グリーンカルにテオブロミンが混入

 
競馬場内でも取り急ぎお知らせの看板を設置

競馬場内でも取り急ぎお知らせの看板を設置

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JRAの子会社で競馬関係の保守業務や環境マネジメント、設計監理といった全体のサポートを担当しているJRAファシリティーズ。こちらが厩舎に納入している飼料添加物『グリーンカル』の中に、禁止薬物として指定されているテオブロミンが混入している事が判明した。それが先週の金曜日遅く、そこから1頭1頭血液検査をする事は物理的に不可能という事で、週末に出走予定の納品した厩舎所属の馬は全て除外対応するという一大騒動にまで及んだ。その為、メイン重賞の函館スプリントステークスは6頭除外の7頭立てで執り行われる事態となった。
 

検査前の商品を納入した事が原因か

 
JRAが発表したものとしては、成分をチェック→クリア→商品として納入するフロウの中で、何かの手違いにより検査前のものを厩舎に届けてしまったのだとか。その中でテオブロミンが混入したグリーンカルが混ざってしまい今回の事件に発展。しかしながら、結果としてレース後の検査で出てしまってからでは更に大事になっていただろう。ある意味でギリギリとは言え週末の段階で未然に防いだというのは怪我の功名ではないだろうか。一斉除外というのも少々強引ではあるが、“公平性を保つ”というJRAの絶対的コンセプトから考えると最善の処置とも取れる。
 

余波は宝塚記念にまで影響

 
検査対象となった鮫島厩舎のタツゴウゲキ

検査対象となった鮫島厩舎のタツゴウゲキ

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今回の一件で調査対象となった鮫島厩舎。今週の宝塚記念にタツゴウゲキが出走予定だったのだが、対象薬物の効果が10日間程との事で、発覚から翌週となる宝塚記念の週の馬にも血液検査が行われた。やはりGⅠクラスの出走予定馬がこういった事で除外になってしまうというのは盛り上がりにも欠ける事に繋がる。幸い、結果として検査した馬全てが陰性だったが、JRAとしてもファンとしてもヒヤヒヤする1週間となっただろう。気持ち良い春のグランプリを見届けたいものである。
 

除外馬への優先措置

 
15、16日で除外対象となった156頭に対して、JRAは次走の優先出走権付与期間を2ヶ月延長する事も発表している。馬主や厩舎側を配慮した措置とも取れる今回の対応だが、水面下の話にはなるが支給される予定だった出走手当などの補助金など金銭面での補填も行われているのではないだろうか。いずれにせよ、大幅な売上低下に繋がってしまった先週の競馬と言い、JRAとしては信頼を含めて大きな損害を生んでしまったのは間違いない。
 

まとめ

 
以上、グリーンカル問題についてのまとめ。

筆者的には、今回の騒動で1番に感じた事は『検査など常日頃しっかりしているんだな』という新たな発見。言っては何だが、飼料添加物という小さなカテゴリーの商品に対してもチェック業務を疎かにしない姿勢が今回の一件から見て取れる。当然、人間が行う作業において完璧なものはなく何かしらの作業工程のミスで検査前のモノが納品されたのだろう。しかし、前述にもあるがそれを明るみにしたのも出走前の段階。ある種のファインプレーと言って良いのではないだろうか。

日々、数十億円が動く競馬の世界。そういう意味で、こういった小さな事でも被害は相当な所に及んでしまう。時期が時期だけに競馬ファンの信用を大きく失うところだったが、案外筆者のようにJRAの組織というものを見直した人も少なくない筈。今後もしっかりとした態勢で運営を続けて行って欲しい。

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