昨年はダービー馬クラス2頭の叩き合い

 

2017年07月16日 2歳新馬 芝2000m 中京競馬場

1着:ワグネリアン 牡2 (福永祐一)
2着:ヘンリーバローズ 牡2 (川田将雅)
3着:スヴァルナ 牡2 (M.デムーロ)

レースタイム:2:04.7(良)
レース上がり3ハロン:32.8
勝ち馬上がり3ハロン:32.6
 
昨年の中京芝2000mで行われた新馬戦は、今年の日本ダービーを制したワグネリアンともう1頭の素質馬ヘンリーバローズの壮絶な叩き合いによる1戦だった。3着以下を大きく引き離す異次元の一騎打ちで、何とワグネリアンは中京競馬場の史上最速となる上がりを記録(古馬含む)。負けたヘンリーバローズも次走の未勝利戦で大楽勝を飾り、その後の長期休養が無ければ少なくとも日本ダービーに有力馬として参戦していただろう。そういう意味でもGⅠクラスがいきなり大激突した超ハイレベルのレースだった。
 

今年は2億円ホースのマッチアップか

 
ダノンチェイサー(サミター2016)

ダノンチェイサー(サミター2016)

牡馬

父馬:ディープインパクト
母馬:サミター
母父:ロックオブジブラルタル
所属:池江泰寿厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:ダノックス

落札額:2億7000万円(税込)
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トーセンカンビーナ(カンビーナ2016)

トーセンカンビーナ(カンビーナ2016)

牡馬

父馬:ディープインパクト
母馬:カンビーナ
母父:Hawk Wing
所属:角居勝彦厩舎(栗東)
生産:社台ファーム
馬主:島川隆哉

落札額:2億4840万円(税込)
via google imghp
 
上記2頭は、それぞれ2016年と2017年のセレクトセールで共に2億円オーバーの高額取り引きをされた話題の馬。母がいずれも海外のGⅠホースで、そこにディープインパクト産駒が配合されたとなると一般的な落札額より高騰する事も納得だろう。そんな数少ない馬同士が新馬戦でいきなり顔合わせするのだから注目度は相当高い。

ちなみに、過去に2億円超えの馬が対決した新馬戦はあのサトノダイヤモンドVSロイカバードの1戦である。ご存知、サトノダイヤモンドの圧勝で終わりその後の活躍は周知の通りだ。かろうじて2着に入ったロイカバードは地道にクラスを上げるも、最終的にはオープンで頭打ちに終わっている。この様に、幾ら高くても期待通りに走るかどうかは当然ながら馬次第。値段で競走馬の価値が決まるものではない。

そういう意味でも、今回のダノンチェイサーとトーセンカンビーナの直接対決は今後を占う上で非常に重要なレースと言えるのではないだろうか。ワグネリアン然り、サトノダイヤモンド然り、有力馬同士の対決で勝った馬の方が出世コースに乗れるのは間違いない。世紀の1戦、勝利の女神は一体どちらに微笑むのか。
 

その他の有力馬たち

 
ブラヴァス(ヴィルシーナ2016)

ブラヴァス(ヴィルシーナ2016)

牡馬

父馬:キングカメハメハ
母馬:ヴィルシーナ
母父:ディープインパクト
所属:友道康夫厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:佐々木主浩

近親馬:シュヴァルグラン、ヴィブロス
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オールイズウェル(ラブフール2016)

オールイズウェル(ラブフール2016)

牡馬

父馬:ルーラーシップ
母馬:ラブフール
母父:ゼンノロブロイ
所属:佐々木晶三厩舎(栗東)
生産:へいはた牧場
馬主:小林竜太郎

近親馬:リトルアマポーラ
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冒頭の2頭を脅かす存在となるのはブラヴァスかオールイズウェルだろう。

ブラヴァスに関しては、主役よりもある意味で注目を集めている。それもその筈で、佐々木主浩氏に初のGⅠタイトルをプレゼントしたヴィルシーナの初年度産駒なのである。しかも、鞍上にはあの武豊騎手が騎乗するというのだからこれはかなりのトピック。強豪を倒しての勝利なら更に盛り上がるだろう。

オールイズウェルは単純に調教が素晴らしく、動きだけなら他の3頭にも引けを取らない。母は2012年クイーンステークスで2着に入線したラブフール、近親にはエリザベス女王杯を制したリトルアマポーラがいる素質馬で、地味に血統でもそこまで見劣りはしていないのだ。

先の阪神最終週でホウオウライジン、ロードゼウス、アドマイヤジャスタの断然3強と言われた新馬戦ですら、蓋を開けてみれば8番人気のブレイキングドーンが圧勝するという意外な結果もある。2億円ホースがあっさりと敗退するならこの2頭が有力、それともまだ見ぬ伏兵か。
 

まとめ

 
以上、今週末に行われる中京芝2000mの新馬戦情報。

2億円もの落札額となると、確実に重賞を複数回は勝たなければ元が取れない計算だ。その時点で恐らくGⅠでも人気になる様な馬だろう。とは言え、そんな新馬が10頭いれば半分以上は条件戦をウロウロする位の実力だったりするのが競馬の世界。出来ればオーナーサイドの期待に応えられるパフォーマンスを見せて欲しい。

その一方で、ダノンチェイサーとトーセンカンビーナ=ダノックスと島川隆哉氏。共に億単位をさして負担にも思わない大金持ちの対決だが、そこを一刀両断で弱小オーナーの馬が完勝するシーンも少し見てみたい気がする。いずれにせよ、天の邪鬼な競馬ファンを唸らせれる様な伝説の新馬戦になる事を期待したい。

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