オーロカップ直前
トゥザクラウンが覚醒したと言っても良いレースは1000万下で行われた1戦。現3勝クラスのオールザゴーをほぼ馬なりで5馬身差で突き放したパフォーマンスはまさに圧巻の内容だった。その後も、京王杯スプリングカップではレコード勝ちし後のGⅠ馬となるタワーオブロンドンと0秒1差の大接戦を演じている。つまり、トゥザクラウンの勇躍する舞台は東京コースの1400mなのだろう。それを逆算してスワンステークスではやや太め残りで出走させた池江泰寿厩舎の計算も実に強かである。オーロカップは確勝級か。
スワンステークス直前
2016年にデビュー以降、ノドの手術などで大成が遅れたトゥザクラウン。それでも陣営は懸命に本馬の調整を続け、ようやく3年の時を経てオープンクラスまで駆け上がって来たのである。兄達とはまた種類の違う、前進気勢の強い短距離型となっているが持っているポテンシャルはさすがのひと言。1400mまでならかなりのスピードで飛ばしても最後まで脚が止まる事はほぼ無いだろう。後はスタートさえ決められれば、重賞でもある程度戦える筈だ。
安土城ステークス直後
2019年5月26日 安土城ステークス 芝1400m 京都競馬場
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ポンっとスタートを切ったトゥザクラウン。ハナを切る勢いだったが、外からツーエムマイスターが強引にハナを奪ってやや速い流れで展開した1戦。直線に向いて番手からいつもの如く抜け出すかに思われたが、何と全く伸びる気配もなくズルズルと後退して行った。気が付けば13頭中13着とよもやのシンガリ負け。ハイペースとは言え、これまでのレースを見返しても無理なレース展開ではない。考えるとしたら、京王杯スプリングカップのレコード決着から中2週の過酷なローテーションから来るものだろう。
安土城ステークス直前
安土城ステークスはハンデ戦、最軽量が48kgでトップハンデは56kg。気になるトゥザクラウンは55kgでまぁまぁの斤量か。それでも馬格が500kg以上を優に超え、短距離戦という事もありそこまで気にする必要はないだろう。今の高速馬場の京都は、先行して押し切る同馬のスタイルにはピッタリの条件。スタートさえ決まれば後は自ずとスピードに任せて逃げるも良し、番手から抜け出すも良し。秋以降の競馬を考えればここで足踏みはしていられない。
京王杯スプリングカップ直後
2019年5月11日 京王杯スプリングカップ 芝1400m 東京競馬場
1着:タワーオブロンドン 牡4 (D.レーン)
2着:リナーテ 牝5 (武豊)
3着:ロジクライ 牡6 (戸崎圭太)
レースタイム:1:19.4(良)※レコード
レース上がり3ハロン:33.9
勝ち馬上がり3ハロン:33.1
2着:リナーテ 牝5 (武豊)
3着:ロジクライ 牡6 (戸崎圭太)
レースタイム:1:19.4(良)※レコード
レース上がり3ハロン:33.9
勝ち馬上がり3ハロン:33.1
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好発から道中は3番手を追走したトゥザクラウン、レースの流れに乗ってスムーズなレース運びを見せた。早めに仕掛けて行って、直線入り口では早々に先頭に立つ競馬で勝ちを意識した走り。残り100mまではそのリードを死守するも、最後の最後にタワーオブロンドンなどの後続に差し切られて4着に惜敗。とは言え、自身も速いタイムで走破、初重賞挑戦という意味では十分に納得のできるパフォーマンスだったのではないだろうか。
京王杯スプリングカップ直前
遂にトゥザ一族の大物クラウンが覚醒の時を迎える。喉の手術を乗り越え、デビュー前から期待の大きかった本馬がいよいよ重賞の舞台に駒を進めて来た。距離短縮と福永騎手への乗り替わりが見事マッチし、馬の潜在能力を引き出す事に成功。スタートからある程度行き切って、最後の直線粘る所まで粘り込むスタイルが今は良さそう。今回もメンバー如何に関わらず、自分の競馬に徹して勝負して欲しい。
大阪ハンブルクカップ直後
2019年4月7日 大阪ハンブルクカップ 芝1400m 阪神競馬場
1着:トゥザクラウン 牡5 (福永祐一)
2着:ヤマカツグレース 牝5 (池添謙一)
3着:タイキサターン 牡4 (北村友一)
レースタイム:1:20.5(良)
レース上がり3ハロン:35.9
勝ち馬上がり3ハロン:35.9
2着:ヤマカツグレース 牝5 (池添謙一)
3着:タイキサターン 牡4 (北村友一)
レースタイム:1:20.5(良)
