無事ならGⅠ複数勝ちの名牝級

 
2016年のオークスではシンハライトのクビ差2着

2016年のオークスではシンハライトのクビ差2着

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もしオークス以降も故障せずに走っていたなら…と思わせる程にその強さが印象的だったチェッキーノ。その圧倒的な速さ故に屈腱炎が発症しているのだろうが、本当に悔やまれる名牝に成り得た存在だった。しかし、次は母親として仔を産み落とすという役目を任されたのだ。今後は自身を超えるとんでもない名馬を輩出する事に期待しながら、数年度の初年度産駒を待ちたい。チェッキーノ、お疲れ様でした。
 

出遅れも慌てず直線に賭ける

 

2018年08月12日 関屋記念 芝1600m 新潟競馬場

1着:プリモシーン 牝3 (北村宏司)
2着:ワントゥワン 牝5 (M.デムーロ)
3着:エイシンティンクル 牝5 (和田竜二)

レースタイム:1:31.6(良)
レース上がり3ハロン:34.4
勝ち馬上がり3ハロン:33.4
 
1頭だけスタートで遅れを取ったチェッキーノ。それでも急かさず前に無理に取り付く事もなく後方待機の策を取った。ペースは流れて縦長の展開。ほぼ最後方の位置から徐々にポジションを押し上げて行くと直線では大外に持ち出しいざ末脚勝負。2着のワントゥワンと一緒に上がって来てよもやの勢いを見せるも、最後は力尽きて7着に敗退…しかし、確実に走りは良くなっている。今後はマイル路線を中心にまずは復帰の1勝を見せて欲しい。全開までもう少しの辛抱だ。
 

『良くなっている、復活させたい』

 
稽古では素軽さを取り戻しつつあるチェッキーノ

稽古では素軽さを取り戻しつつあるチェッキーノ

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実績では間違いなく今メンバーでも最上位のチェッキーノ。前走はさすがに重苦しい動きを見せていたが、それでも最後の直線はしっかりと伸びていた。ひと叩きされた今回、体も引き締まって追い切りの動きにも機敏さが戻って来ている。騎乗予定の杉原騎手は『明らかに良くなっていますよ。本調子までは行かないまでも素軽い動き。何とか復活させたいですね』と意気込みを語っていた。普通に走ればアッサリのシーンまで想定しておきたい。
 

2着とは0秒4差で入線

 

2018年06月17日 米子ステークス 芝1600m 阪神競馬場

1着:ベステンダンク 牡6 (鮫島克駿)
2着:タイセイサミット 牡5 (福永祐一)
3着:マサハヤドリーム 牡6 (松山弘平)

レースタイム:1:31.9(良)
レース上がり3ハロン:34.3
勝ち馬上がり3ハロン:34.3
 
久々の影響か、スタートしてからモッサリとした感じで道中はマイルの流れに付いて行けないチェッキーノ。直線まで死んだふりでそのままダラダラと終わるかに思われたが、そこはさすがに重賞馬。杉原誠人騎手が追い出すと、馬体重38kg増加も気にさせないキビキビとした走りで内から追い込みを見せる。初の着外とはなったが、2着からは2馬身程度の差という内容は想像以上に上出来ではないだろうか。今回を叩いて次はガラッと変わって来るだろう、このまま順調に調整を進めて欲し。
 

坂路で素軽い動き、久々もOK

 
中間は8本も時計を記録するチェッキーノ(左)

中間は8本も時計を記録するチェッキーノ(左)

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2016年のオークス後に故障を発生、脚元の完治を待ちここまで復帰が遅れたチェッキーノ。慎重に慎重を重ねて調整を進める姿勢は、まさにまだ期待をし続ける藤沢和雄師の想いが表れている。それもその筈、キャリア5戦は全て上がり最速でオークスはあのシンハライトとタイム差無し。普通に考えれば既にGⅠを勝っていておかしくない実績とポテンシャルである。今回は米子ステークスでオープンクラスの出走となったが、無事に回って来る事は勿論、密かにあっさりと楽勝するシーンも想像しているファンは少なくないだろう。それだけの感情を高ぶらせる素質馬の勇姿をとくと拝見したい。
 

チェッキーノ

 
チェッキーノ(ハッピーパス2013)

チェッキーノ(ハッピーパス2013)

牝馬

父馬:キングカメハメハ
母馬:ハッピーパス
母父:サンデーサイレンス
所属:藤沢和雄厩舎(美浦)
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング

通算成績:7戦3勝 (3-2-0-2)
主な戦績:オークス2着など
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デビュー2戦目から一気の3連勝でその年のクラシック候補に躍り出たチェッキーノ。フローラステークスではレコード勝ちで2着以下に3馬身差を付ける圧勝を飾り競馬ファンを唸らせた。続くオークスではあのシンハライトと最後の直線で死闘を繰り広げ、惜しくも2着敗戦を喫する。リベンジを誓った秋を前に屈腱炎を発症。その後完治させるまでに相当な期間を要してしまった。とは言え、まだキャリア5戦。馬自体はすこぶる若く、脚元さえ大丈夫なら再び大舞台で活躍する日も近いだろう。
 

血統背景

 
キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector Raise a Native
Gold Digger
Miesque Nureyev
Pasadoble
マンファス ラストタイクーン トライマイベスト
Mill Princess
Pilot Bird Blakeney
The Dancer
ハッピーパス サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
ハッピートレイルズ ポッセ Foril
In Hot Pursuit
ロイコン High Top
Madelon


 

兄弟馬

 
コディーノ(ハッピーパス2010)

コディーノ(ハッピーパス2010)

牡馬

父馬:キングカメハメハ
母馬:ハッピーパス
母父:サンデーサイレンス
所属:藤沢和雄厩舎(美浦)
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング

通算成績:11戦3勝(3-1-2-5)
主な戦績:東京スポーツ杯2歳ステークスなど
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近親馬

 
シンコウラブリイ(ハッピートレイルズ1989)

シンコウラブリイ(ハッピートレイルズ1989)

牝馬

父馬:Caerleon
母馬:ハッピートレイルズ
母父:ポッセ
所属:藤沢和雄厩舎(美浦)
生産:B. R. and Mrs Firestone(愛)
馬主:安田修

通算成績:15戦10勝(10-2-2-1)
主な戦績:マイルチャンピオンシップなど
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血統評価:2.9pt

 
ハッピートレイルズの娘の中では、本線といえる母ハッピーパス。母父SSの恩恵も大きいだろうが、兄弟、全馬3勝以上と驚異の安定感。本馬は現役だけでなく繁殖としても一番良血の娘なので期待がかかる一頭である。
 

前評判

 
後付けではあるが、コディーノよりも更に全体的なポテンシャルが底上げされ脚も持続力のあるタイプ。それでいて速い上がりにも対応出来、折り合いもスムーズとほぼ欠点の無い完成型だろう。脚さえまともなら歴代の名牝に名を連ねられた程の可能性を秘めた馬、という認識が正しいのではないだろうか。繁殖に上がって尚期待も出来る筈。
 

馬名の意味

 

射撃の達人(イタリア語)

 
兄コディーノが走った事に縁起を担いでのネーミング。

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