浜中『休み明けでこの内容なら上出来』

 

2019年3月30日 コーラスステークス ダート1400m 阪神競馬場

1着:スマートダンディー 牡5 (秋山真一郎)
2着:イシュトヴァーン 牡4 (浜中俊)
3着:キングズガード 牡8 (M.デムーロ)

レースタイム:1:23.1(良)
レース上がり3ハロン:37.3
勝ち馬上がり3ハロン:36.6
 
何時も通り、逃げ馬を見つつの番手追走でレースを進めたイシュトヴァーン。自身の走りは何も変わらず、それを競り落とす様にして直線入り口では早め先頭の勝ちパターンに持ち込んだ。そのまま後続を引き離しにかかるも、外から1頭スマートダンディーが並びかけ叩き合いに。最後まで必死で粘るものの、クビ差かわされて2着に敗れてしまった。しかし、+12kgという余裕残しの馬体を考えれば十分に評価すべきパフォーマンスだったのではないだろうか。このクラスでも互角に戦える。
 

浜中騎手が継続騎乗

 
今回のコーラルステークスも狙い澄ましたかの様にダート1400mのコース。結果が出ている距離で使い続けるというのは1つの安定志向でもある。変に距離を前後させ馬が戸惑って惨敗を喫するよりはよっぽど良く、それ以上に結果が出ているのところで大幅な変更をする理由もない。一気にメンバーの層が厚くなるオープンクラスでは特に重要なファクターではないだろうか。そういう意味で、こちらも勝った騎手が継続騎乗してくれるのも非常に有り難い。
 

着差以上の内容で執念の走り

 

2019年1月12日 羅生門ステークス  ダート1400m 京都競馬場

1着:イシュトヴァーン 牡4 (浜中俊)
2着:レイダー 牡5 (岩田康誠)
3着:クライシス 牡6 (藤岡康太)

レースタイム:1:23.8(良)
レース上がり3ハロン:36.8
勝ち馬上がり3ハロン:36.5
 
クラスが上がっていつも以上にテンが付いて行けない形のイシュトヴァーン。勢いが付いてからは逃げ馬の直後で楽に追走していたが、また勝負所でペースが上がって早くも追い始める始末。直線に入って逃げていたレイダーが余裕の走りで後続を引き離す。明らかな勝ちパターンに見えたが、ラスト1Fでグンと加速したイシュトヴァーンが最後の一完歩でゴール前捉えて意地の連勝を飾った。これで晴れてオープン入り、今後は重賞勝利を目指して更なる飛躍を誓う。
 

ダートでは未だ連対を外していない

 
3戦目に勝ち上がって以降、ダート戦は5戦5連対とパーフェクトのイシュトヴァーン。特に前走の妙見山特別はルメール騎手のエスコートもあって、まさに完勝の内容で勝利している。スッと先行して直線も上がり上位の脚を繰り出せる内容は、そうそうクラスの壁にぶち当たるものでも無い。このまま順調に好走を続け、いずれは重賞戦線に顔を出せる存在と見ている。羅生門ステークスでの走りをとくと拝見したい。
 

番手から最速上がりで楽勝

 

2018年12月16日 妙見山特別 ダート1400m 阪神競馬場

1着:イシュトヴァーン 牡3 (C.ルメール)
2着:ヌーディーカラー 牡3 (福永祐一)
3着:ベルエスメラルダ 牝4 (田中健)

レースタイム:1:23.4(良)
レース上がり3ハロン:36.4
勝ち馬上がり3ハロン:36.1
 
好スタートを決めて上手く先行集団の外目を追走したイシュトヴァーン。流れに乗り切った形で直線コースへ入ると、そこから一気に脚を伸ばし逃げるメイショウサチシオ以下をあっという間に突き放す競馬。最後は2着にあがったヌーディーカラーに楽々と2馬身差を付ける走りで1000万クラスを卒業した。この走りなら昇級戦でもいきなり戦える内容、ドナウブルー産駒が条件戦で躓く筈も無い。ダートの短距離戦線なら恐らく良い所まで行くだろう。
 

