オリオンステークス直前

 
最低の頃と比べると30kg近い差があるルナステラ

最低の頃と比べると30kg近い差があるルナステラ

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やはり馬体がパンとして来た分、末脚の安定感に繋がっている見方が強いルナステラ。デビュー当初はその走りにムラがあったものの、2019年に入ってからの競馬には何の注文も付かないだろう。着実にクラスを勝ち上がって来ており、初の3勝クラスでも頭打ちになる事は先ずない筈だ。決め手勝負も引けを取らない為、今回の1戦で即勝ち上がる可能性も十分考えられる。
 

3歳上2勝クラス直後

 

2019年11月9日 3歳上2勝クラス 芝2000m 東京競馬場

1着:ルナステラ 牝4 (福永祐一)
2着:ジョディー 牝3 (武藤雅)
3着:クリッパー 牝4 (C.スミヨン)

レースタイム:1:59.7(良)
レース上がり3ハロン:34.1
勝ち馬上がり3ハロン:33.5
 
道中はインコースで経済的な進路を取り落ち着いて折り合いに専念したルナステラ。ジョディーが単騎で逃げ前は62秒台近いややゆったりとした流れ。前有利の展開でジョディーの逃げ切り濃厚に思われたが、直線では唯一の上がり33秒台の脚を使って粘るジョディー以下らをまとめて差し切っている。体質が強化された影響か、終いの脚がかなりしっかりして来ており、その分の走り良化で安定した内容が続いているのだろう。
 

3歳上2勝クラス直前

 
馬体も大きくなり450kg台に突入したルナステラ

馬体も大きくなり450kg台に突入したルナステラ

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水面川特別、限界特別と共に僅かの着差で敗戦を喫しているルナステラ。自身も決して見劣りしている訳ではなく、展開や条件のちょっとしたボタンの掛け違いにより勝利を逃しているに過ぎない。そういう意味で、自慢のキレ味が思う存分発揮できる東京競馬場のコースは望むところ。馬体面も明らかにひと頃より大きくなっており、牡馬に負けないパワフルな走りが期待出来るだろう。1つの勝ち星がキッカケで一気にクラスを駆け上がれる素材だけに注目したい。
 

水面川特別直後

 

2019年8月10日 三面川特別 芝1800m 新潟競馬場

1着:レッドラフェスタ 牝4 (M.デムーロ)
2着:アルミレーナ   牝5 (戸崎圭太)
3着:ルナステラ    牝4 (中谷雄太)

レースタイム:1:46.7(良)
レース上がり3ハロン:32.9
勝ち馬上がり3ハロン:32.8
 
スタートしてすぐに控えて中団の位置まで下げたルナステラ。道中は脚を溜めに溜めて直線で爆発させる戦法に出たが、更に前にいたレッドラフェスタが想像を超える上がりで1着で駆けぬけ自身はアルミレーナにも差されてしまい3着に終わった。それでも休養明けでプラス馬体重の中でのこの走りなら十分及第点を与えて良い内容と言えるだろう。2勝クラスなら恐らくすぐに勝ち上がって行けるに違いない。
 

石打特別直後

 
道中は中団のインを追走したルナステラ。新潟の長い直線のため、前半しっかりと我慢して脚を溜めていた。直線に入ると、徐々に進路を外へ出して行って先に抜け出したナルハヤを目標にグングン追い込みにスパート。外からリープフラウミルヒが並びかけ更にもつれ、3頭の叩き合いの末ゴール前でグッともうひと伸びしたルナステラが鮮やかな差し切り勝ちを達成。2戦目で追い出しのタイミングなども完璧だった中谷雄太騎手の好騎乗だろう。
 

土湯温泉特別直前

 
馬体にまだ身が入っておらず、追い出されてもフラフラするルナステラ。血統的にも本格化は古馬になってからと見られ、とにかく今は無理使いせずに1戦1戦を大切に走って行って欲しい。兄スワーヴリチャードは念願のGⅠタイトルを手にしたが、ディープインパクト産駒の同馬もやはり重賞に名を連ねるレベルにまでは上がって行かなければいけない。そういう意味でも500万下はいち早く卒業したいクラス、福島のローカルメンバーなら休み明けでも十分にチャンスはある。鞍上の川又騎手が上手くエスコートしてくれれば問題ないだろう。
 

3歳上500万下直後

 

2018年07月07日 3歳上500万下 芝1600m 中京競馬場

1着:ディメンシオン 牝4 (福永祐一)
2着:ルナステラ 牝3 (川田将雅)
3着:スターリーステージ 牝3 (浜中俊)

レースタイム:1:34.4(重)
レース上がり3ハロン:36.1
勝ち馬上がり3ハロン:35.4
 
終始、逃げ馬スターリーステージを目標に番手でピタリとマークするルナステラ。直線に向いてもそのスターリーステージが内で粘り腰を発揮、それを必死でルナステラが捉えにかかると最後の100mで並んで前に出る態勢に。そのままゴールするかと思われたが、1番人気ディメンシオンが2頭をまとめて差し切り決着に終わった。展開的に足元をすくわれた形で敗戦を喫したが、内容的には同条件で胸を晴れる走り。次回はしっかり勝ち上がれるだろう。
 

