距離短縮で前進あるのみ

 

2018年04月22日 フローラステークス 芝2000m 東京競馬場

1着:サトノワルキューレ 牝3 (M.デムーロ)
2着:パイオニアバイオ 牝3 (柴田善臣)
3着:ノームコア 牝3 (戸崎圭太)

レースタイム:1:59.5(良)
レース上がり3ハロン:34.5
勝ち馬上がり3ハロン:33.4
 
フローラステークスでは好スタートからハナを奪いに行く姿勢を見せたカーサデルシエロ。結局は番手に落ち着いての追走となったが、道中は終始行きたがるのを鞍上が必死でなだめる形。直線入口では早々に力尽きて後は流すだけのブービー決着となった。血統的にも距離が長いのは明らかで、今回の1400m戦では巻き返しが見られるだろう。加えて、これがダイワエルシエーロ産駒の初騎乗となる福永祐一騎手の巧みなエスコートにも期待したい。
 

母と同じ舞台へ駒を進めたい

 
新馬戦を素質十分の走りで快勝したカーサデルシエロ

新馬戦を素質十分の走りで快勝したカーサデルシエロ

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3月にデビューを迎えたばかりのカーサデルシエロがフローラステークスに格上挑戦。母ダイワエルシエーロが制したオークスへ駒を進めるべく、今年から2着までとなった優先出走権を目指して強豪たちに挑む。藤原英昭厩舎は初戦からいきなり仕上げないタイプの調整方法だけに、2戦目で上積みがあってのパフォーマンスはもしかすると想像以上の走りかもしれない。さすがに厳しいチャレンジだとは思うが、そのハードルを越えて来るだけの逸材と見込んでの英断だろう。先週皐月賞をエポカドーロで制した陣営の勢いに乗っかるのも大いに有りだ。
 

直線の不利をはねのけ差し切りV

 

2018年3月10日 3歳未勝利 芝1600m 中京競馬場

1着:カーサデルシエロ 牝3 (北村友一)
2着:サクラユニヴァース 牝3 (津村明秀)
3着:ソルフェージュ 牝3 (小崎綾也)

レースタイム:1:36.7(稍重)
レース上がり3ハロン:36.4
勝ち馬上がり3ハロン:36.0
 
スタートを決めて逃げ馬の直後を追走するカーサデルシエロ。隊列はそのままで前にいる4~5頭を目標とし直線コースへ。しかし、ここから幾度と前を遮られる不利がありようやく大外に持ち出したのは直線半ばを過ぎてから。時すでに遅しと思われたが、そこからグンと加速して先に抜け出したサクラユニヴァースをゴール前で捉えて白星発進を決めた。タイムは平凡も、競馬の内容自体は非常に優秀で仮にストレートに走れていれば上がりも最速だっただろう。ダイワエルシエーロからようやく重賞が期待出来る産駒の登場だ。
 

藤原英昭厩舎からまた素質馬の登場

 
如何にもキレがありそうな馬体のカーサデルシエロ

如何にもキレがありそうな馬体のカーサデルシエロ

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フィニフティ、シグナライズと既に3歳牝馬戦線で看板馬を抱える藤原英昭厩舎。そのラインナップに加わりそうな隠れた良血がいよいよベールを脱ぐ。母はオークスなど重賞4勝のダイワエルシエーロ、父は世界的スプリンターとなったあのロードカナロア。この配合でスピードが無いという方が疑わしいレベルの組み合わせだろう。調整が遅れてデビューが3月になってしまったが、クラシックはともかく今後の活躍に期待したい1頭だ。
 

カーサデルシエロ

 
カーサデルシエロ(ダイワエルシエーロ2015)

カーサデルシエロ(ダイワエルシエーロ2015)

牝馬

父馬:ロードカナロア
母馬:ダイワエルシエーロ
母父:サンデーサイレンス
所属:藤原英昭厩舎(栗東)
生産:下河辺牧場
馬主:下河邉行雄

通算成績:2戦1勝(1-0-0-1)
主な戦績:3歳未勝利
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下河辺牧場生産でオーナーが馬主の為、若駒時代の主だった情報は無し。ダイワエルシエーロの産駒自体が3世代目だが、残念ながらまだ1勝も挙げていない点は多少気掛かりである。ただ、明らかに不釣り合いなブライアンズタイム産駒しかデビューしておらず、サンプル的には今回のカーサデルシエロが実質の初年度産駒と考えても良い。そういう意味でも注目の1頭である。
 

血統背景

 
ロードカナロア キングカメハメハ Kingmambo Mr. Prospector
Miesque
マンファス ラストタイクーン
Pilot Bird
レディブラッサム Storm Cat Storm Bird
Terlingua
サラトガデュー Cormorant
Super Luna
ダイワエルシエーロ サンデーサイレンス Halo Hail to Reason
Cosmah
Wishing Well Understanding
Mountain Flower
ロンドンブリッジ ドクターデヴィアス Ahonoora
Rose of Jericho
オールフォーロンドン Danzig
Full Card


 

兄弟馬

 
特になし
 

近親馬

 
グレーターロンドン(ロンドンブリッジ2012)

グレーターロンドン(ロンドンブリッジ2012)

牡馬

父馬:ディープインパクト
母馬:ロンドンブリッジ
母父:ドクターデヴィアス
所属:大竹正博厩舎(美浦)
生産:下河辺牧場
馬主:窪田康志

通算成績:14戦6勝(6-1-2-5)
主な戦績:東風ステークスなど
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キセキ(ブリッツフィナーレ2014)

キセキ(ブリッツフィナーレ2014)

牡馬

父馬:ルーラーシップ
母馬:ブリッツフィナーレ
母父:ディープインパクト
所属:角居勝彦厩舎(栗東)
生産:下河辺牧場
馬主:石川達絵

通算成績:11戦4勝(4-1-2-4)
主な戦績:菊花賞など
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血統評価:1.0pt

 
十分繁栄ファミリーとなったロンドンブリッジの最高傑作でG1馬、そして父SSとそろったダイワエルシエーロだったが仔出しが悪くここまで苦労した印象。このあとロードカナロア産駒が続くので相性がいいのか。実質ダイワエルシエーロの初産駒といってもいい血統構成も申し分なく現役だけでなく繁殖としても期待できる。
 

前評判

 
祖母ロンドンブリッジは下河辺牧場を支える繁栄ファミリーの屋台骨。そこからはダイワエルシエーロの他、ビッグプラネットやグレーターロンドン、更に派生した系譜からは菊花賞馬キセキを輩出するなど相当数の活躍馬を世に送り出している。その本系であるダイワエルシエーロからも間違いなく重賞級の馬が出て来るに違いなく、その1頭目になるのがカーサデルシエロかもしれない。
 

馬名の意味

 

天空の家(スペイン語)

 
母名のエルシエーロからインスパイアされてのネーミング。下河辺牧場出の馬名は非常に聞こえが良い。オーナーのセンスが良いのだろう。

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