エリザベス女王杯2019の結果

 

エリザベス女王杯2019の動画

 

レース回顧

 
好発を決めたラヴズオンリーユーがハナに立つ勢いで1コーナーに差し掛かるも、予想通りクロコスミアが内枠を利して先頭へ。後続にはクロノジェネシスやラッキーライラック、スカーレットカラーなどの上位人気馬がある程度前目のポジションで前残りを警戒する動きを見せた。しかし、想定よりも遥かに遅い前半1000m=62秒8のペース。しっかりと息を入れられたクロコスミアが4コーナーで更にリードを広げる形で直線コースへと入って行った。ラヴズオンリーユー以下、ジワジワと差を詰めるもまだ前は粘っている。そこへ瞬く間に内から突き抜けたラッキーライラックが1頭だけ別次元の脚を駆使して鮮やかに差し切り、女王復活の激走を披露。クロコスミアは同レース3年連続2着の好走で会場をアッと言わせた。
 

勝ち馬ラッキーライラック

 
ラッキーライラック

ラッキーライラック

牝馬

父馬:オルフェーヴル
母馬:ライラックスアンドレース
母父:Flower Alley
所属:松永幹夫厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング

通算成績:12戦5勝(5-2-2-3)
主な戦績:阪神ジュベナイルフィリーズ、エリザベス女王杯など
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好スタートから前に行くと思いきや、予想していたよりも控える形で先行集団の一角を見ながら追走したラッキーライラック。距離の関係もあってか折り合いに専念しながら、各馬の動向を探っている様なレース運びだった。4コーナーでまだ動かず、直線入り口で外へ回さずそのまま最内へ。すると一気にトップギアへ入れ替えグングン加速。逃げ粘るクロコスミアを一瞬の内に捕まえると、そのままゴールまで真一文字に伸びて1着でゴール。2歳時の阪神樹ヴェナイルフィリーズ以来となるGⅠタイトルを獲得して見せた。唯一の32秒台の末脚は、まさに女王たるに相応しいパフォーマンスと言える走りだっただろう。
 

レースを振り返ってのベスト予想

 
◎ラヴズオンリーミー
◯クロノジェネシス
▲ラッキーライラック
△スカーレットカラー
センテリュオ
ウラヌスチャーム
クロコスミア
×ポンデザール
サラキア
フロンテアクイーン
シャドウディーヴァ
サトノガーネット
 

馬連:想定11点:×不的中、三連単:想定180点:◯勝利

 
本命対抗単穴は人気上位3頭でスカーレットカラーは過剰人気か。連下は単勝30倍未満、紐は単勝100倍未満が理想の想定だっただろう。
 

全着順結果

 

RR:109.8 ※想定RR:109.2

 
                             
着順 馬番 出走馬 斤量騎手 評価タイム(着差) 本印 石川 田中 坂入 道永 単勝オッズ
1 2 ラッキーライラック 56.0 Cスミ 112.4 2:14.1 5.4
2 6 クロコスミア 56.0 藤岡佑 109.1 1.1/4 23.1
3 11 ラヴズオンリーユー 54.0 Mデム 111.5 クビ 2.5
4 12 センテリュオ 56.0 Cルメ 108.0 クビ 20.8
5 8 クロノジェネシス 54.0 北村友 112.6 クビ 3.5
6 17 サラキア 56.0 川田 109.7 クビ 57.1
7 16 スカーレットカラー 56.0 岩田康 106.6 1.1/4 7.7
8 9 アルメリアブルーム 56.0 武豊 106.0 クビ 108.8
9 13 サトノガーネット 56.0 坂井 102.8 3/4 × × 84.0
10 10 フロンテアクイーン 56.0 津村 105.1 クビ 65.2
11 4 ウラヌスチャーム 56.0 Oマフ 105.5 1.1/4 21.3
12 14 ゴージャスランチ 56.0 103.0 1.1/4 × 126.7
13 7 レイホーロマンス 56.0 岩崎 100.5 1 199.7
14 18 レッドランディーニ 56.0 池添 101.0 クビ 199.7
15 3 シャドウディーヴァ 54.0 松山 102.2 アタマ × × × 72.4
16 5 ポンデザール 56.0 藤岡康 94.0 1.3/4 × 44.3
17 15 ミスマンマミーア 56.0 浜中 91.0 1.1/4 166.3
18 1 ブライトムーン 56.0 福永 94.7 1.1/2 137.8


 

危険な人気馬結果 ラヴズオンリーユー→3着(1番人気)

 
道中はよもやの2番手と会場をざわつかせたが、結果として4コーナーでの反応の鈍さを見るとやはりぶっつけという事がかなりビハインドになっていたと言わざるを得ないだろう。それでも、ラッキーライラック以外の後続には抜かせていない様に、能力があるところは見せ付けている。何より、クロノジェネシスにはあっさりと先着している事からも3歳世代の最強牝馬はラヴズオンリーユーだろう。
 

穴馬予想結果 センテリュオ→4着(5番人気)

