有馬記念直前

 
豪快なフットワークで好調をアピールするヴェロックス

豪快なフットワークで好調をアピールするヴェロックス

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3冠は2、3、3着と全て善戦止まりだったヴェロックスだが、今回の有馬記念にあたっては最も懸念材料が少ない。距離適性は菊花賞を走破しており十分、中山コースも皐月賞で4コーナー先頭の競馬で立ち回っている通り。母父Monsunという血統からも多少の雨が降ろうがタフな馬場は歓迎のクチだろう。枠順も先行タイプで問題なく、鞍上は継続騎乗の川田将雅騎手。過去10年間で5勝の3歳世代の中では本馬が最も推しの1頭ではないだろうか。
 

菊花賞直後

 

2019年10月20日 菊花賞 芝3000m 京都競馬場

1着:ワールドプレミア 牡3 (武豊)
2着:サトノルークス 牡3 (福永祐一)
3着:ヴェロックス 牡3 (川田将雅)

レースタイム:3:06.0(良)
レース上がり3ハロン:36.2
勝ち馬上がり3ハロン:35.8
 
1番人気という事もあり、スタートから早めのポジショニングが目に付いたヴェロックス。幸い、ペースもかなりのスローとなり前に付けておかなければ勝負にならない展開となった。2度目の坂越えが終わり、いざ4コーナーの下りから仕掛けて行くと、直線入り口では早々戦闘態勢へ。そこから押し切る形に持って行きたかったが、さすがに脚が止まってワールドプレミアに出し抜けを食らってしまった。それでも3冠全てにおいて馬券に絡む活躍は評価に値するだろう。
 

菊花賞直前

 
菊花賞でクラシック最後のタイトルに挑むヴェロックス

菊花賞でクラシック最後のタイトルに挑むヴェロックス

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ここで勝てなければ今後もチャンスは少なくなって来るであろうヴェロックス。サートゥルナーリア、ダノンキングリーという同世代のライバルたちが参戦して来ない菊花賞。春の勢力図ではサートゥルナーリアの2番手評価だった本馬最大の絶好機と言っても良い。元より2000m以上での距離でこそというタイプで、血統的に不安視されている3000mもこなせる筈。後は川田将雅騎手の腕前で淀の長距離をスムーズに回って来れれば自ずと結果は付いて来ているのではないだろうか。
 

神戸新聞杯直後

 

2019年9月22日 神戸新聞杯 芝2400m 阪神競馬場

1着:サートゥルナーリア 牡3 (C.ルメール)
2着:ヴェロックス 牡3 (川田将雅)
3着:ワールドプレミア 牡3 (武豊)

レースタイム:2:26.8(良)
レース上がり3ハロン:32.3
勝ち馬上がり3ハロン:32.3
 
パドックの時点で発汗なども見られテンションの高かったヴェロックス。レースも道中、やや行きたがる面を見せサートゥルナーリアと比べて日本ダービーとは真逆のレース運びとなった。その余力の差か、最後の直線では簡単に突き放される形となって完敗の3馬身差。向こうはまだ馬なりだった事を考えると、夏の成長分で一気に差が開いたとしか言い様が無い。それでも、3着以下には決定的な着差を見せている事からも菊花賞の有力候補には変わりない。が、当日の気配次第という不安点は拭い切れないだろう。
 

神戸新聞杯直前

 
川田騎手を背に絶好の仕上がりを見せるヴェロックス

川田騎手を背に絶好の仕上がりを見せるヴェロックス

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ヴェロックスも順調そのものといったところか。放牧から帰厩、成長の姿も窺え全体的にドシッとした感じ。元々完成度は高かったが、更にバランスが良くなったという感じだろう。追い切りでもブレの無い動きで鞍上とも一心同体の動きを見せた。2400m以上なら間違いなくサートゥルナーリアより適正の舞台、神戸新聞杯で快勝すれば菊花賞では一気に最有力候補となる。川田騎手も逆転に向け意気揚々とレースへ向かう。
 

日本ダービー直後

 

2019年5月26日 日本ダービー 芝2400m 東京競馬場

1着:ロジャーバローズ 牡3 (浜中俊)
2着:ダノンキングリー 牡3 (戸崎圭太)
3着:ヴェロックス 牡3 (川田将雅)

