アイビスサマーダッシュ直前
函館スプリントステークスで穴っぽい勝利を飾ったカイザーメランジェだが、元々は素質馬相手に最速の上がりで一気差しを決めるなどポテンシャルは相当に高かった1頭だ。それが逃げるあの形で花開いた訳だが、自在性があるという点では新潟の直線競馬は難なくこなせそうな予感。実際に2走前の韋駄天ステークスでも3番手でレースを運んでいる事からも、そこまで心配する事は無いだろう。重賞連勝ならサマーシリーズ制覇に王手。
函館スプリントステークス直後
2019年6月16日 函館スプリントステークス 芝1200m 函館競馬場
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好スタートからスッと前を取ったカイザーメランジェ。他馬が行く素振りもなくすんなりと先手を取りペースの主導権を握って前半は完全に流れを掌握。番手のアスターペガサスが突いて来るかと思いきや手応えが悪くなる勝負どころで更に間を置けたカイザーメランジェが、そのまま直線も後続に影を踏ませぬ走りで快勝。血統から来る洋芝適正と、馬場と流れを読み切った江田照男騎手の積極的なレース運びが勝利を呼んだと言っても過言ではない。
カイザーメランジェ
見事なまでにサクラブランドで固められた渋い血統のカイザーメランジェ。とは言え、父サクラオリオンは名牝Secrettame×Danzigの肌にエルコンドルパサーを掛け合わせた世界的名血の1頭であり、これくらいの産駒は輩出できる下地がある。母サクラジュレップもその全兄は重賞3勝をあげたサクラゴスペルがおり、そういう意味ではポテンシャルの高い血統の掛け合わせという事だろう。突然変異的な1頭ではなく、しっかりと狙って出したブラッドスポーツの極みとも呼べる存在。
血統背景
サクラオリオン | エルコンドルパサー | Kingmambo | Mr.Prospector |
Miesque | |||
サドラーズギャル | Sadler's Wells | ||
Glenveagh | |||
サクラセレステーム | Danzig | Northern Dancer | |
Pas de Nom | |||
Secrettame | Secretariat | ||
Tamerett | |||
サクラジュレップ | サクラプレジデント | サンデーサイレンス | Halo |
Wishing Well | |||
セダンフォーエバー | マルゼンスキー | ||
サクラセダン | |||
サクラブルース | Cure the Blues | Stop the Music | |
Quick Cure | |||
スループリンセス | Seattle Slew | ||
Lillian Russell |
兄弟馬
初仔
近親馬
血統評価:1.0pt
さくらコマースのプライベート血統ではあるものの父サクラオリオンは産駒が意外なほど走っている。セクレタリアトにダンジグにエルコンドルパサーと無駄がないのでこの結果も納得か。G1勝ちこそないものの名門にマルゼンスキーのサンデー産駒サクラプレジデントで血統内にSSを内包しているのも良い。たどればミスプロと同じ一族でそのミスプロの母自体のクロスも薄く入っているのもポイントだろう。運もあったが今後の飛躍と兄弟の活躍にも注目の1頭だろう。
前評判
あまりにもプライベートセレクトな血統であり、デビューするまで一切情報は無くその後も大敗続きで普通に未勝利で終わるかと思われていたカイザーメランジェ。それが地方での1勝と芝に転向した事がキッカケで一気にブレイク。切れ味鋭い末脚で着々とクラスを駆け上がり、遂には重賞タイトルまで獲得するに至っている。その走りの源は、血統内にあるGold Digger(Mr.Prospectorの母)の母系クロスだろう。
馬名の意味
オーストリア王の愛したコーヒー
響きから来るネーミングか。
2着:アスターペガサス 牡3 (小崎綾也)
3着:タワーオブロンドン 牡4 (D.レーン)
レースタイム:1:08.4(稍重)
レース上がり3ハロン:34.0
勝ち馬上がり3ハロン:34.0