ディープインパクト産駒一覧
グランアレグリア|タピッツフライ2016
母タピッツフライはアメリカの芝GⅠを2勝した名牝、その初年度産駒という事で期待が高かった1頭だ。その評価通り、6月の新馬戦では5分の走りでマイルを33秒台で走破する驚異的なパフォーマンスを見せて快勝している。高速馬場だったとは言え、それを度外視しても他馬とは2枚も3枚も力が違う内容だった。折り合いも問題なく、桜花賞&オークスを両睨み出来る存在。
プランドラー|プラウドスペル2016
母は鳴り物入りで日本に持ち込まれたケンタッキーオークス勝ち馬。その能力を遺憾なく産駒にも伝え、上2頭はいずれも能力の高い勝ち方で2勝以上。いずれはオープンで戦える素材だろう。このプランドラーもそれら以上の評価を与えられており、馬体に関してはまさに走るディープインパクト産駒のそれ。預託先も池江泰寿厩舎と来ればクラシック戦線に乗って来るのは明らかか。
ダノンファンタジー|ライフフォーセール2016
こちらも既にデビュー済み。グランアレグリアの2着に後塵を拝したものの、同馬自体も3着以下に大きく差を付けており重賞クラスのパフォーマンスだった。むしろ、大物感という意味ではグランアレグリア以上のモノを感じた程だ。今後の成長力次第では十分に逆転可能は差と言えるだろう。中内田充正厩舎のチーム力に注目だ。
シェーングランツ|スタセリタ2016
何たる品、風格。姉は言わずとしれたソウルスターリング、その母で名牝のスタセリタにディープインパクトを配合したと来れば誰しもが走る事を疑わない究極の掛け合わせだ。実際に出て来たシェーングランツは全ての面において文句なしの見栄え。後は動かしてどうかだが、これで走らない方がおかしいというもの。黙ってそのデビューを待ちたい。
ダノンチェイサー|サミター2016
2016年のセレクトセール当歳セリで2億5000万円で落札されたダノンチェイサー。1つ上の全兄はデビューしておらず実績が何も無い中での高額取引は、それだけ同馬の見た目に魅力を感じたからなのだろう。母サミターは愛1000ギニーなどを制しており、その父はロックオブジブラルタル。ディープインパクトとの相性も良く、配合においては既に日本競馬で実績を残しているとも言える。
ミディオーサ|ミスエーニョ2016
ミスエーニョの日本持ち込み1頭目でフランケル産駒ミスエルテは、牝馬ながら朝日杯フューチュリティステークス1番人気に支持された程。それだけパフォーマンスの高い馬を輩出出来る母にディープインパクト、これで走らない事を誰が想像出来よう。加えて、預託先は天下の堀宣行厩舎。デビュー時期がどうなるか次第だが、少なくとも1勝の勝ち上がりは間違いない。
ロードゼウス|スピニングワイルドキャット2016
1つ上にロードカナロア産駒のダノンスマッシュがいるロードゼウス。父がディープインパクトとなり上位変換、間違いなくポテンシャルは更に高い馬が出て来るだろう。マイル前後での活躍が予想され、クラシックにはどうかという点が気にはなるものの早くから複数勝利を見込めそうな1頭だ。基本、中内田充正厩舎に任せていれば走りっぱぐれは無いと考えて良い。
リスト|シルヴァースカヤ2016
シルバーステート、ヘンリーバローズと立て続けに“幻のダービー馬”を輩出した母シルヴァースカヤ。今年のリストも同様のポテンシャルを秘めているとすれば、後は体質の問題が活躍の鍵を握っている。普通に走れば先ずオープンクラスというのは疑い様が無く、2016年セレクトセールで2億6000万円という評価額からしても少なくとも重賞までは勝ち進まければいけない1頭。
サトノジェネシス|マルペンサ2016
サトノダイヤモンドの全弟となるサトノジェネシス。母マルペンサは同馬を産んだ直後に腸捻転で亡くなっており、言わば忘れ形見となる1頭だ。GⅠ2勝を誇るダイヤモンドと比較すると、イメージとしてはこちらの方が全体的にコンパクトにまとまった印象でマイル前後が適正距離か。とは言え、気性面でも落ち着いているとの事で幾らかの融通は効くだろう。兄は成長力に疑問を感じられるが、この馬は果たしてどうだろう。
カントル|ミスアンコール2016
2018年の日本ダービーを制したワグネリアンの全弟カントル。兄もそうだが、見栄えは余りパッとしない印象。走らせて素軽さやフットワークの良さでキレが確認出来るタイプか。ディープインパクトに母父キングカメハメハ、血統表では5代まで完全アウトブリードでそのお陰か祖母ブロードアピールの牝系にも関わらず2400mをこなせるに至っている。加えて脚元も丈夫、故障も少ないだろう。
フランクリン|ロベルタ2016
1つ上に全兄フランツがおり、京都新聞杯では1番人気に支持された程の実力馬。激しい気性と馬格の無さでクラシックには無縁だったが、その点このフランクリンはいずれもクリア出来る逸材だ。既に兄より体重では大きく上回っており、強い負荷をかけても馬体減りしないというのが非常に大きい。ポテンシャルを活かす為のフィジカルさえ伴っていれば自ずと結果は付いて来る筈。
サトノソロモン|イルーシヴウェーヴ2016