レースタイム:2:22.6(良)※レコード
レース上がり3ハロン:35.9
勝ち馬上がり3ハロン:35.1
 
好スタートを切ったヴェロックスは道中外目の6~7番手を追走。前にダノンキングリー、後方にサートゥルナーリアを見る形で理想的なポジションからレースを進めた。前が少し早めに仕掛けやや慌て気味に自身もスパートを掛けるも、エンジンの掛かりが遅いタイプで直線入り口では少し後方へ下がってしまう。坂を駆け上がってようやくトップギアへ入れると、一旦は前に出られたサートゥルナーリアを内からかわし単独の3着でゴールイン。地力は見せたが、完全燃焼とは言えない後半の運びだったろう。
 

日本ダービー直前

 
3歳の頂点へ、絶好の動きでアピールするヴェロックス

3歳の頂点へ、絶好の動きでアピールするヴェロックス

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やはり大本命を倒すとするならば、最有力候補はこのヴェロックスだろう。皐月賞でも最後の直線でサートゥルナーリアがぶつかって来なければ、もしかすると逆転まであったかも知れない。加えて、距離が延びて良さが出るのは本馬の方だろう。実際に東京競馬場を経験しているのも大きい。上がり勝負になると厳しいが、母父モンズンだけにタフな流れで持久力勝負になればこちらのもの。川田将雅騎手が是が非でも4コーナーで早めに勝負を仕掛けて行くだろう。
 

皐月賞直後

 

2019年4月14日 皐月賞 芝2000m 中山競馬場

1着:サートゥルナーリア 牡3 (C.ルメール)
2着:ヴェロックス 牡3 (川田将雅)
3着:ダノンキングリー 牡3 (戸崎圭太)

レースタイム:1:58.1(良)
レース上がり3ハロン:34.7
勝ち馬上がり3ハロン:34.1
 
スタートから脚に進めてサートゥルナーリアより一列前にポジショニングを取ったヴェロックス。ランスオブプラーナがハイペースで飛ばすも、決め手に欠けるタイプの同馬にとってはむしろ好都合な流れとなった。4コーナーで早めに進出して行くと直線入り口で早々に先頭に立って出し抜けを図ったが、やはりサートゥルナーリアに並ばれる。そこから前をカットされる不利を受けながら一進一退の攻防を繰り広げるも、最後はクビ差競り負けて2着敗退を喫した。それでもラストは差し返しており、次のダービーへ繋がる1戦だっただろう。
 

皐月賞直前

 
芝コースで楽に先着を果たすヴェロックス

芝コースで楽に先着を果たすヴェロックス

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先週のダノンファンタジーの借りをここで返すべく、ヴェロックスの主戦川田騎手はリベンジに燃えている。サートゥルナーリアが抜けている事は分かっていても、『出来る限りの競馬をするだけ』とその秘めたる闘志は全面に溢れ出ている。とは言え、新馬を勝った時はいきなりクラシック候補とまで騒がれた逸材。新種牡馬のジャスタウェイに、重賞制覇はおろかいきなりGⅠタイトルをプレゼントしても何ら不思議ではない。金子真人オーナーの神通力も加えると、やはり怖い存在には違いない。
 

若葉ステークス直後

 

2019年3月16日 若葉ステークス 芝2000m 阪神競馬場

1着:ヴェロックス 牡3 (川田将雅)
2着:ワールドプレミア 牡3 (武豊)
3着:シフルマン 牡3 (幸英明)

レースタイム:2:02.7(稍重)
レース上がり3ハロン:35.5
勝ち馬上がり3ハロン:35.1
 
スタートから馬なりで好位置に付けるヴェロックス。逃げ馬をマンマーク、後続は気にせず自分のリズムで走る事に専念した様なレース運びだった。馬なりのまま4コーナーで先頭へ並びかけると、そのまま直線はあっさりと独走状態に。まるで新馬の時の衝撃を再現するかの様なパフォーマンスで、2着ワールドプレミア相手に軽く3馬身突き放しての連勝を飾った。川田騎手も皐月賞で戦える手応えをヒシヒシと感じている様子だった。
 

