マイルチャンピオンシップ直前

 
上昇度では出走メンバーでもNo.1のダイアトニック

上昇度では出走メンバーでもNo.1のダイアトニック

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前走のスワンステークスでは余程無理な位置から、大外一気の末脚でモズアスコット以下を差し切って見せたダイアトニック。ラスト1Fの伸びはまさに秀逸で、あのパフォーマンスがマイルでも出し切れるなら面白い存在。勝ち星の大半が1400mと少し偏りがあるものの、その懸念すら一蹴するだけの勢いを感じさせるから怖い1頭だろう。鞍上は先週のエリザベス女王杯でラッキーライラックを覚醒させた名手C.スミヨン騎手。またあの鬼脚を今週も見せてくれるかもしれない。
 

スワンステークス直後

 

2019年10月26日 スワンステークス 芝1400m 京都競馬場

1着:ダイアトニック 牡4 (C.スミヨン)
2着:モズアスコット 牡5 (岩田康誠)
3着:マイスタイル 牡5 (横山典弘)

レースタイム:1:21.3(稍重)
レース上がり3ハロン:35.0
勝ち馬上がり3ハロン:33.6
 
外枠から好発を決めたダイアトニックは、前を見ながら中団よりやや後方のポジションでレースを進めた。イエローマリンバ、セイウンコウセイ、トゥザクラウンと続く展開も平均的な流れ。道中も隊列に大きな変化はなく、4コーナーの下りから勢いを付けて各馬直線コースから一期の追い出し。先行勢からマイスタイルがいち早く抜け出すも、それに襲い掛かるモズアスコット。そしてその外からダイアトニックが並びかけゴール前で3頭が激しく叩き合う接戦となったが、僅かに勢いで差し切ったダイアトニックが連勝で初の重賞タイトル獲得。1400mはまさに鬼適性を誇る1頭だろう。
 

スワンステークス直前

 
スミヨン騎手を背に坂路で好タイムを記録するダイアトニック

スミヨン騎手を背に坂路で好タイムを記録するダイアトニック

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シルクホースクラブの現4歳世代で最も調子付く上がり馬と言って良いのがこのダイアトニック。ロードカナロア産駒で短距離路線を躍進するフレッシュな1頭だ。前走の安土城ステークスもまさに圧勝のひと言で、既に重賞クラスの実力がある事は間違いない。その中で間隔を詰めて使わずにじっくりと成長を促すのは安田隆行厩舎ならではのローテーションか。さすが名スプリンターを何頭も生み出すだけの腕と知見である。そして満を持しての重賞制覇がこのスワンステークスなら、来年以降の大舞台も視野に入って来るだろう。
 

安土城ステークス直後

 

2019年5月26日 安土城ステークス 芝1400m 京都競馬場

1着:ダイアトニック 牡4 (北村友一)
2着:リバティハイツ 牝4 (藤岡佑介)
3着:リライアブルエース 牡6 (中谷雄太)

レースタイム:1:19.6(良)
レース上がり3ハロン:34.3
勝ち馬上がり3ハロン:33.7
 
道中は慌てず中団の位置からレースを進めたダイアトニック。ペースも淀み無く流れて差しにはお誂え向きの展開となった。持ったままで直線を迎えると、GOサインを出してからはアッという間に先頭へ立ち独走態勢に。内からリバティハイツが追い上げるものの、それもしっかりと振り切って貫禄の5勝目を飾った。前走の内容を鑑みても明らかに重賞で勝ち負け出来る素材。今後は秋の大舞台に向けて着実に駒を進めて行きたいところ。
 

ダービー卿チャレンジトロフィー直後

 

2019年3月30日 ダービー卿チャレンジトロフィー 芝1600m 中山競馬場

1着:フィアーノロマーノ 牡5 (川田将雅)
2着:プリモシーン 牝4 (福永祐一)
3着:マイスタイル 牡5 (横山典弘)

レースタイム:1:31.7(良)
レース上がり3ハロン:35.2
勝ち馬上がり3ハロン:34.8
 
外枠スタートから流れに任せて後方待機となったダイアトニック。小細工なしの実力に挑み、道中はジッと我慢で直線勝負に賭けた。4コーナーで外を回さず内から上がって行くと、直線スペースを見つけて追い出すや否や一気に加速。グングン追い込んで行くと、最後は前3頭に肉薄する走りで4着入線、初重賞の1戦としては見事なパフォーマンスだったのではないだろうか。鞍上は枠の差を悔やんでいた様子だった。
 

ダイアトニック

 
ダイアトニック(トゥハーモニー2015)

ダイアトニック(トゥハーモニー2015)

牡馬

父馬:ロードカナロア
母馬:トゥハーモニー
母父:サンデーサイレンス
所属:安田隆行厩舎(栗東)
生産:酒井牧場
馬主:シルクレーシング

通算成績:11戦6勝(6-2-1-2)
主な戦績:スワンステークスなど
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ロードカナロア×サンデーサイレンスはアーモンドアイと同配合、同じ年度募集の牡馬にも隠れ当たり産駒がいたという事か。近親にはローマンエンパイア、更に遡ればコンゴウリキシオーがいる牝系であり、意外に底力もあるファミリーだろう。実際、母の産駒に複数勝利をあげている実績馬も多く、京王杯スプリングカップ2着のレオプライムなども。そういう意味で、ロードカナロアを配合して重賞級の馬が出て来るというのは自然な流れと考えるべきか。
 

血統背景

 
ロードカナロア キングカメハメハ Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
マンファス ラストタイクーン
Pilot Bird
レディブラッサム Storm Cat Storm Bird
Terlingua
サラトガデュー Cormorant
Super Luna
トゥハーモニー サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
エアレジェーロ アレミロード Tom Rolfe
Why Me Lord
アルパインスウィフト Storm Bird
La Dame Du Lac


 

兄弟馬

 
レオプライム(トゥハーモニー2007)

レオプライム(トゥハーモニー2007)

牡馬

父馬:サクラバクシンオー
母馬:トゥハーモニー
母父:サンデーサイレンス
所属:友道康夫厩舎(栗東)
生産:酒井牧場
馬主:レオ

通算成績:21戦5勝(5-2-0-14)
主な戦績:心斎橋ステークスなど
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近親馬

 
ローマンエンパイア(ローマステーション1999)

ローマンエンパイア(ローマステーション1999)

牡馬

父馬:サクラローレル
母馬:ローマステーション
母父:Law Society
所属:古川平厩舎(栗東)
生産:中島牧場
馬主:ターフ・スポート

通算成績:26戦5勝(5-5-1-15)
主な戦績:京成杯など
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血統評価:1.0pt

 
母はコスマーの18.75インブリードで一族としては、アルマームード一族だが直結のファミリーとしては日本実績馬はおらず、ストームバードにサンデーサイレンス、ロードカナロアとかさねているのは良いがアレミロードをはさんでしまっているのが残念な血統だろう。血統背景からの強調材料としては弱い。
 

前評判

 
1歳時のセレクションセールにおいて3240万円で落札、それをシルクにおいて4000万円で募集をしていた経緯を考えると、馬のデキそのものが当時でかなり良かったという事だろう。実際、血統背景を見ても申し分なく、ロードカナロア産駒の活躍を今になって思えばかなりのお買い得な1頭である。更に付け加えるとこの産駒の預託先が安田隆行厩舎というだけでも買いの一手だった。
 

馬名の意味

 

7音構成の音階

 
母名より連想してのネーミングか、相変わらずシャレている。

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