相も変わらず勢いが衰える事を知らないキャロットファーム。もはや社台グループの1番手はサンデーレーシングでは無く同クラブと言っても過言ではないだろう。繁殖牝馬の豪華ラインナップは他の追随を許さず、毎年の様に大物や重賞馬を輩出する打率の高さはPOGのみならず、一口馬主のファンにとっても非常に心強い存在だ。今年も高額募集馬ランキングを敢行、指名馬の選定などにお役立て頂ければこれ幸いである。
キャロットファーム所属高額馬一覧
ヴァーダイト|クリソプレーズ2017
言わずもがな、キャロットの屋台骨であるクリソプレーズ産駒のヴァーダイト。全姉にマリアライトがいる良血だが、母の産駒自体は少し体が弱い面もありデビュー時期が最大の注目ポイントだろう。音無秀孝厩舎に預託という点はかなり評価して良く、後はただただ無事に競馬で走ってくれる事を願うのみ。ターフに姿を現せば、普通に結果は出して来るに違いないのだから。まともなら重賞の1つや2つは軽い。
アブソルティスモ|ラドラーダ2017
如何にも重戦車、といった表現がピッタリのラドラーダ産駒アブソルティスモ。父がダイワメジャーに替わって一気に馬格のある短距離仕様へシフトチェンジしているのが目に見えて分かる。全兄ティソーナが早い内から結果を出しているだけに成長曲線は同じイメージだろう。2歳から3歳春で結果を残すための配合とも言え、逆を言えば使い出しが遅くなればなる程リスクも上がって来る。
フォアシュピール|ミュージカルロマンス2017
母ミュージカルロマンスはアメリカのGI馬で、産駒は毎年の様に人気を集める注目の血統である。上にキラーコンテンツ、セリユーズとまだ結果は伴っていないものの素質ある走りで可能性は十分に感じる一族である。今回のフォアシュピールも1億円募集という強くの値段設定であるものの、動きは特に評価されて良いレベル。遅生まれという点が気がかりだが、馬の成長が噛み合えばクラシック戦線に乗って行ける1頭ではないだろうか。手塚貴久厩舎の腕の見せ所である。
ブレッシングレイン|レインデート2017
2018年のセレクトセールで約7000万円で落札されたブレッシングレイン。今年のキャロットでも異色の募集経緯という事もあり注目の的になっているが、馬体から見た評価はすこぶる高い。母の実績はまだ無いものの、血統的な見地から言えば大物が出て来てもおかしくはない。勢いのある木村哲也厩舎だけに早めデビューが決まればすんなりとクラシックに乗って来る可能性は高い。
サンクテュエール|ヒルダズパッション2017
毎年の様に話題の馬を提供してくれるヒルダズパッション産駒。今年も例に漏れずディープインパクト産駒の牝馬が登場だ。全兄ジークカイザー、ヴェルテアシャフトの流れからすれば決して駄馬では無い筈。後は初の牝馬という点で馬の質が上位互換されれば、重賞級の馬が出て来ても何らおかしくはない。藤沢和雄厩舎だけに残り少ない期間でGIタイトルを積極的に狙って来るのではないだろうか。牝馬の仕上げは特に上手いだけに安心感がある。
トゥルーヴィル|レディドーヴィル2017
母レディドーヴィルは海外で重賞勝ち含む6勝をあげた活躍馬。全兄のレプランシュが早くからある程度の走りを見せている事からも、同配合のトゥルーヴィルが全く走らないという事は無いだろう。逆を言えばそこまで大物が出る様なイメージも無く、上手く行って重賞でそこそこ走るかどうかレベルの類。キャロットの上位募集馬にしては珍しく栗東の斉藤崇史厩舎に預けるという真意はどこにあるのか。ある意味で興味深い。
アクニディ|サミター2017
母サミターはアイルランドの1000ギニー王者、実質の初年度産駒であるダノンチェイサーがいきなりきさらぎ賞を勝つなどして実績を残しているのはさすがのひと言。その全兄がセールで2億7000万円の落札額だった事を考えると、牝馬という点を差し引いても7000万円は相当にお値打ち価格。普通なら高いが、先に結果が出ている馬との比較は非常に物差しとして分かりやすい。厩舎にクラシック実績が無いのは少し割引材料だろう。
ファーストフォリオ|シーザリオ2017
昨年のホープフルステークスで3頭目のGI馬を輩出した名牝シーザリオ。今年はキングカメハメハ産駒の牝馬ファーストフォリオを送り出して来た。全兄リオンディーズがいる血統だが、この一族は何故か牡馬でしか結果を出せていないところが焦点になるだろう。栗毛というのも珍しく、色んな意味で今までの産駒とは異なったタイプの1頭になる。須貝厩舎の仕上げに期待したい。
カイザーライン|アヴェンチュラ2016
秋華賞馬アヴェンチュラ産駒のカイザーライン。2つ上のデサフィアンテ、1つ上の全兄が共に勝利をあげておらず、特に兄は体質が弱くデビューすら出来ていないのが現状だ。この一族はやや体質に難点があり、成長面でのネックを考慮して選びたいが、カイザーラインに関してはエピファネイアの影響かかなりしっかりとした馬体でその部分は解消出来ていそうなイメージがする。後は、エピファネイア×ジャングルポケットという配合でどこまでやれるか。
レイパパレ|シェルズレイ2017