 
事前の予想オッズよりもかなり人気を集めていたセンテリュオ。ルメール人気もあったのだろうが、やはり京都コースの2200mは如何にも走りやすそうな舞台だったと言える。最後は外を回っていた分のコース取りの差とも言え、ラヴズオンリーユーを目の前にしていた事も踏まえるとレースをしにくかった面はあった筈。それでも差のない4着なら十分合格点の走りだった。
 

配当&本印予想結果

 
馬連予想 ⑧⑪-②④⑤⑥⑩⑫⑰  不的中
単勝 2 540円 枠連 1-3 2,600円
複勝 2 190円 ワイド 2-6 970円
6 330円 2-11 430円
11 140円 6-11 940円
馬連 2-6 3,380円 馬単 2→6 5,440円
三連複 2-6-11 4,060円 三連単 2→6→11 26,480円


 

編集部の回顧

 
勝ち馬ラッキーライラックについて、叩いた上積みが大きく、鞍上のレース運びもさすがだがここは能力の違いをみせた。上がりがとにかく優秀であり、スタート後からもしっかりと折り合い内容としては素晴らしいものがある。2着馬クロコスミアについて、展開がとにかく向いたかたちだが自分のペースに持ち込んだら本当に強いものがある。3年連続結果を残すのは能力がないと難しいので、この馬の強さはしっかりと見せている。3着馬ラヴズオンリーユーについて、直線伸びているのだが思ったより弾けず。これはもう結果論だが休み明けの分だろう。次走に期待。(石川)
 
ラッキーライラックが勝ち切るまでの頭は全くなく、やはり石橋脩騎手が乗っていた時の残像でしか判断出来ていなかったという事だろう。スミヨン騎乗で能力を前回に発揮出来た時はまさに鬼脚、アーモンドアイにも迫る様な強烈なパフォーマンスだったと言える。騎手一つでこれだけ走りが変わるのは珍しいが、やはり世界No.1の騎手が乗るとこうなるものか。クロコスミアは本当に素晴らしい。期待通りの走りをするというのもなかなか難しいものだが、藤岡佑介騎手のクレバーなペース配分は見ていて非常に面白かった。ラヴズオンリーユーは結果論だが休み明けの分、という印象か。(田中)
 
ラッキーライラックに騎乗のスミヨン騎手が見事な騎乗だった。ほぼ外差しの今の京都の馬場を枠の利もあったとはいえまさか内を突いてくるとは。さすが名手の手綱さばきだった。クロコスミアも粘ったが最後は差された。3年連続2着は評価できる。ラヴズオンリーユーは半年ぶりでこの競馬なら上出来だろう。やはり力があるのでこの先も楽しみだ。(坂入)
 
常に買うがいつも惜しく、裏切る訳ではないがビシッとは来てくれない馬。誰しもそんな相性の馬はいるだろうが、まさに勝利したラッキーライラックは私にとってそんな馬。悩んだが重い印を打たなかった失敗が見事に帰ってきた。もう少し追いかけるべきだったか。レースとしてはスミヨン騎手の内でのじっくり落ち着かせた道中にインを突きここぞと言う脚を使わせたところは素晴らしいの一言。騎手自体も稽古でパワーのある馬との評価だったそうで、インを積極的に突きやすかったのだろう。女王にならず三年間王女であり続けるクロコスミアは最早天晴れの領域。藤岡騎手の逃げ方もとても良かった。三才勢にとっては手痛い洗礼。これをバネに、来年も盛り上げてもらいたい。(道永)
 

エリザベス女王杯2019の予想

 

◎クロノジェネシス

 
クロノジェネシス

クロノジェネシス

牝馬

父馬:バゴ
母馬:クロノロジスト
母父:クロフネ
所属:斉藤崇史厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング

通算成績:7戦4勝(4-1-2-0)
主な戦績:秋華賞など
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秋華賞で待望のGⅠ制覇を成し遂げたクロノジェネシス。これまでの鬱憤を晴らすかの様な圧倒的な勝ち方で、ようやく本来の力を発揮出来た1戦だった。スムーズに回って来れれば元々同世代でもNo.1クラスのポテンシャル。夏の休養を経て更に成長した一面も見せ、現状では3歳だとラヴズオンリーユー以外に相手はいない。距離が延びても何ら問題なく、後は北村友一騎手が連勝のプレッシャーに打ち勝てるかどうかだろう。
 

○ラヴズオンリーユー

 
ラヴズオンリーユー

ラヴズオンリーユー

牝馬

父馬:ディープインパクト
母馬:ラヴズオンリーミー
母父:Storm Cat
所属:矢作芳人厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:DMMドリームクラブ

通算成績:4戦4勝(4-0-0-0)
主な戦績:オークスなど
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秋華賞を目指していたラヴズオンリーユーだったが、放牧中に爪の不安が見つかり早々に目標をエリザベス女王杯に切り替えた。その効果もあってか、乗り込み量が豊富で1週前追い切りではCWコースを77秒で回って来る猛時計を叩き出している。仕上りについては何ら心配なく、元より鉄砲は効くタイプである。確たる古馬も見当たらず、様相としてはクロノジェネシスとの3歳頂上対決が濃厚ではないだろうか。
 

