砂の最強馬決定戦であり、暮れに行われる中京競馬の祭典チャンピオンズカップ。今年は上がり馬テイエムジンソクを筆頭に、JBCクラシックを勝利し連覇を狙うサウンドトゥルーや実力馬アウォーディー、帝王賞を勝ったケイティブレイブにコリアカップ覇者ロンドンタウンなど個性的なメンバーが大集結。上位人気が予想される各馬の買いと消しの要素を抽出して行くのでご参考あれ。
チャンピオンズカップ上位人気順(想定)
テイエムジンソク 想定1番人気
春のオープン入からメキメキと力を付けて来たテイエムジンソク。勢いそのままに前走のみやこステークスは2着以下をブッちぎる圧勝を飾り、堂々とチャンピオンズカップの主役に躍り出た。持ちタイムと脚質は好走の下地が揃っており、一気にダートチャンピオンの座に輝いても不思議ではない。しかし、不安を挙げるとすれば中京コースが未経験とGⅠクラスのメンバー相手に自分の競馬が出来るかという点。そもそも左回り自体が初というのは少々心許ない。想定は1番人気だが、そこまでガチガチで信用するには至らないと判断する。
サウンドトゥルー 想定2番人気
前走のJBCクラシックでは後方から一気に強豪を差し切ってGⅠタイトル3勝目をあげたサウンドトゥルー。何と言ってもチャンピオンズカップの前年度覇者、実質の所は最も砂の王座に近い1頭だろう。地方中央問わず常に上位争いに顔を連ねる常連であり、追い込み脚質で展開に左右されるとは言え無様な競馬はすまい。唯一の不安材料はダート1800mで1分50秒台を切った事が無い点。レース自体が流れて高速決着になった場合にどういう走りをするかは未知数だ。ただ中京コースとの相性は良し。
アウォーディー 想定3番人気
昨年のチャンピオンズカップ2着馬アウォーディー。一昨年から昨年にかけて6連勝でJBCクラシックを制覇した実力馬だが、今年のドバイワールドカップ以降は精彩を欠いて敗退するレースが続いている。少々乗り難しい面があり、主戦武豊騎手を持ってしても安定したパフォーマンスを発揮するのは至難の業。が、あっさり勝ってもおかしくない能力はあるだけに警戒は必要だろう。ドバイを除けばダートで3着を外したのは前走のJBCクラシックが初、イメージ以上に軸馬には適しているかも。
ケイティブレイブ 想定4番人気
帝王賞では並み居る強豪を蹴散らしてGⅠ制覇を成し遂げたケイティブレイブ。脚質が自在で展開に左右されない部分は他馬よりも強調したい。しかし、戦績を見ると地方競馬に良績が集まっており中央の砂が合っていないのでは?という見方が強いのは確かに不安。とは言え、近走でいくと平安ステークスはハイペースを追いかけて自滅の5着、フェブラリーステークスは適正外の距離で踏ん張って6着と実際は健闘している。そこを除いて考えればかなり信頼度は高い1頭と言えるのではないだろうか。
ロンドンタウン 想定5番人気
現在エルムステークスとコリアカップを連勝中のロンドンタウン。そこで負かした相手がテイエムジンソクとクリソライトという事を鑑みれば、ここでも十分に通用する下地は整っている。が、韓国とは言え環境の違う国から帰って来ての初戦、しかも9月からの休み明けを考えるとここから大勝負とはいけない感覚か。そういう意味でも出走メンバーで1番読みにくく、アテにし辛い1頭だろう。岩田康誠騎手込みでインコースに入った時の2~3着付けが妥当なラインか。
カフジテイク 想定6番人気
フェブラリーステークスでは堂々の1番人気に支持されたカフジテイク。その実力は自他共に認めるものの、アウォーディー同様に同馬もドバイ遠征後からいまいち伸び悩んでいるのがネックとなる。自慢の末脚も影を潜め、むしろ後ろからも差される始末。ディフェンディングチャンピオンのサウンドトゥルーが絶好調、昨年3着のカフジテイクがこれでは到底太刀打ち出来ないのではないだろうか。主戦の福永騎手がケイティブレイブを選んでいる辺りも減点材料が大きい。
ノンコノユメ 想定7番人気
一昨年のチャンピオンズカップで2着入線したノンコノユメ。全盛期の末脚は驚異的でGⅠを何勝もするかに思われたが、セン馬になってから気性もパフォーマンスも大人しくなった感が否めない。しかし、去勢馬が本来の走りを取り戻すには時間が掛かると言われており、前走の武蔵野ステークスでは長期休養明けにも関わらず直線で目立つ伸びを見せていたのは好材料。叩き2走目の上積みを含めても、展開がハマれば非常に怖い存在ではある。
キングズガード 想定8番人気