若葉ステークス直前

 
中内田厩舎期待のエース、ヴェロックス

中内田厩舎期待のエース、ヴェロックス

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まだまだ線も細く、気性も若いヴェロックス。それでも調教やレースで見せるパフォーマンスには大物の雰囲気が出ており、厩舎としては是が非でもクラシック戦線に乗せたいところ。現在の賞金では皐月賞はいけても、日本ダービーへ向かうには少し心もとない。ここでしっかりと賞金を加算し、精神的な余裕を持って4月からの本番を迎えたい。川田騎手も惚れ込む逸材、出走するからにはただで転ぶわけに行くまい。
 

若駒ステークス直後

 

2019年01月19日 若駒ステークス 芝2000m 京都競馬場

1着:ヴェロックス 牡3 (川田将雅)
2着:サトノウィザード 牡3 (C.ルメール)
3着:フェアリーポルカ 牝3 (和田竜二)

レースタイム:2:00.7(良)
レース上がり3ハロン:34.5
勝ち馬上がり3ハロン:34.2
 
確実に外のサトノウィザードとの一騎打ちを意識していた川田将雅騎手とヴェロックス。道中は淡々と先行集団の一角で構え、勝負所で一気に前へ進出。早め抜け出しの競馬で枠の差を活かした競馬を見せあっさりと2勝目をもぎ取って見せた。レースぶりを見てもまだまだ覚醒は先の様子だが、それだけ伸びシロもあるという事。この時期にクラシックへ出走出来るボーダーの賞金加算を出来たのは非常に大きい。ここからゆっくりと馬を作って本番に駒を進めたいところだ。
 

若駒ステークス直後

 
順調に年を越したヴェロックス

順調に年を越したヴェロックス

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前走の東京スポーツ杯2歳ステークスは残念な結果に終わってしまったが、そのレース後から馬体が大きくなり成長期に入ったヴェロックス。馬体重をそのまま維持し、年が明け馬自体にも風格が出て来ている様だ。本来なら既にタイトルを手にしておかなければいけない存在、今回の若駒ステークスはあっさりと通過してクラシック戦線の最有力候補として春の舞台に駒を進めたい。鞍上は川田将雅騎手にスイッチ。
 

東京スポーツ杯2歳ステークス直後

 

2018年11月17日 東京スポーツ杯2歳ステークス 芝1800m 東京競馬場

1着:ニシノデイジー 牡2 (勝浦正樹)
2着:アガラス 牡2 (W.ビュイック)
3着:ヴァンドギャルド 牡2 (C.デムーロ)

レースタイム:1:46.6(良)
レース上がり3ハロン:34.6
勝ち馬上がり3ハロン:33.9
 
レース運びはスムーズでいい形の直線を迎えられたヴェロックス。いかんせんエンジンの掛かりが遅く加速しようとした時に内から馬体をぶつけられる不利を受け、立て直す時間が勿体無かった。ジワジワと伸びるものの、最後は3着ヴァンドギャルドを捉えきれず4着と微妙な結果に終わってしまった。クラシックを戦い抜くにはこれらの競馬でもある程度の結果を残さなければいけないだけに、ある程度の実力が割れて来たという事だろう。
 

東京スポーツ杯2歳ステークス直前

 
勝ってクラシック戦線に乗りたいヴェロックス

勝ってクラシック戦線に乗りたいヴェロックス

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新馬戦の衝撃が未だに忘れられないヴェロックス。2戦目はよもやの敗戦を喫したが、我慢のレースを経験出来たと考えれば捨てたものでは無い。今回は絶好調のリーディングジョッキー、C.ルメールに依頼。追い切りにも跨って既に好感触を得ているとの事。担当助手は『動きも良く、広い東京のコースは合っていると思います』と2勝目に向けて万全の状態で愛馬を送り出す。
 

野路菊ステークス直後

 

2018年9月15日 野路菊ステークス 芝1800m 阪神競馬場

1着:カテドラル 牡2 (福永祐一)
2着:ヴェロックス 牡2 (浜中俊)
3着:モンテアーサー 牡2 (C.ルメール)

レースタイム:1:48.1(良)
レース上がり3ハロン:34.1
勝ち馬上がり3ハロン:34.1
 
スタートを決めるも無理に前は行かず4番手で戦局を見ながらの追走となった1戦。道中はリズム良く外目を走り、4コーナーで逃げ馬カテドラルに馬体を併せて行く理想的な走り。そのまま差し切るかに見えたが、カテドラルの粘り腰が勝り半馬身まで詰め寄るも2着に敗退。思えば新馬戦時とは違いレース前追い切りも動かず、馬体重も減少して臨んだ1戦。これが同馬の実力でないのは明らか、一度立て直しを図りまた強烈なパフォーマンスを見せてもらいたい。
 

