ディープインパクト産駒のGⅠ馬
海外のドバイシーマクラシックも含め、ディープインパクト産駒ではダントツの7勝を誇るジェンティルドンナ。特に3歳時に見せたジャパンカップでのオルフェーヴルとの激闘は未だに忘れる事が出来ません。そのほか、牝馬三冠ではヴィルシーナとのライバル争い、有終の美を飾った有馬記念など、その成績以上に人々を魅了し続けた本当にファンの多い名馬でしたね。繁殖牝馬として、自身以上の産駒を出して欲しいと願うばかりです。
セレクトセールで2億4000万円もの落札額で購入されたサトノダイヤモンド。デビュー前からその注目度は異常なまでに高かったのですが、それ以上の活躍で3歳時に菊花賞と有馬記念を制した逸材です。その後、海外遠征を期に調子を落としてしまい活躍は続きませんでしたが、まさに理想とも言うべき馬の完成度は本馬以上のデキを見た事がありません。誰しもが惚れ惚れする様な馬体と身のこなし、走法などは他の追随を許さない存在だったと思います。
牝馬ながらジャパンカップを制した古豪、3歳時には秋華賞も勝利しており牡馬顔負けのGⅠ2勝を誇るショウナンパンドラ。その差し脚はハマれば他馬が止まって見える程で、瞬発力という点においては過去のディープインパクト産駒の中でもトップクラスの持ち主でしょう。母系は名牝ゴールデンサッシュ系の出自で、自身もきっと繁殖牝馬として多数の活躍馬を出してくれるに違いありません。
短距離戦線で長く活躍したミッキーアイル。マイルGⅠを2勝とディープインパクト産駒にしてはスピードが勝ったタイプの競走馬でしたが、やはり何と言ってもその先行力が魅力の1頭。母系のステラマドリッド一族からは他にもアエロリット、ラッキーライラックなどの屈強なマイラーが揃っているため、母型の血が色濃く遺伝した結果だったのでしょう。自身も種牡馬として、スピード色豊な快速馬を多く産んでくれそうな予感がします。
2016年の日本ダービー馬マカヒキ。同年に凱旋門賞へもチャレンジした名馬ですが、そこをキッカケに調子を崩してしまってなかなか全盛期の頃の走りを見られないでいます。とは言え、掲示板争いを繰り返す内に賞金はそこそこ稼いだ様で、GⅠ1勝ながらディープインパクト産駒の中では賞金順で5傑に入っております。ディープインパクトが死んだ以上、金子ブランドの牡馬では本馬が正当な後継種牡馬となるのでしょうか。
皐月賞、大阪杯と2000mのGⅠを2勝しているアルアイン。中距離のスペシャリストですが、マイルから長距離まで対応できるオールラウンダー的なキャラクターでもあります。ディープインパクト産駒の割には瞬発力が無いタイプで、どちらかと言えばハイペースや重馬場などのタフな競馬で本領を発揮する1頭。その分、競走生活も長く馬主にとっては孝行息子的な立ち位置でしょうか。
オークス、秋華賞を制したミッキークイーン。その後も、ヴィクトリアマイル2着、エリザベス女王杯や宝塚記念で3着など長く牡馬とも混じって戦った女傑です。安定した末脚で展開や条件に関係なく、ゴール前では常に上位争いに加わる走りは非常に頼もしい存在でした。惜しむらくは、主戦が浜中俊騎手で無ければ恐らくもっとGⅠを勝てたのではと思わされる1頭。
獲得したGⅠはマイルチャンピオンシップ1勝のダノンシャーク。しかし、2歳デビューから7歳で引退する5年間、ほぼ長期的な休養は無しでコンスタントに走り続けた“無事是名馬”の代表馬でしょう。マイル路線を中心に重賞を3勝、約5億近い賞金を稼ぎ出した実に馬主孝行な競走馬人生を歩んでいます。ちなみに、本馬はセレクトセールで3150万で落札。こんな馬と巡り逢いたいものです。
ディープインパクト産駒の晩期で最も印象深いのはやはりキズナでしょうか。武豊騎手の復活劇、漆黒の馬体に飛びの大きい父と似た走法など、当時はテレビの密着取材まであった程の話題性に富んだ1頭です。15歳上にGⅠ2勝をあげたファレノプシスがいる血統馬で、ディープインパクト×Storm Catの黄金配合の基礎を築き上げたパイオニアでもあります。新種牡馬として初年度産駒からいきなり重賞ウィナーを輩出。
2013年のマイルチャンピオンシップ馬であり、天皇賞春でも2着に入ったトーセンラー。短距離から長距離まで幅広くこなし、安定した末脚で活躍した1頭です。アメリカのGⅠ馬で種牡馬入りしたFlower Alleyの半弟という良血も買われ、引退後は種牡馬として活躍。初年度から無敗の3連勝でプリンシパルステークスを制したザダルなどをターフに送り込んでいます。
2013、2014年のヴィクトリアマイルを連覇したヴィルシーナ。同世代にジェンティルドンナという怪物がいた為に、自身は3歳時のクラシック三冠を全て2着という不運な星の下に生まれた競走馬でもあります。弟シュヴァルグラン、妹ヴィブロスが立て続けにGⅠ馬になるなど、一族の勢いは現在No.1クラスのファミリーで、自身も繁殖牝馬としての資質を高く評価されています。今後の産駒に期待したいですね。
