故障で無念のリタイア…
2015年クラシックの最有力候補で皐月賞と菊花賞2着、その翌年にはドバイターフをR.ムーア騎手と共に鮮やかな差し切り勝ちで勝利したリアルスティール。以降もGⅠ戦線で活躍、長く競馬ファンから愛された同馬が脚部不安と高齢が原因で引退を発表した。今後は社台スタリオンステーションで種牡馬入り、“ディープインパクト×Storm Cat”という良血を武器にその豊かな能力をしっかりと受け継いだ産駒を多く輩出してくれる事だろう。主な勝鞍はドバイターフ、毎日王冠、共同通信杯と見事に1800m戦に限られた非根幹距離馬だ。
ドバイターフで念願のGⅠ初制覇
2016年03月26日 ドバイターフ 芝1800m メイダン競馬場
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名手R.ムーア騎手を迎えて臨んだ2016年ドバイターフ。道中、絶好位の先行集団を気持ち良く追走すると4コーナーで外目からジワジワと進出。逃げ粘るベリースペシャルを早めに捉えると、そこから単独先頭で鞍上の激しい追いに応えて1着を死守する走り。得意の1800mでポテンシャルが全開され、ムーア騎手の完璧なエスコートと共に世界有数のGⅠを見事獲得した。国内では歯痒い成績が続いていたが、これで晴れてトップランカーの仲間入り。リアルスティールの名前を海外に知らしめる1戦となった。
リアルスティール
近親にあのキングマンボがいる血統、即ち世界的名牝ミエスクを牝系に持つトップクラスの良血馬リアルスティール。その血に違わぬ走りで3歳時はクラシック戦線を牽引。しかし、ドゥラメンテやキタサンブラックなどの怪物を相手に惜敗が続いてタイトルには手が届かなかった。実績から3000mまで距離適性はあるかに思われているが、実際に勝利した4勝は全て1800mと不器用な面も多かった同馬。それが産駒にどう影響するかは未知数だが、気性含めて安定した繁殖成績を臨むのはどうだろう。
血統背景
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
ウインドインハーヘアー | Alzao | Lyphard | |
Lady Rebecca | |||
Burghclere | Busted | ||
Highclere | |||
ラヴズオンリーミー | Storm Cat | Storm Bird | Northern Dancer |
South Ocean | |||
Terlingua | Secretariat | ||
Crimson Saint | |||
Monevassia | Mr.Prospector | Raise a Native | |
Gold Digger | |||
Miesque | Nureyev | ||
Pasadoble |
兄弟馬
近親馬
強敵揃いの同世代
この豪華メンツを考えれば産まれた年が悪かったとしか言い様が無い。皐月賞でドゥラメンテに、菊花賞でキタサンブラック、天皇賞秋ではモーリスの後塵を拝し2着に敗れて国内GⅠのタイトルを逃し続けたリアルスティール。正直、違う世代だったならもう1つや2つは勲章が増えていたのかも知れない。それでも、これらを相手に春のクラシックは堂々の主役候補だったのだからその潜在能力はやはり確か。
血統評価:1.5pt
ミエスク一族で、ヌレイエフにミスプロ、ストームキャットにディープインパクトと最上級の配合。血統構成としてはこれ以上ない上書きの血統だろう。結果的には、現時点では、彼が一番結果を出しているが種牡馬としては、配合出来る相手が限られる中で血統力でどこまで結果をだせるかが注目である。
馬名の意味
アメリカのSFアクション映画名
2011年に公開されたヒュー・ジャックマン主演のSF映画からのネーミング。こういった馬名でもカッコよく感じるのはサンデーレーシングの勝負服のお陰でもある。
2着:ユーロシャーリーン 牝5 (L.デットーリ)
3着:トリスター セ5 (W.ビュイック)
レースタイム:1:47.13(良)
レース上がり3ハロン:不明
勝ち馬上がり3ハロン:不明