レース上がり3ハロン:35.9
勝ち馬上がり3ハロン:35.9
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スタートして直後、外からグランドロワがハナを主張した際に一旦は退いたトゥザクラウン。しかし、スイッチが入ってしまったのかグッとハミを取って前に行く姿勢を見せた。その際に福永騎手は無理に抑えずハナを奪い返した形でレースを進めて行った。前半33秒1のハイペースを自ら作り、そのまま直線での粘り込みへ。さすがに最後は脚が上がっていたが、それでも後続を寄せ付けない走りで鮮やかに2連勝を飾った。前走よりタイムは劣るが、自分でレースを作っている分こちらの方が価値は高い。
大阪ハンブルクカップ直前
改めて前走の走りを見直してもため息がでるばかり。番手から抜け出して軽く追われただけで別次元の伸び、最後まで突き放す一方の好時計と文句の付け所がないパフォーマンス。コースレコードにあと僅かと、普通に考えれば重賞でも即通用する内容だった。コースが変われど、距離も騎手も同じならそうそう走りの質は落ちないと見てここは連勝を飾ると判断する。
4歳上1000万下直後
2019年2月3日 4歳上1000万下 芝1400m 東京競馬場
1着:トゥザクラウン 牡5 (福永祐一)
2着:オールザゴー 牡5 (武豊)
3着:メモリーコロネット 牝4 (蛯名正義)
レースタイム:1:19.6(良)
レース上がり3ハロン:34.5
勝ち馬上がり3ハロン:34.1
2着:オールザゴー 牡5 (武豊)
3着:メモリーコロネット 牝4 (蛯名正義)
レースタイム:1:19.6(良)
レース上がり3ハロン:34.5
勝ち馬上がり3ハロン:34.1
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好スタートから一旦控えたトゥザクラウン。オルレアンローズが作る速い流れを離れた番手で単独の追走となった。直線早々に前を捉えると、追われて一気に加速し後続をあっという間に置き去りにする走りでゴール。気が付けば2着オールザゴーに5馬身差、コースレコードに0.1秒差という驚異的な内容で4勝目を飾った。最後の1Fに12秒0を足しても、同日行われた東京新聞杯より速い。急な覚醒もまた良血馬の成長に対する曲線の描き方なのだろう。一気に重賞制覇も見えて来た。
3歳上1000万下直後
2018年11月24日 3歳上1000万下 芝1600m 京都競馬場
1着:エントシャイデン 牡3 (福永祐一)
2着:エアアルマス 牡3 (川田将雅)
3着:メイショウオーパス 牡3 (武豊)
レースタイム:1:33.5(良)
レース上がり3ハロン:34.3
勝ち馬上がり3ハロン:33.3
2着:エアアルマス 牡3 (川田将雅)
3着:メイショウオーパス 牡3 (武豊)
レースタイム:1:33.5(良)
レース上がり3ハロン:34.3
勝ち馬上がり3ハロン:33.3
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11月の宝ヶ池特別とこの1000万下の2戦はあのモレイラが騎乗。いずれも積極的に前を取りに行く競馬を見せるも、直線で伸びあぐねてしまい4、5着と微妙な結果に終わってしまっている。これまでの3勝はいずれも逃げか後方一気の競馬で勝利しているだけに、もしかすると極端な競馬の方がポテンシャルが引き出されるのかもしれない。今回は久々にC.ルメール騎手が鞍上となるが、昨年最多勝記録を更新した手腕をとくと拝見しようではないか。祇園特別をお見逃し無く。
葉山特別直後
2018年05月26日 葉山特別 芝1600m 東京競馬場
1着:トゥザクラウン 牡4 (H.ボウマン)
2着:アオイシンゴ 牡4 (内田博幸)
3着:シンギュラリティ 牡4 (戸崎圭太)
レースタイム:1:34.3(良)
レース上がり3ハロン:33.1
勝ち馬上がり3ハロン:33.1
2着:アオイシンゴ 牡4 (内田博幸)
3着:シンギュラリティ 牡4 (戸崎圭太)
レースタイム:1:34.3(良)
レース上がり3ハロン:33.1
勝ち馬上がり3ハロン:33.1
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葉山特別では好スタートから逃げの戦法を取ったトゥザクラウン。上手くスローペースに落とし込んで脚を溜められ、直線で瞬発力が問われる1戦となった。後続もマークがきつく最後の最後までもつれるレースだったが、かろうじてハナ差残しきったトゥザクラウンが2番人気に応える勝利を飾った。そこから約半年ぶりの実戦復帰となるが、クラス編成の影響で再び1000万下での1戦。ここはモレイラ騎手が上手くエスコートし連勝と行きたい。