ホープフルステークス、CBC賞を制したシャイニングレイが全兄にいるレイパパレ。ディープインパクト×クロフネの配合は既に幾つも実績を残す成功配合であり、故障など余程の事態が起きない無い限り未勝利に終わるという事は無いだろう。そのシャイニングレイを管理した高野友和厩舎という点も心強く、後は母の高齢出産でどこまで良い体質の産駒が産まれているかだ。デビューまではすんなりと漕ぎ着けたい。
リリレフア|リリサイド2017
半姉に昨年のエリザベス女王杯を制したリスグラシューがいるリリフレア。その姉は、本格化してからというもの牡馬相手でも互角に渡り合える程の馬に成長しており、一族の血のレベルを証明して見せた。そして、新種牡馬で大爆発のロードカナロアが父のリリフレア。これはもはや姉以上の活躍馬になる事が宿命付けられた1頭と言っても過言ではない。この6000万円という価格設定が破格という事を見せ付けてもらいたい。
クロスキー|リッチダンサー2017
キャロットで一番の安定株と言っても良いリッチダンサー産駒のクロスキー。重賞馬2頭に、ほぼ全ての産駒が複数勝利をあげるという並外れた繁殖力を有するファミリーである。そこに既に実績があるハーツクライ産駒(全兄フラットレー)で国枝厩舎なのだから、先ず持って初勝利はクリアしてくれる筈だ。フラットレー自身は1勝に終わっているが、新馬でのパフォーマンスは圧倒的だっただけに後は精神面の安定次第か。とにかく放っておいても普通に走って来る。
ゴールドティア|ヒストリックスター2017
怪物牝馬ハープスターの半妹にあたるゴールドティア。高名なアンティックヴァリュー→ベガ一族の系譜だが、母ヒストリックスターの繁殖力はそのハープスターで周知の通り。しかし、それ以外ではまだ続けての実績が残せていない。今回初のキングカメハメハ産駒となるが、どう考えてもこのファミリーにキングカメハメハの血が合わないとは想定し難く、心身共に健全ならば複数勝利も手堅い1頭ではないだろうか。池添学厩舎で初タイトルを獲得するのはこの馬かもしれない。
ライティア|シンハリーズ2017
ご存知、名繁殖牝馬シンハリーズのディープインパクト産駒ライティア。これまで、アダムスピークにリラヴァティ、そして全姉にあたるシンハライトが重賞やGⅠを勝つ活躍、その他の産駒も基本的にはクラシック戦線にしっかりと顔を出す至極の安定感で常に注目の的となるファミリーだ。今回も当然ながらこの配合で走らないイメージが付かず、普通にデビューすればトントンと重賞クラスに上がって来ると推測する。小柄な方が良いが、極端に小さいのは避けたいところ。
サンテルノ|フォンタネリーチェ2017
母フォンタネリーチェはイタリアで重賞を勝つなど活躍した馬。母系はアイルランド産で、紐解けばバブルカンパニーに行き着く日本でもゆかりのある血統である。即ち遠い親戚にバブルガムフェローやザッツザプレンティなどがおり、日本競馬にも十分対応出来るだろう。父ハーツクライでどこまで全体的な底力が補填されているか。池添学厩舎の腕がなるところ。
サクセッション|アディクティド2017
マイラーズカップ勝ち馬クルーガーの全弟となるサクセッション。その他の産駒3頭は走らず、この配合だけが成功している為、キングカメハメハ産駒の同馬にかかる期待は大きい。但し、母系的に成長曲線がやや遅めの印象で短距離志向という事もあるのでクラシック向きかと言われるとやや疑問符は付く1頭。それでも、厩舎が厩舎だけにしっかりと既定路線には乗せて来てくれるのだろう。
ラクンパルシータ|クルソラ2017
母クルソラはアルゼンチンのGⅠ馬で、産駒にピオネロやクルミナルがいる優良な繁殖牝馬。そこにハーツクライが掛け合わせられ、クラシック向きの長距離仕様となった1頭か。母系が比較的仕上がり早で、走る産駒はいずれも新馬から勝ち負けとなっている。使い出し次第では3歳春の時点でもタイトルを狙える位置にいる可能性は十分ある。
キングサーガ|ディアマイベイビー2017
近親に2歳牡馬チャンピオンのゴスホークケンがいるキングサーガ。まだ大きな成功例はないが、キングカメハメハ×ディープインパクトの配合も基本的にはニックス配合だろう。母自体も2歳に2勝をあげる活躍を見せており、早めから能力を出し切れる一族。上手くハマればクラシックや重賞タイトルを取れるだけに下地は揃っていると言えよう。何より預託厩舎が心強い。
まとめ
以上、キャロットファームの2017年産駒募集馬の5000万円までを上位掲載。
今後はその他有力クラブの同ランキングも掲載予定となっております。どうぞお楽しみに。
尚、これらの記事は随時更新予定ですので引き続き御覧下さい。
今後はその他有力クラブの同ランキングも掲載予定となっております。どうぞお楽しみに。
尚、これらの記事は随時更新予定ですので引き続き御覧下さい。
父馬:ディープインパクト
母馬:クリソプレーズ
母父:エルコンドルパサー
所属:音無秀孝厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:キャロットファーム
価格:1億2000万円
兄弟:マリアライト、クリソライト、リアファルなど