香港スプリント直前

 
芝コースで軽快な動きを披露するダノンスマッシュ

芝コースで軽快な動きを披露するダノンスマッシュ

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日本の短距離戦線を牽引するダノンスマッシュが香港の地で勇躍する。まだ無冠の立場ではあるが、そのパフォーマンスは確実に現役でもトップクラス。そして父が世界のロードカナロアとして君臨したのが、今回参戦する香港スプリントである。短距離界のレベルは日本よりも高いと言われ、海外の強豪たちもこぞって挑戦して来る1戦だ。ここで見事親子二代制覇の偉業を達成すれば、即ち日本最強の意味を証明する事となる。
 

スプリンターズステークス直後

 

2019年9月29日 スプリンターズステークス 芝1200m 中山競馬場

1着:タワーオブロンドン 牡4 (C.ルメール)
2着:モズスーパーフレア 牝4 (和田竜二)
3着:ダノンスマッシュ 牡4 (川田将雅)

レースタイム:1:07.1(良) 
レース上がり3ハロン:34.3
勝ち馬上がり3ハロン:33.5
 
内枠からレースを進めるも、道中は外がずっと壁。終始、スペースの無い所で我慢の競馬が続いたダノンスマッシュ。不運にも勝負どころで前の集団が後退して来てしまい、あたふたしてる前に本来のスペースをタワーオブロンドンにカットされる不利を受けた。そのままワンテンポ遅れて脚を伸ばして行くも時既に遅し。先に抜け出したタワーオブロンドンが粘るモズスーパーフレアを差し切り決着は付いてしまっていた。自身は3着も納得の行く内容ではなかっただろう。来春のリベンジを期待したい。
 

スプリンターズステークス直前

 
川田将雅騎手とのコンビでGⅠ制覇に挑むダノンスマッシュ

川田将雅騎手とのコンビでGⅠ制覇に挑むダノンスマッシュ

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春の雪辱は秋のスプリンターズステークスで果たしたいダノンスマッシュ。陣営も前走のキーンランドカップでは苦渋の決断で北村友一騎手から鞍上を変えた経緯もある。バトンを託された川田将雅騎手は、本馬を管理する安田隆行調教師の弟子にあたる関係。古くはダッシャーゴーゴーにまつわる経緯もある為、師弟関係を強固なものにする為にもここは是が非でも勝っておきたい1戦だ。父ロードカナロアと似た戦績がより一層ドラマティックな演出に見える。
 

キーンランドカップ直後

 

2019年8月25日 キーンランドカップ 芝1200m 札幌競馬場

1着:ダノンスマッシュ 牡4 (川田将雅)
2着:タワーオブロンドン 牡4 (C.ルメール)
3着:リナーテ 牝5 (武豊)

レースタイム:1:09.2(稍重)
レース上がり3ハロン:36.0
勝ち馬上がり3ハロン:35.3
 
好発を決めてスッと先行集団の一角に取り付けたダノンスマッシュ。前がやり合ってグングン進んでいく中、外目の6~7番手を快調に追走して行く。手応えも抜群でいつでも進出出来る様な走りから、勝負どころでは自然とポジションを上げて前を射程圏内に。直線外に持ち出すと、グングン加速しあっさりとかわして悠々と1着でゴールイン。タワーオブロンドンやリナーテの上位人気馬を従えて、完全勝利の重賞制覇となった。次走のスプリンターズステークスでは更にパフォーマンスを上げて来るだろう。
 

キーンランドカップ直前

 
絶好調の川田騎手を背に追い切るダノンスマッシュ

絶好調の川田騎手を背に追い切るダノンスマッシュ

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本来なら春のスプリント王になって然るべき存在のダノンスマッシュ。歯車が噛み合わない時は仕方なく、もう一度秋の大一番前にここは威厳の走りを見せておきたいところ。先の函館スプリントステークス取り消しの影響は無く、最終追い切りでも抜群の動きで好調をアピール。川田騎手が跨り、本番でもあっさりとライバルたちを抑え付け完勝の内容で重賞3勝目を飾る事が出来るか。
 