野路菊ステークス直前

 
幼さは残すも走りに真面目なヴェロックス

幼さは残すも走りに真面目なヴェロックス

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とにかく新馬戦のパフォーマンスは圧巻のひと言。最後の直線、後続を引き離す時の脚はまさにGⅠクラス、あれがたまたま出来る走りな訳も無く。今回の野路菊Sでは強敵と目されるモンテアーサー、カテドラルとの三つ巴が予想されるも、ここをあっさり勝つ様なら一気にクラシックの最有力候補へ躍り出るだろう。新種牡馬ジャスタウェイ産駒で母父Monsunと異色の組み合わせだが、それだけ未知数のポテンシャルが魅力。金子オーナーにまたしてもダービーの勲章をプレゼントする孝行息子が誕生しそうだ。
 

新馬戦直後

 

2018年08月05日 2歳新馬 芝1800m 小倉競馬場

1着:ヴェロックス 牡2 (浜中俊)
2着:プラネットアース 牡2 (松若風馬)
3着:サトノバリオス 牡2 (M.デムーロ)

レースタイム:1:48.7(良)
レース上がり3ハロン:34.4
勝ち馬上がり3ハロン:34.2
 
外枠から好スタートを切って前へ行くヴェロックス。平均ペースを4番手からいつでも前へ進出出来る抜群の手応えで追走、ペースが上がった4コーナーでスッと逃げ馬に並んで行くと直線入り口で独走態勢へ。そこから軽くGOサインを出されると、粘るプラネットアースを一瞬の内に突き放し次元の違う走りで8馬身差のV。鞍上の浜中俊騎手は『現時点では文句なし、良い出会いになりました』と只々褒めちぎっていた。金子真人オーナーにまたクラシックのタイトルを献上する有力馬が現れた。
 

プロフィール

 
ヴェロックス(セルキス2016)

ヴェロックス(セルキス2016)

牡馬

父馬:ジャスタウェイ
母馬:セルキス
母父:Monsun
所属:中内田充正厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:金子真人ホールディングス

通算成績:9戦4勝(3-3-2-1)
主な戦績:皐月賞2着、日本ダービー3着、菊花賞3着など
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母はドイツ芝2000mの重賞馬で父Monsun、そこにジャスタウェイが配合されたとあれば中長距離砲としての活躍を期待せざるをえない。このヴェロックスは今年のセレクトセールにおいて金子真人氏が約5000万円で落札しているが、氏は金額のレンジとして同額から1億円以内までの購入馬が活躍するケースが多い。そういう意味ではかなりの注目度を集めても良いものだが、如何せん金子真人ホールディングス所有馬はデビューまでほぼ情報が出回らないのが残念。
 

血統背景

 
ジャスタウェイ ハーツクライ サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
アイリッシュダンス トニービン
ビューパーダンス
シビル Wild Again Icecapade
Bushel-n-Peck
シャロン Mo Exception
Double Wiggle
セルキス Monsun Konigsstuhl Dschingis Khan
Konigskronung
Mosella Surumu
Monasia
Schwarzach Grand Lodge Chief's Crown
La Papagena
Schwarzmeer Kings Lake
Sankt Johanna


 

兄弟馬

 
特になし
 

近親馬

 
特になし
 

血統評価:1.0pt

 
ファミリーに日本実績はなく、兄弟も走っていないので血統構成からの強調材料はない。
 

前評判

 
さすがにメディアでもその情報は見ないが、既に入厩しており調教での動きと時計は抜群との噂が流れてはいる。新種牡馬ジャスタウェイは意外に仕上がり早で瞬発力もあり、血統面からズブさが出るかと思いきや早期デビューでも強い勝ち上がりをしている産駒が多い。金子真人氏の神通力でまたしても、代表産駒級の活躍馬が出る可能性は大いにあるだろう。
 

馬名の意味

 

素早い(ラテン語)

 
フットワークか身のこなしが素軽く俊敏性を感じてこのネーミングにしたのだろう。

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