている。
 

アパパネ

 
アパパネ

アパパネ

牝馬

父馬:キングカメハメハ
母馬:ソルティビッド
母父:Salt Lake
所属:国枝栄厩舎(美浦)
生産:ノーザンファーム
馬主:金子真人ホールディングス

通算成績:19戦7勝(7-1-3-8)
主な戦績:牝馬三冠、阪神ジュベナイルフィリーズ、ヴィクトリアマイルなど
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2010年に史上3頭目の達成となったアパパネ。当馬は前年に阪神ジュベナイルフィリーズ、翌年にヴィクトリアマイルとGⅠを計5勝した名牝中の名牝。後はエリザベス女王杯を制しさえすれば牝馬限定GⅠの完全制覇となったのだが、3着が2度とあと一歩の所で手が届かなかった。この馬もスティルインラブ同様、トライアルなどその他のレースで取りこぼしが多かったが、いざという勝負どころでは必ず勝つ不思議な力の持ち主だった。ただオークスはサンテミリオンとの同着決着なので完全な単独勝利の三冠馬ではない。
 

ジェンティルドンナ

 
ジェンティルドンナ

ジェンティルドンナ

牝馬

父馬:ディープインパクト
母馬:ドナブリーニ
母父:Bertolini
所属:石坂正厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング

通算成績:19戦10勝(10-4-1-4)
主な戦績:牝馬三冠、ジャパンカップ、ドバイシーマクラシック、有馬記念など
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2012年に史上4頭目の達成となったジェンティルドンナ。当馬は他の三冠馬と違い、その後の古馬GⅠ戦線でも活躍した当時の日本最強馬レベルだった1頭。3歳のジャパンカップではあのオルフェーヴルとの壮絶な一騎打ちの末に勝利したのが最も記憶に新しいのではないだろうか。海外のドバイシーマクラシックでも世界の強豪相手に圧巻の差し切り勝ちなど、GⅠタイトルを計7勝した史上最強牝馬と言っても過言では無い。尚、三冠レースの2着には全てヴィルシーナが入線するという不運な準三冠馬がいた事も付け加えておきたい。
 

アーモンドアイ??

 
アーモンドアイ

アーモンドアイ

牝馬

父馬:ロードカナロア
母馬:フサイチパンドラ
母父:サンデーサイレンス
所属:国枝栄厩舎(美浦)
生産:ノーザンファーム
馬主:シルクレーシング

通算成績:5戦4勝(4-1-0-0)
主な戦績:桜花賞、オークスなど
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2018年のクラシック戦線でひと際異彩を放つアーモンドアイ。シンザン記念からのぶっつけで挑んだ桜花賞では、最後方から持ったままで先頭へ躍り出ると言う異次元のパフォーマンスを披露した。続くオークスも圧倒的な競馬で制し、秋華賞前にしてほぼ三冠を確実なモノにしている名牝候補の1頭だ。能力だけで言えばジェンティルドンナと比較しても優劣を付け難く、もしかするとそれ以上の可能性も高い。先ずは秋華賞を制し、古馬戦線に堂々と向かって行って欲しいものである。
 

まとめ

 
以上、日本競馬における牝馬三冠馬のまとめ。

こうして見ると、牝馬三冠を制した後に牡馬とまともに戦えたのはジェンティルドンナただ1頭。その時点で如何に同馬が並外れた名牝だったという事がお分かり頂けよう。逆を言えば、牝馬三冠を制するにはある程度の早熟性も必要な要素と言える。

牡馬よりも激しい1600m→2400mという桜花賞~オークスでの800mの距離延長。適正がまるで違うだけにここを連勝するというのが何よりハードルが高くなっている。それを楽々と突破したアーモンドアイは恐らく秋華賞も休み明けに関わらずあっさりと制する公算が大。その時はこの記事をまた更新したい。

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