宝塚記念直前
未知なる怪物クリンチャーが大暴れの予感。前走の天皇賞春はスムーズにレースを運べず、不完全燃焼のまま終わってしまった。体調もすこぶる順調で、叩いて叩いてこその1頭だけに今回の宝塚記念が一番の狙い目ではないだろうか。梅雨時期で馬場が悪くなるなどの条件も本馬にとっては歓迎材料、後は三浦騎手が上手く直線コースへ導いてあげれれば潜在能力はここでも十分通用するレベルにある。アッと驚くシーンを見せられるとするならばやはりクリンチャー以外にはいない。
天皇賞春直前
上位人気を脅かす存在として一番不気味な存在は何と言ってもこのクリンチャーだろう。激走すればとんでもないパフォーマンスを発揮するタイプで、展開次第では勝ち切る能力は十分。特に京都コースに関しては菊花賞2着含め4戦全てが3着以内と完璧な立ち回りを見せる舞台だ。思えば昨年の天皇賞春でも3着と入っているだけにかなり期待が持てる1戦となる。週末の天気が微妙な点も同馬の好走を後押しする要素かもしれない。
日経賞直前
昨年のフランス遠征から成績が伴わないクリンチャー。しかし、同馬は元々安定感に欠けるタイプで決して調子が崩れたというものでも無いだろう。普通に条件と展開が向けばGⅡでもあっさりの能力は秘めているだけに、今回はレース運びがしやすそうなメンバー構成からしてチャンスはある筈。昨年の天皇賞春で3着に入った時の三浦騎手が鞍上なだけに、意外と良いイメージのまま競馬に入ってくれそうだ。再復活を果たして、次の天皇賞春へ堂々と駒を進めたい。
有馬記念直前
今回初騎乗となる福永祐一騎手が、2週連続で跨がり追い切られその感触を確かめた。動きについては申し分なく、後は他馬との兼ね合いでどうレースを進めるかという焦点に尽きる。が、そうは言っても先行してしぶといタイプだけにある程度のポジションに付けるのは間違いないだろう。凱旋門賞では見せ場の無い競馬に終わってしまったが、さすがに日本へ帰って来たとなると訳が違う。帰国初戦が懸念されて人気薄ならば、今年の台風の目はまさにクリンチャーしかいない。
凱旋門賞直前
フォワ賞でひと叩きされて状態は確実に良化中のクリンチャー。元々、叩いてこそのタイプであり前走の負けを気にしなくて良いキャラクターである。その事を武豊騎手も十分に理解しており、現地での取材に対して『この馬は人気のない時に走ってるからね。その意外な部分を期待したい』とコメント。馬場が渋る事も好走条件のひとつとなるが、大逃げや荒れた展開時に上位争いへ加わっているシーンは十分に有り得るだろう。武豊騎手が偉業達成した勢いに乗じて、世界一の舞台でも人馬共に躍動して欲しい限りだ。
フォワ賞直前
今年の凱旋門賞で日本から唯一挑戦するクリンチャー。これまでの競馬ぶりからも力の要る重馬場には絶好の相性を誇るタフが売りの同馬。今年の京都記念でもレイデオロ、アルアイン、モズカッチャン、ディアドラといったGⅠ馬4頭相手に堂々の差し切り勝ちを収めている事からも全く軽視出来る存在ではない。今回のフォワ賞における走りでロンシャン競馬場の馬場適性を推し量る事が出来よう。これまで人気薄での激走を続けて来た1頭だけに、本番でもまさかのパフォーマンスを発揮する可能性は十分有り得るだろう。
プロフィール
“ディープスカイ×ブライアンズタイム”というコテコテのパワータイプ型配合とも言えるクリンチャー。重馬場の京都記念や不良馬場での菊花賞など、泥濘んだ馬場で更に走りが向上するのは既に周知の事実だろう。とは言え、レコード決着だった皐月賞でハイペースを演出、先行勢では只1頭掲示板に粘り込んだ内容を考えても高速決着にすら対応出来るポテンシャルの高さは見逃せない。穴馬的なキャラクターに位置づけられているが、レイデオロ世代でもトップクラスの潜在能力を秘めており海外競馬の適正にハマれば凱旋門賞でも侮れないだろう。
血統背景
ディープスカイ | アグネスタキオン | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
アグネスフローラ | ロイヤルスキー | ||
アグネスレディー | |||
アビ | Chief's Crown | Danzig | |
Six Crowns | |||
Carmelized | Key to the Mint | ||
Carmelize | |||
ザフェイツ | ブライアンズタイム | Roberto | Hail to Reason |
Bramalea | |||
Kelley's Day | Graustark | ||
Golden Trail | |||
ミスシャグラ | Danzig | Northern Dancer | |
Pas de Nom | |||
Dusty Dollar | Kris | ||
Sauceboat |
兄弟馬
近親馬
血統評価:1.0pt
一族には別枝でハービンジャーもいるがファミリーの日本実績はほとんどない中で母はある程度の産駒を出し続けている印象、その中でも突出して成績を出しているのでダンジグのクロスがハマった印象か。
前評判
新馬戦では11番人気12着大敗、動きも地味でなかなか評価の声は上がらなかった。しかし、叩き2走目の未勝利戦と続くすみれステークスを圧勝。皐月賞でも4着入線と次第にその潜在能力を引き出しクラシック戦線を大いに盛り上げた。遠く遡れば近親にハービンジャーがいる良血の部類であり、そういう意味で重馬場に適性が高いというのも深く頷ける血統構成だ。基本的には人気の集まらない馬券的妙味の高いキャラクターでもある。
馬名の意味
怪物
日本のみならず、世界にその怪物ぶりを轟かせる存在になって欲しい。
父馬:ディープスカイ
母馬:ザフェイツ
母父:ブライアンズタイム
所属:宮本博厩舎(栗東)
生産:平山牧場
馬主:前田幸治
通算成績:15戦3勝(3-1-2-9)
主な戦績:菊花賞2着、京都記念など