ダートでは底が分からず

 

2018年07月22日 3歳未勝利 ダート1800m 中京競馬場

1着:クイックファイア 牡3 (川又賢二)
2着:ヴィンセント 牡3 (鮫島克駿)
3着:アトス 牡3 (福永祐一)

レースタイム:1:54.4(良)
レース上がり3ハロン:38.6
勝ち馬上がり3ハロン:38.6
 
スタートからゴールまでレースに全く参加していないグランソード。この内容では能力がどうこうという話では無く、初めての実戦で馬がパニック状態になったとしか思えないレベルである。陣営も頭から叩き台という感じで捉えていたのだろう、リアルなレース選択で言えば今回が実質の初戦と言える。芝2600m、ハーツクライ産駒が得意とする所だ。前走の走りはノーカウントとし、ここで改めてグランソードの真価を問いたい。
 

姉から弟へバトンタッチ

 
まるで示し合わせたかの様なデビューのタイミングと言える。姉ファンディーナが引退宣言した直後に弟グランソードのデビュー戦。厩舎が同じだけに合わせたとも取れるが、そこまでして馬のローテーションを決めている訳でも無いだろう。姉が競走馬生活の後半を失意のまま終えてしまっただけに、ここは弟がその分まで活躍しなければ一族に遺恨が残る。いきなり動けるかどうかは難しいが、徐々に競馬に慣れてくれば血統的にもいずれグンと良くなって来る筈。先ずは森裕太朗騎手で中京のダート戦を駆け抜ける。
 

グランソード

 
グランソード(ドリームオブジェニー2015)

グランソード(ドリームオブジェニー2015)

牡馬

父馬:ハーツクライ
母馬:ドリームオブジェニー
母父:Pivotal
所属:高野友和厩舎(栗東)
生産:谷川牧場
馬主:ターフスポート

通算成績:1戦0勝(0-0-0-1)
主な戦績:特になし
via google imghp
 
兄ナムラシングン、姉ファンディーナと立て続けにクラシック級を輩出した母ドリームオブジェニー。ハーツクライに父が変わって大物かハズレかという確率は上がったが、ヴィクトワールピサで実績がある以上、駄馬は出ないだろう。馬格があるだけに仕上がりに時間は掛かるかもしれないが、いずれにせよ血統的に奥手のタイプ。古馬になってから長距離戦線でジワジワと覚醒して来るパターンかもしれない。
 

血統背景

 
ハーツクライ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
アイリッシュダンス トニービン カンパラ
Severn Bridge
ビューパーダンス Lyphard
My Bupers
ドリームオブジェニー Pivotal Polar Falcon Nureyev
Marie d'Argonne
Fearless Revival Cozeene
Stufida
Glia A.P.Indy Seattle Slew
Weekend Surprise
Coup de Genie Mr.Prospector
Coup de Folie


 

兄弟馬

 
ナムラシングン(ドリームオブジェニー2013)

ナムラシングン(ドリームオブジェニー2013)

父馬:ヴィクトワールピサ
母馬:ドリームオブジェニー
母父:Pivotal
所属:高野友和厩舎(栗東)
生産:谷川牧場
馬主:奈村睦弘

通算成績:12戦3勝(3-3-2-4)
主な戦績:宮崎特別など
via google imghp
 
ファンディーナ(ドリームオブジェニー2014)

ファンディーナ(ドリームオブジェニー2014)

牝馬

父馬:ディープインパクト
母馬:ドリームオブジェニー
母父:Pivotal
所属:高野友和厩舎(栗東)
生産:谷川牧場
馬主:ターフスポート

通算成績:7戦3勝(3-0-0-4)
主な戦績:フラワーカップなど
via google imghp
 

近親馬

 
Bago(Moonlight's Box2001)

Bago(Moonlight's Box2001)

牡馬

父馬:Nashwan
母馬:Moonlight's Box
母父:Nureyev
所属:Jonathan E.Pease厩舎(仏)
生産:Famille Niarchos(仏)
馬主:Famille Niarchos

通算成績:16戦8勝(8-1-5-2)
主な戦績:凱旋門賞、パリ大賞典、ガネー賞など
via google imghp
 
Emolient(Soothing Touch2010)

Emolient(Soothing Touch2010)

牝馬

父馬:エンパイアメーカー
母馬:Soothing Touch
母父:Touch Gold
所属:William I.Mott厩舎(米)
生産:Flaxman Holdings(米)
馬主:Juddmonte Farms

通算成績:17戦6勝(6-2-1-8)
主な戦績:アメリカンオークス、ロデオドライブステークスなど
via google imghp
 

血統評価:2.8pt

 
ノーザンダンサーやデインヒル、マキャベリアンを出しているナタルマ一族は世界的繁栄ファミリーと言えるし、ナタルマの母アルマームードとなればヘイローを経由してサンデーサイレンスの繁栄にも貢献しており、その点で、アルマームードの25%インブリードがありヘイロー産駒のCoup de Folieは貴重な超良血と言えるのでマキャベリアンが種牡馬として成功しているのも頷ける。そこにミスタープロスペクターをかけて生まれたCoup de Genieもまた貴重な血統構成でそこにヌレイエフをかけたMoonlight's Boxの産駒に凱旋門賞馬のバゴが出たのも頷ける。そうするとバゴは日本馬場にはあわなくても種牡馬としては貴重なのでヨーロッパに戻すのもありだと考える。祖母のGliaもエーピーインディ産駒なので悪くはないがPivotal産駒で現役実績のなかった母ドリームオブジェニーの評価は低かったのにも頷けるが、ナムラシングン、ファンディーナと連続で結果をだしており、谷川牧場のディープインパクトという挑戦は評価にあたいするだろうしファンディーナの繁殖としての可能性はかなり高いと言える。兄弟2頭が重賞クラスなので当然当馬の血統背景はかなり良く期待は大である。
 

前評判

 
『乗り役の言う事を素直に聞く従順な性格でとにかく賢いですね。稽古の時も勢いが付いて来るとグッと重心を低く走るフォームになって、その時はファンディーナにそっくりです。現状はまだ緩さが残っているので、今後体幹がしっかりしてくれれば言う事はありません。姉以上の活躍を期待しています』との事。ここまで走るイメージしか湧かない馬も珍しい。デビュー時期さえ間違わなければ、ほぼ間違いなく有力馬には上がって来るだろう。
 

馬名の意味

 

偉大な、大きな(フランス語)+剣

 
名前は一般的な単語の掛け合わせで及第点。後はどこまで走って来るかで、この馬名の聞こえ方が変わって来るというものだ。名馬クラスになる事を期待したい。

関連記事

関連タグ

著者