鎌ヶ谷特別直後
2018年03月17日 鎌ヶ谷特別 芝1600m 中山競馬場
1着:ショウナンアンセム 牡5 (吉田隼人)
2着:トゥザクラウン 牡4 (M.デムーロ)
3着:シャララ 牝5 (石橋脩)
レースタイム:1:34.4(良)
レース上がり3ハロン:35.3
勝ち馬上がり3ハロン:34.8
2着:トゥザクラウン 牡4 (M.デムーロ)
3着:シャララ 牝5 (石橋脩)
レースタイム:1:34.4(良)
レース上がり3ハロン:35.3
勝ち馬上がり3ハロン:34.8
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スタートはやや立ち遅れ気味も、すぐにリカバリーして先行集団の一角へ。人気のショウナンアンセムをマークする形で進め4コーナーでは並びかける勢いで直線コースへ。さすがに前半の力みが影響したのか、逆に最後は突き放される結果で2着に負けてしまったトゥザクラウン。とは言え、以前よりもレースぶりに安心感があり1000万クラスなら近々の勝ち上がりも濃厚か。初の東京コースとなる今回の葉山特別で早速勝利し、いち早くオープン入りに王手をかけたい。
ドンカスターカップ直後
2017年11月12日 ドンカスターカップ 芝1600m 京都競馬場
1着:グレイスミノル 牝5 (和田竜二)
2着:トゥザクラウン 牡3 (R.ムーア)
3着:デリスモア 牝3 (四位洋文)
レースタイム:1:34.6(良)
レース上がり3ハロン:36.2
勝ち馬上がり3ハロン:35.0
2着:トゥザクラウン 牡3 (R.ムーア)
3着:デリスモア 牝3 (四位洋文)
レースタイム:1:34.6(良)
レース上がり3ハロン:36.2
勝ち馬上がり3ハロン:35.0
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逃げ馬が大きく後続を引き離し、少頭数ながら縦長の隊列で仕掛けるポイントが読みにくいレースとなった。結局、先行集団の先頭で番手追走のグレイスミノルがそのまま徐々に進出すると出し抜けを図る形で粘り込んでの勝利。トゥザクラウンも最後は必死で追い込んだが、前半のポジショニングが災いして僅かに差しきれない取りこぼしの1戦となった。なので今回は余計に力が入るレースとなるだろう。
寺泊特別直後
2017年10月15日 寺泊特別 芝1600m 新潟競馬場
1着:トゥザクラウン 牡3 (鮫島克駿)
2着:ダノンディーヴァ 牝3 (津村明秀)
3着:エイシンスレイマン 牡3 (勝浦正樹)
レースタイム:1:32.8(良)
レース上がり3ハロン:34.6
勝ち馬上がり3ハロン:33.2
2着:ダノンディーヴァ 牝3 (津村明秀)
3着:エイシンスレイマン 牡3 (勝浦正樹)
レースタイム:1:32.8(良)
レース上がり3ハロン:34.6
勝ち馬上がり3ハロン:33.2
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好スタートを切るも、鞍上はあえて押さえ込み後方へ。陣営の意図としても前走の末脚を見込んで、追い込み策に決め込んだレース運びだったのだろう。それに応えるかの様にして直線は外からジワジワと伸び、先に抜け出したダノンディーヴァを捉えると最後は叩き合いを制しての連勝。タイムも500万下で32秒台、上がりも33秒前半と出色のタイムを記録。次走も同様のレース内容で3連勝出来たすればまさに本物か。中央の舞台に戻って飛躍するチャンスを待つ。
3歳未勝利直後
2017年09月09日 3歳未勝利 芝1600m 阪神競馬場
1着:トゥザクラウン 牡3 (北村友一)
2着:ラーゴブルー 牝3 (福永祐一)
3着:メイショウランボ 牡3 (秋山真一郎)
レースタイム:1:34.1(良)
レース上がり3ハロン:35.3
勝ち馬上がり3ハロン:34.4
2着:ラーゴブルー 牝3 (福永祐一)
3着:メイショウランボ 牡3 (秋山真一郎)
レースタイム:1:34.1(良)
レース上がり3ハロン:35.3
勝ち馬上がり3ハロン:34.4
