そもそも外厩って何??

 
屋内の坂路コースもある外厩施設

屋内の坂路コースもある外厩施設

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読んで字の如く、外厩=“外の厩舎”という意味。内とは栗東・美浦の厩舎、外はそれ以外の厩舎という事で話を進めて行く。現在、JRAでは各厩舎に与えられる馬房数は28、管理出来る最大頭数は70と上限が決まっている。ここで疑問が生まれた方が正解、28馬房しか無いのに何故70頭もの馬を預かる事が出来るのだろうか。

それを一発で解決するのがこの“外厩”なのである。タイトルにあるノーザンファーム天栄・しがらきの両施設にはトレセンよりも立派な調教コースが備わっており、ここで馬を仕上げる事が可能となっている。つまり、調教師は所属の馬を、自厩舎で管理→レースに出走→外厩に預ける→自厩舎に戻す→レースに出走→外厩に預ける、という使い分けで馬房数よりも多い頭数を管理しているのだ。
 

天栄、しがらきの強大な施設

 
ノーザンファーム 社台ファーム
屋外コース1200m坂路 屋外コース1000m坂路
屋内コース900m坂路 屋外コース1000mトラック
屋内コース1000mトラック 屋外コース600mトラック(ウッド)
屋外コース500mトラック 屋外コース500mトラック(ダート)
屋内コース400mトラック ウォーキングマシン
各馬場2面
 
上記、ご覧の様に設備そのもののクオリティが違う。社台ファームは全ての調教施設が屋外のみなのに対し、ノーザンファームに関しては坂路・トラックいずれもが屋内外のコースを兼ね備えている。つまりは、天候に左右される事なく一定の条件を保ちながら調教をいつでも行えるという事。これは、特に育成段階の若駒にとって重要なメリットと言え絶対的な調教量が確保できるのは大きなアドバンテージに繋がる訳だ。新馬戦からノーザンファーム生産の馬がバンバン活躍するのも頷ける。
 
天栄 しがらき 栗東 美浦
距離 950m 800m 1085m 1200m
勾配 4.5→8% 4.5→8% 2→4.5% 0.6→4.62%
 
次に各場における坂路コースの傾斜の違いを表したものがこちら。この数値で一目瞭然だが、天栄・しがらき共に坂の傾斜がかなりキツくなっているのがお分かりだろう。距離そのものはトレセンよりも短いが、その分負荷の強い調教が行なえ効率よく馬を鍛える事ができるという事だ。これらの施設がそれぞれトレセンから数時間程度の場所にあるのだから、わざわざ北海道に放牧へ出さずとも広大な土地でリフレッシュがてら馬を仕上げられるのは非常に有り難い。

調教師は管理する馬をレースに合わせて、トレセンとこれらの外厩施設を使い分けながら上手くローテーションを回して行く。その中で、レースの10日前まで施設の優れた場所で仕上げそのまま馬房に戻して出走させた方が馬自身のポテンシャルが最大限引き出せる事を理解しているのだろう。なので、こういった流れから近年は“天栄仕上げ”や“外厩帰り”の馬の活躍が顕著になって来ているのである。
 

桜花賞と皐月賞もぶっつけ本番でV

 
グランアレグリア

グランアレグリア

牝馬

父馬:ディープインパクト
母馬:タピッツフライ
母父:Tapit
所属:藤沢和雄厩舎(美浦)
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング

通算成績:4戦3勝(3-0-1-0)
主な戦績:桜花賞など
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サートゥルナーリア

サートゥルナーリア

牡馬

父馬:ロードカナロア
母馬:シーザリオ
母父:スペシャルウィーク
所属:中竹和也厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:キャロットファーム

通算成績:4戦4勝(4-0-0-0)
主な戦績:皐月賞、ホープフルステークスなど
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それらの最たる例が2019年の桜花賞と皐月賞だろう。グランアレグリアは中111日、サートゥルナーリアは中106日という年明け初戦でクラシックを制するという史上初の快挙を達成している。ひと昔前の競馬ならぶっつけで臨む事など考えられなかった。馬の調整はそれだけ難しく、少しでも感覚が開くとレース勘も鈍るというもの。ましてや、他の馬がメイチで仕上げて来るクラシックレースではそれ相応の仕上げでないと戦えない。

それが、休み明けでも外厩を使ってこれだけの結果が出ているのだから何も文句は言えない。施設もそうだろうが、それ以上にノーザンファームのスタッフの質が相当に高いものと思われる。繊細且つ的確な判断で馬を扱えるプロ集団が揃っているのだろう。人も物も揃ったノーザンファームにはもはや当分敵いそうにないのが本音だ。
 

まとめ

 
以上、近頃よく耳にする“外厩”というものにスポットを当てて中身をご紹介。

とにもかくにも、競馬そのものの仕組みが変わって来ているのだろう。以前なら大事なレース前にひと叩きしてから参戦するのが常識だった。勿論、ほとんどの陣営がそうして臨んでいる。しかしながら、結果として勝っているのは長期休み明けの外厩帰りの馬ばかりなのも事実である。

競馬を予想する側としては、この外厩帰りか否かという要素をより重要視しないといけなくなっているのは間違いない。今後は、当サイトでもそれらの情報を提供できるシステムを構築しつつ、有益なトピックをお送りして行きたいと考えているのでお楽しみに。

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