函館スプリントステークス直前

 
芝コースで豪快な動きを披露するダノンスマッシュ

芝コースで豪快な動きを披露するダノンスマッシュ

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ダノンスマッシュが改めてその実力を問われる1戦となる函館スプリントステークス。休養中も牧場でしっかりと乗り込まれており、5月末の帰厩後すぐに調教を始めている。特に1週前の追い切りでは馬なりでラスト11秒台を楽にマークするさすがの仕上がり具合。昨年函館シリーズでの競馬からメキメキと頭角を現した様に、洋芝適性も高い。ここは斤量などの差も出ては来るが、秋の大仕事に向けて結果を出しておきたいところだ。
 

高松宮記念直後

 

2019年3月24日 高松宮記念 芝1200m 中央競馬場

1着:ミスターメロディ 牡4 (福永祐一)
2着:セイウンコウセイ 牡6 (幸英明)
3着:ショウナンアンセム 牡6 (藤岡康太)

レースタイム:1:07.3(良)
レース上がり3ハロン:34.1
勝ち馬上がり3ハロン:33.6
 
発馬を決めるも、それ以上に速い馬が内から出て来た為に結果として外を回らされたダノンスマッシュ。今までに経験した事のない速いレベルの道中、それでも手応え良く上がって行き直線では前を射程圏内に入れるポジショニングとなった。そこから一気に前を差し切るかに見えたが、さすがにこれまで戦って来た相手と比べると一枚も二枚も骨っぽい相手。逆に最後は脚が止まってしまい、4着に敗れてしまった。それでも、鞍上は馬の走りに満足しており、目指すは秋のリベンジだけ。
 

高松宮記念直前

 
厩舎も状態には太鼓判を押すダノンスマッシュ

厩舎も状態には太鼓判を押すダノンスマッシュ

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父ロードカナロアも管理した安田隆行厩舎。当時を知る調教助手もダノンスマッシュをして、『同じ時期のお父さんと比べても遜色ないですね』と評価をしている程だ。1週前追い切りでも、坂路49秒台を楽々と叩き出すあたりは既に本物。京阪杯あたりからトモも力強くなって来ており、まさに父と同じ軌跡を辿って高松宮記念へ参戦する事となる。ロードカナロアは3着に終わったが、その時の雪辱を息子が果たした時、親子二代に渡ってスプリントGⅠ制覇の偉業は達成される。
 

シルクロードステークス直後

 

2019年1月28日 シルクロードステークス 芝1200m 京都競馬場

1着:ダノンスマッシュ 牡4 (北村友一)
2着:エスティタート 牝6 (浜中俊)
3着:ティーハーフ 牡9 (国分恭介)

レースタイム:1:08.3(良)
レース上がり3ハロン:35.0
勝ち馬上がり3ハロン:34.2
 
内枠から好発を決め、ラブカンプーを見る様にレースを進めたダノンスマッシュ。前が飛ばして中団以降の馬にベストな展開となったが4コーナーでもまだ動かずインで我慢をする。直線に入ると、後退するラブカンプーを避ける様にして外に出し、そこから弾ける様にして先抜けしたアレスバローズ以下をあっさりと差し切って快勝。正直、スムーズな競馬では無かったがそれでも楽に抜け出すあたり、このメンバーでも力の違いを見せ始めているところに凄みを感じる。高松宮記念制覇にも期待大。
 

シルクロードステークス直前

 
充実一途の動きを見せるダノンスマッシュ

充実一途の動きを見せるダノンスマッシュ

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ロードカナロアと同様に、初重賞制覇を京阪杯で成し遂げたダノンスマッシュ。その父は続くシルクロードステークスでも圧勝を飾り本番の高松宮記念に駒を進めている。中間の動きを見てもその充実ぶりには目を見張るものがあり、ここもあっさりと勝つようなら一気に短距離戦線の主役候補へと浮上する。前走と同条件、危なげない完勝を見せた同馬にとって今の所大きな死角が思いつかないのである。
 

京阪杯直後

 

2018年11月25日 京阪杯 芝1200m 京都競馬場

1着:ダノンスマッシュ 牡3 (北村友一)
2着:ナインテイルズ 牡7 (岩田康誠)
3着:ダイアナヘイロー 牝5 (菱田裕二)