石坂師『ここは好勝負して欲しい』

 
前走からじっくりと間隔を空けて妙見山特別を照準に調整を進めて来たイシュトヴァーン。早くからルメール騎手を確保して確実に年内で勝ち上がりを決めたいという意思の表れが見て取れる。前走の走りで1400m戦にもある程度のメドが立った。今回はメンバーも手薄のイメージで、上手くスタートさえ決まればほぼ問題なく上位争いを演じられるだろう。ダートでは未だ崩れておらず、鞍上含めて中心視したい。
 

勝ちパターンに持ち込むも…

 

2018年09月23日 3歳上1000万下 ダート1400m 阪神競馬場

1着:ホウショウナウ 牡3 (M.デムーロ)
2着:イシュトヴァーン 牡3 (松山弘平)
3着:メイショウヤクシマ 牡5 (藤岡康太)

レースタイム:1:23.3(稍重)
レース上がり3ハロン:37.4
勝ち馬上がり3ハロン:36.9
 
久々の1400m戦も何のその、いつもの4コーナー先頭で早めに動く競馬を見せたイシュトヴァーン。絶好の手応えで抜け出し今回は大丈夫だと思われたその矢先、外から被せる様にして追い込んだホウショウナウがあっさりとかわしまたも2着惜敗となってしまった。とは言え、相手は重賞でも実績を残している強者だ。相手が悪過ぎたと思う他ない。未だダートでは完全連対、この安定感は特筆モノだろう。
 

持ち前の先行力と勝負根性を発揮なるか

 
並ぶと抜かせないイシュトヴァーン

並ぶと抜かせないイシュトヴァーン

via google imghp
 
イシュトヴァーンの武器は何と言ってもその勝負根性。豊富なスピード力で前目の競馬をすると、ジワジワポジションを上げて直線では早めの競馬を見せる。そこに後ろから他馬が被せて来ても並んでしまえばこっちのもの。しぶとさを思う存分に発揮し、叩き合いに持ち込んで勝利をもぎ取りたい。手の内に入れた松山弘平騎手が鞍上だけに騎乗ミスは考えられず、今回の1戦も好勝負必至だろう。
 

勝ちに行っての敗戦なら問題無し

 

2018年09月02日 西日本スポーツ杯 ダート1700m 小倉競馬場

1着:スズカフリオーソ 牡4 (鮫島克駿)
2着:イシュトヴァーン 牡3 (松山弘平)
3着:スズカフロンティア 牡4 (川須栄彦)

レースタイム:1:43.4(重)
レース上がり3ハロン:37.3
勝ち馬上がり3ハロン:37.1
 
いつもどおり果敢に先行、先に逃げ馬を行かせて自身は番手で動きやすいポジションを取ったイシュトヴァーン。道中は持って行かれる様な手応えで追走、その直後のスズカフリオーソを振り切ろうと4コーナーで仕掛けて行く。直線入り口で突き放しにかかるも、逆に馬体を並べられマッチアップの態勢に。外のスズカフリオーソがやや優勢の形でゴール、僅かの差で敗れたもののズルズル後退しなかったのは評価したい。このクラスでも十分に戦えるのは明白で近い内に勝ち上がれる筈だ。
 

芝ではなく砂で覚醒の予感

 
初ダートの未勝利戦で5馬身差Vを飾るイシュトヴァーン

初ダートの未勝利戦で5馬身差Vを飾るイシュトヴァーン

via google imghp
 
生産側としては誤算だっただろうが、ドナウブルーの初年度産駒は意外にもダートに適正があった様だ。芝で勝ち上がれず矛先を変えたのが正解。未勝利戦では1400mながら一気の逃げ切り勝ちで5馬身差を付ける完勝劇を飾った。昇級後、1戦芝を挟んで臨んだ前走も優秀な内容で勝利し未だダートでは無敗の2戦2勝。今回も勝てば一気にトップクラスまで上り詰める事も見えて来そうな勢いだ。日曜日は重賞だけでなく準メインにもご注目頂きたい。
 

一旦は前に出られるも抜き返す

 

2018年07月29日 3歳上500万下 ダート1700m 小倉競馬場

1着:イシュトヴァーン 牡3 (松山弘平)
2着:スズカガルチ 牡4 (荻野極)
3着:メイショウタカトラ 牡4 (太宰啓介)

