社台グループの大物種牡馬導入

 
社台グループを率いる吉田照哉氏

社台グループを率いる吉田照哉氏

via google imghp
 
これまでノーザンテースト、トニービン、サンデーサイレンスと日本競馬の礎を築き上げた超大物種牡馬たちを日本に輸入してはその繁栄に努めて来た社台グループ。結果として、日本の競走馬のレベルが飛躍的に進化し、今では海外の大きなレースで縦横無尽に活躍している事が最たる証拠だろう。その先陣を切って引っ張って来たのが、吉田善哉氏の長男で社台グループの代表でもある吉田照哉氏。その氏のお眼鏡にかなった、社台の今後を担う種牡馬が来春に輸入される見込みだ。
 
2019年の目玉としてマインドユアビスケッツも輸入

2019年の目玉としてマインドユアビスケッツも輸入

via google imghp
 
その前に今年注目が高かったマインドユアビスケッツ。成績にムラはあったものの、ハマった時の破壊力は相当なモノがあった1頭で、2017・2018年のドバイゴールデンシャヒーンを連覇する他、スプリント路線で長く活躍したアメリカのGⅠホースである。こちらは完全なダート馬である事から、社台グループ自体がダート戦線の活躍馬輩出に重点を置く意図が見て取れる。ダート競走もかなり充実して来ている事から、今まで以上に賞金を稼ぐ上で必要不可欠な補強ポイントと言えるだろう。
 

ブリックスアンドモルタル

 
Bricks and Mortar(Beyond th...

Bricks and Mortar(Beyond the Waves2014)

牡馬

父馬:Giant's Causeway
母馬:Beyond the Waves
母父:Ocean Crest
所属:Chad C.Brown厩舎(米)
生産:George Strawbridge Jr.(米)
馬主:Klaravich Stables Inc. and William H.Lawrence

通算成績:12戦10勝(10-0-2-0)
主な戦績:ペガサスワールドカップターフ、アーリントンミリオンなど
via google imghp
 
今年の1月に行われたペガサスワールドカップターフで初GⅠを制した後、ターフクラシックステークス、マンハッタンステークス、アーリントンミリオンと芝の主要タイトルを4連勝しているブリックスアンドモルタル。アメリカのターフ路線では最も勢いのある1頭と言っても過言ではなく、父がGiant's Causewayと日本競馬でも活躍傾向のある血統だ。吉田照哉氏が目を付け、現役中に引退後の権利を購買するという異例の取り引きで本馬を日本へ輸入する予定となっている。

本馬自体、年内はまだレースに出走する見込みで今後の最大目標はブリーダーズカップとの事。このまま快進撃を続けて無敗のままビッグタイトルを獲得すれば、来年以降の種牡馬としての価値は益々上がる事となる。ディープインパクト、キングカメハメハの2大巨頭が居なくなった今、また新しいトレンドとなる血を求める度は続いて行くのだろうか。
 

サンデーサイレンスを輸入した第一人者

 
種牡馬として日本競馬の一時代を築いたサンデーサイレンス

種牡馬として日本競馬の一時代を築いたサンデーサイレンス

via google imghp
 
米2冠馬サンデーサイレンスを購入したキッカケを作ったのが吉田照哉氏とも言われている。父である善哉氏が目を付け交渉までのプロセスを照哉氏が請け負ったとし、今の社台の地位を築き上げたのはこの二人の功労によるものと言っても良いだろう。ちなみに、サンデーサイレンス自体はアメリカで活躍したものの父系に人気が無く種牡馬としては期待されていなかったのだとか。飛節も曲がり、とてもではないが姿形の良い仔を産むのは難しいだろうという評価に留まっていたらしい。

しかしながら、吉田照哉氏が『走る馬は走る。良い馬に良い馬を付けるだけ。難しく考える必要は無い』という持論の元で輸入の強硬策に押し切ったサンデーサイレンスは、もはや言うまでもなくこれまでの日本競馬の記録を次々と塗り替える歴史的な繁栄を見せたのである。
 

まとめ

 
以上、吉田照哉氏のブリックスアンドモルタル購入まとめ。

今後の活躍次第では更なる注目を集めて来そうなブリックスアンドモルタル。とは言え、既に血統的には日本で活躍するだけの下地は十分に揃っており、実績もこれ以上積み上げなくとも十分過ぎる程。現役中は所有権が元のオーナーにあるだけに、ブリーダーズカップへ進む事を否定するのは出来ないが、購入した以上は何より怪我だけしない様にして欲しいと願うばかりである。

久々に大物種牡馬を購入したとあらば、ディープインパクトとキングカメハメハの後釜を探す事に奔走しなければならないのが社台グループの使命。その大きな仕事を背負って立つだけの気概がブリックスアンドモルタルにあるのかは、これからの動向に注目して見定めて行きたい。

関連記事

関連タグ

著者