3歳未勝利直後

 
ゴール前は流して圧勝したルナステラ

ゴール前は流して圧勝したルナステラ

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前走は番手追走から直線入り口で先頭へ、そのまま早め抜け出しでゴールまで流す競馬を見せたルナステラ。明らかな能力の違いを示し、昇給しても即通用の内容で今後の活躍に弾みを持たせた。しかも、今回牝馬限定戦の500万下でメンバー的にも手薄となれば連勝の可能性は大いに高い。番組こそ違えど、一昨年は中京の同じ500万下を圧勝したヴィブロスがそのままトライアルへ出走、権利を獲った秋華賞で見事戴冠するというスピード出世も能力さえあれば可能な臨戦過程だ。ここは川田将雅騎手が継続騎乗、気合の入った1戦となるだろう。
 

3歳新馬直後

 

2018年1月14日 3歳新馬 芝1600m 京都競馬場

1着:ニホンピロタイド 牡3 (幸英明)
2着:ルナステラ 牝3 (C.ルメール)
3着:フォルシュナイト 牝3 (武豊)

レースタイム:1:37.5(良)
レース上がり3ハロン:35.3
勝ち馬上がり3ハロン:35.0
 
スタートから全く前に進もうとしないルナステラ。終始後方ままの競馬で内回りのレースではほぼお客さん状態だった。しかし、番手から抜け出したニホンピロタイドが万全の競馬で必勝態勢に入った直線半ば、大外からとてつもない勢いで追い込んだ1頭がそのルナステラだった。他馬が止まって見える様な末脚でゴール前で半馬身差まで詰め寄る驚愕のレース内容を披露。思えば兄スワーヴリチャードもデビュー戦では全く同じ競馬で2着に敗戦しているのが記憶の中で鮮明に蘇った。
 

3歳新馬直前

 
雰囲気のある姿で注目を浴びるルナステラ

雰囲気のある姿で注目を浴びるルナステラ

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牝馬という事もあり、普段から落ち着いた様子でトレセンでの日々を過ごすルナステラ。兄のスワーヴリチャードは新馬戦から立ち回りで不器用な面を見せていたが、その点同馬はセンスの良い走りをしてくれそうなイメージが湧く。ディープインパクト産駒の牝馬、マイル戦は絶好の舞台とも言え強敵もいないメンバー構成のここは初戦から鮮やかに勝利を飾りたい所だ。勝てば桜花賞の舞台に出るチャンスは残されている。
 

ルナステラ

 
ルナステラ(ピラミマ2015)

ルナステラ(ピラミマ2015)

父馬:ディープインパクト
母馬:ピラミマ
母父:Unbridled's Song
所属:石坂正厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:シルクレーシング

通算成績:12戦2勝(3-5-2-2)
主な戦績:3歳上2勝クラスなど
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見事なまでに無駄の無い惚れ惚れする馬体。“ザ・ディープ”と言わんばかりの柔らかそうな筋肉が豊富な瞬発力を物語っている。バンドワゴンからスワーヴリチャードと種牡馬のレベルが上がるにつれ産駒の質が向上。母の繁栄力とディープインパクトの配合を鑑みて走らない産駒が出るとは到底考えにくい。品のある顔つきと言い、間違いなく重賞級のポテンシャルがある1頭だろう。馬体重は春の取材時点で458kg。
 

血統背景

 
ディープインパクト サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
ウインドインハーヘア Alzao Lyphard
Lady Rebecca
Burghclere Busted
Highclere
ピラミマ Unbridled's Song Unbridled Fappiano
Gana Facil
Trolley Song Caro
Lucky Spell
キャリアコレクション General Meeting Seattle Slew
Alydar's Promise
River of Stars Riverman
Star Fortune


 

兄弟馬

 
バンドワゴン(ピラミマ2011)

バンドワゴン(ピラミマ2011)

牡馬

父馬:ホワイトマズル
母馬:ピラミマ
母父:Unbridled's Song
所属:石坂正厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:馬場幸夫

通算成績:13戦4勝 (4-1-0-8)
主な戦績:但馬ステークスなど
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スワーヴリチャード(ピラミマ2014)

スワーヴリチャード(ピラミマ2014)

牡馬

父馬:ハーツクライ
母馬:ピラミマ
母父:Unbridled's Song
所属:庄野靖志厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:NICKS

通算成績:16戦6勝(6-3-4-5)
主な戦績:ジャパンカップ、大阪杯、日本ダービー2着など
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近親馬

 
特になし
 

血統評価:3.3pt

 
血統背景としては、日本活躍馬はまわりにいないが、兄弟の安定感は抜群で全馬2勝以上でPOG期間の重賞クラスも複数だしているのでPOG向きな母の初ディープインパクト産駒という事でおすすめの1頭である。
 

前評判

 
『カイバ食いが少し細く、もう少し大きくなったら次の段階へ進む予定です。雰囲気はまさにディープインパクト産駒といった感じで、品のある顔つきも含めて走りそうですね。秋のデビューを目指してじっくり進めて行きたいと思います』との事。兄スワーヴリチャードが果たせなかったクラシック制覇のバトンは妹に託された。
 

馬名の意味

 

月(ラテン語)+星(ラテン語)

 
母名より連想。ピラミマはアボリジニ語で“月と星”という意味。

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