レースタイム:1:08.0(良)
レース上がり3ハロン:33.9
勝ち馬上がり3ハロン:33.6
 
珍しくスタートを決めて先行集団に取り付いたダノンスマッシュ。逃げたワンスインナムーンの一列後ろのインを追走、直線に入って最内を突く走りであっさりと抜け出しそのまま快勝して見せた。明らかに力の違いを示す内容で、これなら来春の高松宮記念でもある程度の走りを期待出来るだろう。主戦の北村友一騎手も確かな手応えを感じている様子だった。
 

京阪杯直前

 
京阪杯へ向け調整を続けて来たダノンスマッシュ(手前)

京阪杯へ向け調整を続けて来たダノンスマッシュ(手前)

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元は2歳時に朝日杯フューチュリティステークスでダノンプレミアムと双璧の扱いをされていたダノンスマッシュ。実際にそのレースでは後のマイルチャンピオンシップ勝ち馬ステルヴィオと同上がりの0.1秒差。能力で言えば間違いなく重賞級だ。気性や距離面などの選別が難しく、ようやくスプリント路線に照準を定めてレースを組んで来たのは良い傾向だろう。ともなると目指すは来年の高松宮記念となるが、ここで負けている様では身も蓋も無い。しっかり結果を出して次のステージに進めるか重要なレースとなる。
 

キーンランドカップ直後

 

2018年8月26日 キーンランドカップ 芝1200m 札幌競馬場

1着:ナックビーナス 牝5 (J.モレイラ)
2着:ダノンスマッシュ 牡3 (北村友一)
3着:ペイシャフェリシタ 牝5 (田辺裕信)

レースタイム:1:09.4(稍重)
レース上がり3ハロン:35.7
勝ち馬上がり3ハロン:35.7
 
スタートして一旦は逃げたナックビーナスに絡みかけるも、外からオールインワンが前に出るとスッと下げてインの番手を追走したダノンスマッシュ。理想的な展開で後は前を捉えるだけの直線となったが、逆に勝ち馬には2馬身半差付けられてしまった。それでも、きっちり2着争いの競馬は制し強豪古馬とも互角に渡り合えるだけの実力を示した1戦だった。特別、展開が向いたという様な内容でも無く地力で勝ち取った着順だけに今後もこのクラスで安定した走りを期待出来るだろう。
 

キーンランドカップ直前

 
札幌芝コースで軽快に追い切ったダノンスマッシュ

札幌芝コースで軽快に追い切ったダノンスマッシュ

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前走の初スプリント戦で結果を残したダノンスマッシュ。これまでの実戦では行きたがる素振りを見せていただけに、距離短縮が功を奏したのだろう。スタートがネックで今回もその不安はあるものの、好発さえ決めれれば後は元来のスピードに任せて行き切るだけ。人気になるであろうムーンクエイクが58kg、対してダノンスマッシュは53kgなら少々強引に前へ行ってもまだこちらの方が優勢だろう。稽古でバッチリ動いただけに、鞍上の北村友一騎手も密かに狙っている。
 

函館日刊スポーツ杯直後

 

2018年07月21日 函館日刊スポーツ杯 芝1200m 函館競馬場

1着:ダノンスマッシュ 牡3 (北村友一)
2着:アマルフィコースト 牝3 (吉田隼人)
3着:クリーンファンキー 牝5 (三浦皇成)

レースタイム:1:08.4(良)
レース上がり3ハロン:34.1
勝ち馬上がり3ハロン:33.9
 
いつもよりキッチリとスタートを決めたダノンスマッシュ。逃げるアマルフィコーストの外目をスムーズに追走し流れに乗ると、抜群の手応えで4コーナーを回る。そのまま早め先頭からいざ追われると、後続を更に突き放し完璧なレース運びで3勝目を飾った。やはり能力は古馬に混じっても通用、今後は発馬を安定して出られる様になればいずれ重賞のタイトルも見えて来るだろう。大跳びだけに余り窮屈な競馬だけはしたくないタイプか。
 

朝日杯フューチュリティステークス直後

 

2017年12月17日 朝日杯フューチュリティステークス 芝1600m 阪神競馬場

1着:ダノンプレミアム 牡2 (川田将雅)
2着:ステルヴィオ 牡2 (C.デムーロ)
3着:タワーオブロンドン 牡2 (C.ルメール)