重賞初勝利をあげたプロキオンステークス以降、充実一途の成長曲線を辿っているキングズガード。南部杯マイルチャンピオンシップではカフジテイクの後ろから行き差し切る内容で3着入線。みやこステークスでも決して得意ではない1800m戦で最速の上がりを記録しているのは本格化の証明だろう。ここ2走が使い続けて馬体重を増やしている事からも間違いなく調子は絶好調の部類。距離不安で人気を落としている様ならむしろ買いの一手だ。
グレンツェント 想定9番人気
今年頭の東海ステークスを勝利した時はダート界を牽引すると思われたグレンツェント。しかし、その後の3走はその影すら見当たる節も無く惨敗続き。JBCクラシックも1着から1秒以上離された5着と復調には程遠い内容だった。それでも前述の東海ステークスでの勝ち方が優秀だった事、鞍上が先週ジャパンカップを制したボウマン騎手という点から穴人気はしそうな雰囲気。それをどう捉えるかで馬券の取捨は変わって来るだろう。
アポロケンタッキー 想定10番人気
気分屋なのか走りにムラのあるアポロケンタッキー。ハマった時は東京大賞典の様に強豪を蹴散らすパフォーマンスを発揮する。とは言え、その傾向が余り読めず、地方中央や展開に条件など合致するポイントが見当たらない。強いて挙げれば、揉まれず気分良く先行出来た時には上位争いに加われている印象が強いのである。頭も十分に有り得る1頭だけに、馬単や3連単系の取捨が大いに悩まれる。
コパノリッキー 想定11番人気
実績だけなら断トツNo.1のコパノリッキー。現在GⅠ10勝を誇り、日本競馬史上初の11勝目を今年の引退までに虎視眈々と狙っている。JBCスプリントは僅かの差で敗退し更新を逃したが、残すはチャンピオンズカップと東京大賞典の2走。厩舎もメイチの仕上げで臨んで来るだろうが、さすがに1200m戦の後の600m距離延長は厳しいものがあるのでは。唯でさえ行きたがる気性に加え、前走が出遅れから押して押して位置取りを上げる競馬をした直後。どう考えても引っ掛かってスタミナロスを起こす筈だ。
ゴールドドリーム 想定12番人気
フェブラリーステークス覇者のゴールドドリームも、アウォーディーやカフジテイク同様にドバイ遠征後の走りが芳しくない。しかし、前走のマイルチャンピオンシップ南部杯では大きく出遅れながらも道中で脚を使い続け最後まで懸命に走って最速上がりを計時。普通にスタートを切っていれば2着は間違いなくあった競馬だった。今回の騎乗は天才R.ムーア騎手。発馬を決めてスンナリと流れに乗れればダートGⅠ統一連覇の可能性もあながち無くは無い。
ミツバ 想定13番人気
JBCクラシックでは7番人気ながら3着入線と大健闘したミツバ。これまではオープンで強い勝ち方をするものの重賞で壁に当たるタイプだったが、マーキュリーカップ勝利で一皮むけた印象か。逃げて良し差して良しの脚質含めて、鞍上の松山弘平騎手がどういう乗り方をするかに注目だ。同馬の出方次第で展開が変わって来るキーマン的存在と言っても過言ではない。
まとめ
以上、チャンピオンズカップの有力馬想定人気順と寸評。
何とJBCクラシック3着のミツバが12番人気前後と非常に混戦を極める1戦となっている。記載出来なかったが、それ以降もローズプリンスダム→モルトベーネ→メイショウスミトモとどれが勝ってもおかしくないメンバー構成。これは相当荒れるかも、という事だけは頭の片隅に入れておきたい。
いずれにせよ展望の要となるのがペースの読みだろう。先行勢の行った行ったか後方一気の決着か。この部分さえ間違えなければ自ずと上位争いに加わって来る馬はある程度絞れて来る筈。腹を括っていずれかの展開に決め打ちして印を打って行きたい。
何とJBCクラシック3着のミツバが12番人気前後と非常に混戦を極める1戦となっている。記載出来なかったが、それ以降もローズプリンスダム→モルトベーネ→メイショウスミトモとどれが勝ってもおかしくないメンバー構成。これは相当荒れるかも、という事だけは頭の片隅に入れておきたい。
いずれにせよ展望の要となるのがペースの読みだろう。先行勢の行った行ったか後方一気の決着か。この部分さえ間違えなければ自ずと上位争いに加わって来る馬はある程度絞れて来る筈。腹を括っていずれかの展開に決め打ちして印を打って行きたい。
父馬:クロフネ
母馬:マイディスカバリー
母父:フォーティナイナー
所属:木原一良厩舎(栗東)
生産:日高テイエム牧場
馬主:竹園正繼
通算成績:23戦8勝 (8-5-4-6)
主な戦績:みやこステークスなど