レースタイム:1:44.8(良)
レース上がり3ハロン:37.9
勝ち馬上がり3ハロン:37.9
 
明らかに芝の時とは行きっぷりが違うイシュトヴァーン。スンナリとハナに立ってペースの主導権を握ると、終始楽な手応えでレースを進めた。4コーナーで後方のスズカガルチが一気に捲って先行集団に取り付けると勢いそのまま直線先頭へ。一度は前に出られたイシュトヴァーンだったが、ジワジワと差し返してゴールでは併入する形でゴール。僅かにハナ差競り勝ってダート戦で無敗の2勝目をあげた。まだ走りに余力十分で、今後大物になる可能性は十分だ。
 

繁栄ファミリーに名を刻めるか

 
額の大きな流星が印象的なイシュトヴァーン

額の大きな流星が印象的なイシュトヴァーン

via google imghp
 
この家系をドナ一族と呼ぶべきか。歴史的名牝ジェンティルドンナの影に隠れてしまったが、母ドナウブルーもGⅠで2~3着がある実力馬だった。その初年度産駒となるイシュトヴァーンがいきなり走って来る様なら日本競馬の血統史に名を残す繁栄ファミリーの兆し有りと見る。何より、この配合は既にキセキで結果の出ている相性の良い組み合わせ。馬体も500kgを超えているとの事でルーラーシップ産駒の走る特徴に適している。ここを圧勝していきなりクラシック戦線に殴り込みをかけるか要注目の1戦。
 

イシュトヴァーン

 
イシュトヴァーン(ドナウブルー2015)

イシュトヴァーン(ドナウブルー2015)

牡馬

父馬:ルーラーシップ
母馬:ドナウブルー
母父:ディープインパクト
所属:石坂正厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング

通算成績:10戦4勝(4-3-1-2)
主な戦績:羅生門ステークスなど
via google imghp
 
馬格はあるものの、そこまで全体的に垢抜けた感は無い。ルーラーシップ産駒特有のメリハリがあるというよりは、母父ディープインパクトの柔らかい牝馬の様な馬体をしていてキレはありそう。だが、キ甲もまだ抜けきっていないし、肩周りも肉付きも成長途上といった感じだ。まだまだ伸びシロがあるという意味では化ける可能性もある1頭。いずれにせよ、本格化は3歳以降になってからだろう。馬体重は春の取材時点で520kg。
 

血統背景

 
ルーラーシップ キングカメハメハ Kingmambo Mr.Prospector
Miesque
マンファス ラストタイクーン
Pilot Bird
エアグルーヴ トニービン カンパラ
Severn Bridge
ダイナカール ノーザンテースト
シャダイフェザー
ドナウブルー ディープインパクト サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ウインドインハーヘア Alzao
Burghclere
ドナブリーニ Bertolini Danzig
Aquilegia
Cal Norma's Lady リファーズスペシャル
June Darling


 

兄弟馬

 
初仔
 

近親馬

 
ジェンティルドンナ(ドナブリーニ2009)

ジェンティルドンナ(ドナブリーニ2009)

牝馬

父馬:ディープインパクト
母馬:ドナブリーニ
母父:Bertolini
所属:石坂正厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:サンデーレーシング

通算成績:19戦10勝(10-4-1-4)
主な戦績:牝馬三冠、ジャパンカップ、ドバイシーマクラシック、有馬記念など
via google imghp
 

血統評価:1.0pt

 
母の妹が偉大すぎるが母自身もGⅠ2,3着があり牡馬ともやれるレベルの競争能力はパフォーマンスしている。血統構成はそれほど良血という感じはないのでその点が懸念点であるが、馬体は母姉妹とも牝馬離れしていたのでその点が引き継がれていれば有利だろう。現時点ではファミリーの繁栄力は未知数なので何ともいえないのが正直なところ。
 

前評判

 
『坂路でずっと動かして来ましたが、これまで一度も稽古を休んだ事がないくらい順調に来ています。とにかく健康ですね。馬体も幅があって体幹がしっかりしているし、素質は高いものを持っていると思います』との事。秋競馬のデビュー予定している。
 

馬名の意味

 

ドナウ帝国の王に戴冠された王冠の名

 
母名からの連想。その名に恥じず、一時代を築ける様な競走馬になって欲しいという想いからのネーミングだ。

関連記事

関連タグ

著者