6歳にして安田記念を制覇したサトノアラジン。デビュー前から期待された超良血で、サトノダイヤモンドまでは行かずとも自身もセレクトセールで1億円を超えた高額取引馬です。自身の適性を考えても、思い返せばクラシック戦線には不向きであった為、若駒の時はろくに結果が出なかったのも仕方ありません。徐々に短距離路線へシフトチェンジし、長いトンネルを潜り抜けて引退前にひと花咲かせた苦労馬でもありますね。
日本ではGⅠにあと一歩届きませんでしたが、ドバイターフで念願のタイトルを獲得したリアルスティール。祖母MonevassiaはあのKingmamboの全妹にあたる世界的名血で、その系譜はNureyev→Mr.Prospector→Storm Catと豪華過ぎとも言うべき種牡馬の代重ねで構成されています。そこにディープインパクトを掛け合わせた本馬が種牡馬で失敗するとは到底考えられません。真の後継種牡馬は、キズナでもサトノダイヤモンドでもなく、このリアルスティールではないでしょうか。
古馬になってから大成したマリアライト、宝塚記念ではあのドゥラメンテとキタサンブラックを破っての制覇だけに相当なポテンシャルを秘めた1頭だったのでしょう。母クリソプレーズは、キャサリーンパーの血を受け継ぐ繁栄ファミリーの出自で、本馬の他にもクリソライト、クリソベリルに、リアファルといったGⅠクラスの馬を何頭も輩出しています。よって、このマリアライトも繁殖として成功する可能性は非常に高く、自身を超える大物を出してくれる事を期待したいですね。
記念すべきディープインパクトの初年度産駒リアルインパクト。3歳時に安田記念へ果敢にも挑戦し重賞未勝利の身ながら見事にタイトル制覇を成し遂げた1頭です。その後も堅実に走り続け、7歳時にはオーストラリアに遠征し現地のGⅠジョージライダーステークスを制するなど、如何なる条件下でも能力を発揮するタフな精神力を持ち合わせた競走馬でした。種牡馬としても仔出しが良いとの評判で、2019年の初年度も滑り出しは好調の様です。
2018年のダービー馬ワグネリアン。鞍上に福永祐一騎手に悲願のタイトルを獲らせた馬として一躍注目を浴びましたが、それ以上に凄いのは金子真人オーナーが本馬で4度目のダービー制覇という事です。“ダービーオーナーは一刻の宰相になるより難しい”と言われている中、個人馬主で、しかも自身の所有していたディープインパクトの仔で親子二代制覇を股にかける人は恐らくこの人物以外にいないのではないでしょうか。
まとめ
以上、ディープインパクト産駒の活躍馬を獲得賞金順にまとめてみました。
常時変動次第ランキングも入れ替えを行い、下位の馬も追加して行く予定です。
しかし、こうして見て分かって来ますが、GⅠを3勝以上した馬ってジェンティルドンナだけなんですね。牡馬では2019年7月末現在で、サトノダイヤモンド、ミッキーアイル、アルアイン、フィエールマン、リアルインパクトのGⅠ2勝が5頭いるだけとなっております。そういう意味で、まだディープインパクトの正当な後継種牡馬が出ていないと言われるのも納得が行きますね。
突然の訃報に全国の、いや全世界の競馬ファンに衝撃が走った事でしょうが、名を体で現すとはまさにこの事でしょう。デビューから引退、そしてこの世を去る時まで我々にインパクトを与えてくれる伝説の名馬でしたね…心よりご冥福をお祈り申し上げます。
常時変動次第ランキングも入れ替えを行い、下位の馬も追加して行く予定です。
しかし、こうして見て分かって来ますが、GⅠを3勝以上した馬ってジェンティルドンナだけなんですね。牡馬では2019年7月末現在で、サトノダイヤモンド、ミッキーアイル、アルアイン、フィエールマン、リアルインパクトのGⅠ2勝が5頭いるだけとなっております。そういう意味で、まだディープインパクトの正当な後継種牡馬が出ていないと言われるのも納得が行きますね。
突然の訃報に全国の、いや全世界の競馬ファンに衝撃が走った事でしょうが、名を体で現すとはまさにこの事でしょう。デビューから引退、そしてこの世を去る時まで我々にインパクトを与えてくれる伝説の名馬でしたね…心よりご冥福をお祈り申し上げます。
父馬:ディープインパクト
母馬:ドナブリーニ
母父:Bertolini
所属:石坂正厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング
通算成績:19戦10勝(10-4-1-4)
主な戦績:牝馬三冠、ジャパンカップ、ドバイシーマクラシック、有馬記念など
獲得賞金:13億2621万円