レースタイム:1:33.3(良)
レース上がり3ハロン:34.0
勝ち馬上がり3ハロン:33.6
 
発馬でタイミングが合わずまさかの後方追走となったダノンスマッシュ。道中は開き直って全く動かずに、直線でインへ入れて一か八かの作戦となった。それでも馬群を捌きながらダノンプレミアムに続く上がり33秒8を繰り出し5着入線と意地は見せた。もし仮に普通のスタートを切れていたなら、勝つ事は無くとも先ず2着争いの筆頭になっていただろう。そう考えれば、今回のメンバー中で能力は最上位に評価出来る。距離もマイルより1400mの方が適性は高く、ここをあっさり勝つ様ならNHKマイルカップの最有力候補に上がって来てもおかしくなはい。
 

もみじステークス直後

 

2017年10月15日 もみじステークス 芝1400m 京都競馬場

1着:ダノンスマッシュ 牡2 (福永祐一)
2着:アーデルワイゼ 牝2 (C.ルメール)
3着:ナムラバンザイ 牡2 (国分優作)

レースタイム:1:23.4(稍重)
レース上がり3ハロン:34.8
勝ち馬上がり3ハロン:34.2
 
スタートも良く折り合いも全く問題ない理想的な道中。しっかりと脚を溜めて直線コースへ入ると、逃げるナムラバンザイを持ったままで捉え先頭へ。そこから軽く気合を付けられ一気に加速し、結果2着に追い込んだアーデルワイゼ以下を子供扱いする内容で連勝を飾った。抜け出す時の速さはまるでワープしたかの様な一瞬の出来事で、潜在能力は間違いなく重賞級だろう。朝日杯フューチュリティステークスではダノンプレミアムを負かせる筆頭候補の1頭だ。
 

ダノンスマッシュ

 
ダノンスマッシュ(スピニングワイルドキャット2015)

ダノンスマッシュ(スピニングワイルドキャット2015)

牡馬

父馬:ロードカナロア
母馬:スピニングワイルドキャット
母父:ハードスパン
所属:安田隆行厩舎(栗東)
生産:ケイアイファーム
馬主:ダノックス

通算成績:14戦6勝 (6-2-1-5)
主な戦績:京阪杯、シルクロードステークス、キーンランドカップなど
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ロードカナロア産駒は意外にも脚長のスラッとした馬体の馬が多い。同馬も道中の走りを見ている限り、中距離までは適性があるのでないかとさえ思わせる様な大きく躍動感のあるフットワークが特徴。とは言え、マイル前後がベストには変わり無くどこまで折り合いが効くかで判断すれば良いだろう。まだ全体的にボリュームが付きそうな馬体で行く行くは短距離型の作りにシフトチェンジして行く筈。
 

血統背景

 
ロードカナロア キングカメハメハ Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
マンファス ラストタイクーン
Pilot Bird
レディブラッサム Storm Cat Storm Bird
Terlingua
サラトガデュー Cormorant
Super Luna
スピニングワイルドキャット ハードスパン Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Turkish Tryst Turkoman
Darbyvail
Hollywood Wildcat Kris S. Roberto
Sharp Queen
Miss Wildcatter Mr. Prospector
Elizabeth K.


 

兄妹馬

 
特になし
 

近親馬

 
War Chant

War Chant

牡馬

父馬:Danzig
母馬:Hollywood Wildcat
母父:Kris S.
所属:Neil D.Drysdale厩舎(米)
生産:Marjorie & Irving Cowan(米)
馬主:Irving & Marjorie Cowan

通算成績:7戦5勝 (5-1-0-1)
主な戦績:BCマイルなど
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血統評価:1.0pt

 
祖母にHollywood Wildcat、母の兄にWar Chantがおり日本種牡馬の初産駒で期待は大だが実際にどうなるかはわからない。未知数だろう。
 

前評判

 
デビュー前の調教では古馬500万クラスの馬と併せて1秒追走から大きく先着するなど、動きの評価はかなり高かった様だ。同厩の素質馬トロワゼトワルと双璧レベルで期待されており、実際に出世したのはこちらの方。走りにも大物感があるし、ロードカナロア産駒の特徴を上手く受け継いでおり今後の成長力にも期待出来る。一族にはBCマイル覇者もいる底力のある血統だ。
 

馬名の意味

 

冠名+打ち砕く

 
相手を打ち砕く強烈な走りを期待してのネーミング。戦うメンバーが強ければ強い程、この馬名にも意味が出て来るだろう。ジャイアントキリングタイプの1頭か。

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