出馬表&レーティング&予想オッズ

 

想定RR:109.2

 
地力、斤量込みでクロノジェネシスとラヴズオンリーユーは手堅いだろう。相手は騎手強化のラッキーライラック、充実のスカーレットカラーあたりだろうか。上位1角崩れは十分ありえそうでそうなってきた時の3番手と考えると比較的手広くおさえておいても良さそうなメンバー構成だろう。
 
     
馬番 出走馬 斤量 騎手 評価 本印 石川 田中 坂入 道永 予想オッズ
1 ブライトムーン 56.0 福永 98.5 178.5
2 ラッキーライラック 56.0 Cスミ 111.3 10.7
3 シャドウディーヴァ 54.0 松山 103.6 × × × 53.5
4 ウラヌスチャーム 56.0 Oマフ 106.8 15.4
5 ポンデザール 56.0 藤岡康 106.0 × 33.9
6 クロコスミア 56.0 藤岡佑 108.0 13.3
7 レイホーロマンス 56.0 岩崎 101.5 245.2
8 クロノジェネシス 54.0 北村友 113.8 2.9
9 アルメリアブルーム 56.0 武豊 97.0 134.5
10 フロンテアクイーン 56.0 津村 106.1 31.6
11 ラヴズオンリーユー 54.0 Mデム 112.0 3.5
12 センテリュオ 56.0 Cルメ 104.0 35.3
13 サトノガーネット 56.0 坂井 102.7 × × 70.4
14 ゴージャスランチ 56.0 104.5 × 42.7
15 ミスマンマミーア 56.0 浜中 97.0 105.1
16 スカーレットカラー 56.0 岩田康 107.4 5.9
17 サラキア 56.0 川田 108.6 24.7
18 レッドランディーニ 56.0 池添 102.3 81.4


 

危険な人気馬 ラヴズオンリーユー(想定2人気)

 
休み明けでも十分に結果を出し続けている昨今の競馬。しかし、エリザベス女王杯についてはまだその実績がなく、やはり継続で使われている馬の方が遥かに成績が良いレースなのだ。近年でぶっつけの形で臨み3着に入ったのはモズカッチャン、ミッキークイーンの2頭。それでも勝ち切るまではいっておらず、ラヴズオンリーユーにとっては苦しいデータとなっている。
 

穴馬予想 センテリュオ(想定10人気)

 
マーメイドステークス、新潟記念と結果が出ていないセンテリュオ。しかし、その潜在能力はかなりのもので下鴨ステークスでの勝ち方は確実に重賞でも戦えるレベルのパフォーマンスだった。鞍上にC.ルメール騎手を配しある程度前目に付けて終いを伸ばす競馬を展開するだろう。後ろで人気馬が警戒し合う様なら、早め抜け出しから一気に戴冠というシーンも想定しておきたい。
 

編集部の見解

 
本命はスカーレットカラー、追い切りの動きが素晴らしく、今の充実ぶりを表している。近走のレース内容がとにかく素晴らしい。安定して力を出せているし、馬が本格化している。特殊なコースになるがこの馬には合っているように感じるし、今の状態ならこのメンバーでも大きく期待できるものがある。対抗はラヴズオンリーユー、アクシデントで秋華賞を回避することになり長期の休み明けになるが、追い切りをみる限りでは特に問題はなく状態面としては良いものがある。能力は確かなものがあるが、今の京都の馬場や距離が合うのか等課題は多い。能力を発揮できるのであればここはあっさりでも。(石川)
 
本命は期待値込みでラヴズオンリーユー。オークスでは大外からかなりのコースロスがあっても差し切る地力の高さを見せ付けたレース。長期休養明けは不安であるが、将来は牡馬と混じっても互角以上の戦いができる素材と踏んでここは最上位に挙げたい。対抗は安定勢力としてクロノジェネシス。普通に回ってくればこの馬が一番安心して見ていられる。単穴は決め手一番のスカーレットカラー。展開さえハマれば面白い。(田中)
 
3歳馬が人気を分け合いそうだが、本命はクロノジェネシス。秋華賞も強い競馬だった。その後も順調で初の古馬相手でも十分勝負になるとみた。対抗はラッキーライラック。ここ近走は勝ちきれてないが、世代屈指の実力牝馬にスミヨン騎手に変わって一変しても不思議はない。3番手以下は混戦。2年連続2着のクロコスミアの競馬にも注目したい。(坂入)
 
2200の牝馬の大一番。この条件なのでなかなか波乱も含む事が多いが、今年はどうか。3歳馬を軸に◎クロノジェネシス、◯ラヴズオンリーユーでいく。前走はオンリーユーの圧勝だが、夏を経て最後の一冠を手にしたジェネシスがリベンジを果たすか。この二頭以外で頭と考えたら▲スカーレットカラーか。ステップとしてもこのレースの成績が良い府中牝馬での勝ちの様に切れ味勝負になれば3歳勢にも負けないだろう。(道永)

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