2016年のセレクトセールで3億円弱もの高額取引をされたサトノソロモン。イルーシヴウェーヴ産駒は毎年億超えの落札額で話題を振りまいている(2017年は5億8000万円)が、それに伴った結果は今の所出していない。見栄えだけは超一流で実際は走らない馬をこれまで多数見て来たが、この一族もその部類に入るか否かは同馬の走りに懸かっていると言っても過言ではない。
サトノバリオス|ヒアトゥウィン2016
ブラジル産の母ヒアトゥウィンは南アフリカのGⅠやアメリカの重賞で活躍。初年度の持ち込んだTapit産駒は除いて、2頭目となるディープインパクト産駒が今年のオークスでも人気したサトノワルキューレだ。いきなりの結果を出し、続く牡馬がこのサトノバリオス。スピード競馬にも難なく対応する母系の柔軟性から考えでも、同配合の同馬が全く走らないというのは考えにくい。
ドナアトラエンテ|ドナブリーニ2016
GⅠ7勝の名牝ジェンティルドンナの全妹ドナアトラエンテ。母ドナブリーニは初年度からドナブリーニ、ジェンティルドンナと重賞級をいきなり輩出したものの、その後は尻すぼみ状態が続いている。久々にヴィルトゥースが出て盛り返しを見せるも、近年の産駒は体質も弱くレース自体に使えない産駒が多数。このドナアトラエンテも同様のタイプとなるか、それとも偉大な姉に匹敵する走りを見せるかは体質による所が大きい。
サターン|シャンロッサ2016
フラワーカップを制したカンタービレは全姉、管理は角居勝彦厩舎(中竹和也厩舎に変更)でオーナーはキセキも所有する石川達絵氏と、まさに走る環境が整っているサターン。ディープインパクトに母父Galileoは相性も良く、そうそう駄馬を出さない新ニックスと言っても良い配合だ。恐らく同馬もじっくりと調整され、カンタービレと同じ様な実戦の出方になるだろう。上手く行けば皐月賞、少なくともダービーまでにはある程度の結果を残していると見る。
セントレオナード|リリーオブザヴァレー2016
今期社台レースホースで1番馬との呼び声が高いセントレオナード。募集額は1億2000万円と破格の値を付けるがそれも納得の好馬体だ。事実、全兄ヴァンキッシュランは青葉賞勝ちのダービー出走と結果を残しているし、1つ上の全姉は未出走のまま。実戦に出られれば高い確率で走って来るのは明白で、その点堀宣行厩舎と来ればもう間違いない。よもや社台レースホースが最高価格の馬で下手打ちが出来ようか。
ワールドプレミア|マンデラ2016
2012年の日本ダービーで1番人気ながら4着に敗れたワールドエースの全弟ワールドプレミア。クロコスミアの馬主でお馴染み大塚亮一氏が、一昨年のセレクトセールにて2億4000万円もの額で落札し話題となった。そのワールドエースよりもひと回り大きくした様な馬体で、生産地での評判も上々。馬名はやや微妙だが、環境は友道康夫厩舎と文句なし。個人馬主で大きなタイトルを目指すならここだろう。
リアオリヴィア|リアアントニア2016
母リアアントニアはアメリカの2歳牝馬チャンピオン。その初仔となるリアオリヴィアも同じく、仕上がり早で既に栗東へ入厩、時計も出して順調に調整が進んでいるとの事。先ずもって短距離型の馬体をしており、目指すなら桜花賞→NHKマイルカップ路線といった所か。管理が角居勝彦厩舎(中竹和也厩舎に変更)となれば、上手く教育をして行きながら長い所も走れる様にして行く可能性は十分。どこまで化けるかに期待したい。
コントラチェック|リッチダンサー2016
重厚感のある馬体は、姉バウンスシャッセ同様に牡馬顔負けの見栄え。母リッチダンサーは様々な種牡馬で重賞クラスを輩出して来た名牝と言え、そこに最上位種牡馬のディープインパクトが掛け合わされたとなれば走らない訳が無い。今年キャロットファームの中では最も安心感のある1頭と言える。藤沢和雄厩舎お得意の北海道デビューか。
まとめ
“ディープインパクト産駒を制する者がPOGを制する”と言っても過言ではない最近のクラシック事情。やはり、重賞勝ちなどの馬を見てもズラリと同産駒が名を連ねるだけに指名を外してはどうもこうもならないのが事実となっている。その中で当たりのディープインパクト産駒を選ぶ事が先ずPOGの最重要課題となるのだろう。
最近のトレンドである“ディープインパクト×Storm Cat”の黄金配合の他、海外の種牡馬血統との相性が特に良く、上記の馬などもそれに該当する馬が多い。実際、皐月賞を制したアルアインの母父もEssence of Dubaiという余り聞き慣れない血統だった。そういう点も頭に入れて指名候補の検討に入るべし。
最近のトレンドである“ディープインパクト×Storm Cat”の黄金配合の他、海外の種牡馬血統との相性が特に良く、上記の馬などもそれに該当する馬が多い。実際、皐月賞を制したアルアインの母父もEssence of Dubaiという余り聞き慣れない血統だった。そういう点も頭に入れて指名候補の検討に入るべし。
父馬:ディープインパクト
母馬:タピッツフライ
母父:Tapit
所属:藤沢和雄厩舎(美浦)
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング
兄弟馬:初仔