牡馬にも負けない馬体の持ち主
8月の小倉デビューで既に500kg近い馬格を誇るヴィクトリアピース。ヴィクトワールピサ産駒で大柄に出たのは良い傾向だが、走り自体もダイナミックで大物感十分の1頭だ。しっかり休養を取って成長を促し、黄菊賞では更にパワーアップした走りが見られると期待したい。レースは紅一点だが、若駒の現状ならばむしろ牝馬の方が成長も早いと想定して五分の戦いを見せてくれるだろう。
出遅れて大外一気と規格外のV
2018年08月19日 2歳新馬 芝1800m 小倉競馬場
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発馬不良で道中は後方待機を余儀なくされたヴィクトリアピース。それでも、B.アヴドゥラ騎手は落ち着いた騎乗ぶりで3コーナーまではジッと脚を溜める作戦に。そこから徐々に押し上げて行くと、4コーナーで一気にエンジン点火。勢い余って直線入り口では大外に振られてしまったが、グングン追い込んでギルマを鮮やかに差し切りデビュー戦を白星で飾った。幾つもの不利をはねのけて勝ち切る内容は圧巻のひと言。牡馬顔負けとはこういう牝馬を指すのだろう。
まるで男馬の様な見映え
大型で牡馬の様な出で立ちのヴィクトリアピース。ヴィクトワールピサ産駒で走る馬は馬格があってこそで、牝馬なら500kg超えのジュエラーが良い例だろう。その割には動きは機敏でスピード感も十分、唯一の懸念はスタートとその後の行き脚。さすがに先手をスッと取れる程の器用さは無いと見られ、小回りでスローペースになりがちな新馬はそこが勝負の分かれ目となりやすい。上手く発馬が決まればかなりの確率で上位争いを演じてくれるだろう。兄ブラストワンピース以上の活躍に期待したい。
ヴィクトリアピース
今年の日本ダービーで最有力候補として人気の一角を担ったブラストワンピースが半兄にあたるヴィクトリアピース。父がヴィクトワールピサになり、牝馬という事もあってか募集額は1800万円とかなり低評価になっている。が、初年度産駒からブラストワンピースを送り出す辺りの母の繁殖能力はもう少し買って良い。思えば、祖母エラティスからアドマイヤベガ産駒のGⅠ級アルナスラインが出ている事からも突如大物を輩出する下地はあるのだろう。
血統背景
ヴィクトワールピサ | ネオユニヴァース | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
ポインテッドパス | Kris | ||
Silken Way | |||
ホワイトウォーターアフェア | Machiavellian | Mr.Prospector | |
Coup de Folie | |||
Much Too Risky | Bustino | ||
Short Rations | |||
ツルマルワンピース | キングカメハメハ | Kingmambo | Mr.Prospector |
Miesque | |||
マンファス | ラストタイクーン | ||
Pilot Bird | |||
ツルマルグラマー | フジキセキ | サンデーサイレンス | |
ミルレーサー | |||
エラティス | El Gran Senor | ||
Summer Review |
兄弟馬
近親馬
血統評価:1.0pt
ファミリーに日本実績馬はほとんどおらず、母の血統構成もA級種牡馬をキングカメハメハで〆ている血統構成でそこにハービンジャーで兄はいきなり走ったわけだが父がヴィクトワールピサにかわってしまう事とそもそもの母の繁殖ポテンシャルが未知数なので現時点では判断がつかないが当馬が兄に続く活躍をしてくるようであればそれ以降も期待できそう。
前評判
前評判らしい声は余り聞こえないが、血統表を見て分かる様にインブリードにサンデーサイレンスの3×4が発生している。有る種の賭けみたいな掛け合わせにはなるが、爆発力という点においてはかなりのモノを秘めた配合と言えるだろう。そもそもでヴィクトワールピサ自体に安定感が無い分、こういったリスクを犯した産駒の方が合っている様にも思える。母の繁栄力がどこまで通用するか見ものである。
馬名の意味
父名の一部+母名の一部
母のそれとは意味は変わって来るが、勝利のVサイン(ピース)というネーミングだろう。
2着:ギルマ 牡2 (鮫島克駿)
3着:トロハ 牝2 (松山弘平)
レースタイム:1:51.1(良)
レース上がり3ハロン:35.9
勝ち馬上がり3ハロン:35.3