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やや出負け気味にスタートを切ったトゥザクラウンだったが慌てずに後方を追走。多頭数で縦長の展開となり直線に入る時は圏外の位置にいた同馬だったが、そこから驚異的な脚を使って追い上げる。先に抜け出した1番人気ラーゴブルーを坂上で捉えると、更に突き放す強い内容で待望の初勝利を挙げた。まだ走りには硬さが見られ完調とまでは行かないまでも、このパフォーマンスを常に出せるなら昇級後も十分に戦えるのではないだろうか。トゥザ一族末裔の逆襲が始まる。
3歳未勝利直前
その輝かしい血統構成が嘘かの様に成績が奮わない。原因はノド鳴りと言って、いわゆる呼吸障害の1つ。鼻から呼吸をする馬にとっては呼吸が何かしらの影響で遮られる事は命そのものにも関わる話。その為、屈腱炎と共にこのノド鳴りは致命的な病気とも言われており、能力を回復する事はかなり困難な道程となるだろう。それでも日本を代表する池江泰寿厩舎がターフに送り込むのだから大丈夫なのだろう。今度こそはしっかりと1着でゴール板を駆け抜けて欲しい。
長期休養から帰厩
遂にトゥザクラウンがカムバック。昨年10月の新馬戦で大敗後、持病のノド鳴りが悪化し暫く戦列から離れていた同馬。ようやくその症状もおさまり、実戦復帰出来る状態まで漕ぎ着ける事が出来た模様だ。レース前の追い切りでは新馬前のそれとは全くの別物の動きを披露していた。“キングカメハメハ×トゥザヴィクトリー”は未出走に終わったディナシー以外、全て4勝以上を誇る鉄板配合。今回、無事に勝ち上がれる事が出来れば遅れて来た大物がタイトル獲得へ向けて一歩ずつ階段を上がって行く事になるだろう。
トゥザクラウン
牧場内の数ある良血馬の中でもひと際目を引く好馬体。筋肉隆々で全体的に頑丈そうな作りは、馬群を割って突き抜けるタフな競馬でも対応してくれそうでクラシックの様な混戦には持って来い。実際に、「調教を重ねる毎に逞しさが増し、トモに力が付いて来て重心の低い走りをしています。体が絞れて来てもカイバ食いも良いですし、操縦性も高くまさに優等生タイプです」との事。ここまで、一度も調教を休んだ事が無いそうで、順調に行けば夏の札幌開催を目標に進められて行く予定。馬体重は520kg前後。
血統背景
キングカメハメハ | Kingmambo | Mr.Prospector | Raise a Native |
Raise You | |||
Miesque | Nureyev | ||
Pasadoble | |||
マンフィス | ラストタイクーン | トライマイベスト | |
Mill Princess | |||
Pilot Bird | Blakeney | ||
The Dancer | |||
トゥザヴィクトリー | サンデーサイレンス | Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
フェアリードール | Nureyev | Northern Dancer | |
Special | |||
Dream Deal | Sharpen Up | ||
Likely Exchange |
兄弟馬
近親馬
血統評価:5.2pt
Nureyevが斧系の切れ味で先行してもスピードだせるのでこの血統の馬は、これがモロに伝わっている。フェアリードール族は、コンスタントに活躍馬を出して勢力を伸ばしており、その中でも一番結果を出したトゥザヴィクトリー母父サンデーサイレンスという超良血でキングカメハメハとその他種牡馬での産駒に明確に差がでてしまっている。今回はキングカメハメハ産駒。そして牝馬より牡馬の方が結果をだしている。しかしながら母トゥザヴィクトリーも兄トゥザワールド、トゥザグローリーもG1取りこぼす事が多く唯一の血統傾向不安材料だろうか。
前評判
ノーザンファーム早来の厩舎長が「現時点のウチのNo.1です」と言い切る好素材。全兄弟に重賞5勝のトゥザグローリーや皐月賞で2着に入ったトゥザワールドがいる超良血馬だ。歴代では最もキレがありそうなタイプと言われており、その兄弟の中で一番馬と言われている。兄達の果たせなかった待望のクラシック制覇がこの馬で実現する可能性も高い。
馬名の意味
栄光に向かって
タイトルの獲得を願って命名。この一族は母からの連想で「To the~=~に向かって」というパターンが多いが、正直何を付けても響きがカッコいい。+要素の強い英単語を組み合わせれば、先ず間違いなく走る馬の様な雰囲気の馬名になるので絶大な安心感がある。
2着:リバティハイツ 牝4 (藤岡佑介)
3着:リライアブルエース 牡6 (中谷雄太)
レースタイム:1:19.6(良)
レース上がり3ハロン:34.3
勝ち馬上がり3ハロン:33.7