アルゼンチン共和国杯2019の結果
アルゼンチン共和国杯2019の動画
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レース回顧
外から積極的にハナを奪って行ったオジュウチョウサン、1コーナー過ぎで早々にポジションを確定させパリンジェネシスを引き連れてスローペースに落とし込んで行った。人気馬が比較的後ろに位置する中で、その直後をインベタ3番手から追走して行ったムイトオブリガード。直線コースに入ると、ぽっかり空いた内を一気に抜け出し早くも先頭に立つ勢い。更に内からタイセイトレイル、馬群を割って伸びて来たアフリカンゴールドなどが迫るも最後まで加速は留まる事を知らず上がり33秒台の脚で突き抜け嬉しい重賞初勝利を飾った。オジュウチョウサンは後退して行きあえなくブービーに敗退している。
勝ち馬ムイトオブリガード
目黒記念から直行で同舞台のアルゼンチン共和国杯に挑んだムイトオブリガード。東京コースのこの距離設定が恐らくベストな条件と言え、そこに横山典弘騎手の見事な騎乗ぶりが重なり100%に近い内容で優勝を飾った。何一つ文句の付け様がないエスコートはさすがの奇才、勝つべくして勝つ手綱捌きに応えた本馬も大したものである。昨年2着時にも32秒台の上がりを使っている様に、スローペースからの決め手勝負が最大の勝因だろう。この手土産を引っ下げて次なるレースはGⅠが舞台となるか。
レースを振り返ってのベスト予想
◎ムイトオブリガード
◯アフリカンゴールド
▲ルックトゥワイス
アイスバブル
△タイセイトレイル
ノーブルマーズ
◯アフリカンゴールド
▲ルックトゥワイス
アイスバブル
△タイセイトレイル
ノーブルマーズ
馬連:想定9点:◯勝利、三連単:想定80点:◯勝利
本命対抗単穴は単勝10倍未満から連下は単勝15倍未満、紐はなしが理想の想定だっただろう。
全着順結果
RR:108.6 ※想定RR:105.3
着順 | 馬番 | 出走馬 | 斤量 | 騎手 | 評価 | タイム(着差) | 本印 | 石川 | 田中 | 坂入 | 道永 | 単勝オッズ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 7 | ムイトオブリガード | 56.0 | 横山典 | 111.6 | 2:31.5 | ○ | ◎ | ○ | △ | △ | 4.8 |
2 | 2 | タイセイトレイル | 55.0 | 戸崎 | 109.0 | 1.1/4 | △ | - | - | △ | △ | 11.2 |
3 | 1 | アフリカンゴールド | 55.0 | Cルメ | 105.0 | アタマ | ▲ | ○ | △ | ○ | △ | 2.8 |
4 | 5 | ルックトゥワイス | 57.0 | 福永 | 109.3 | 1/2 | ◎ | △ | ◎ | ▲ | ◎ | 5.1 |
5 | 10 | トラストケンシン | 53.0 | 三浦 | 102.0 | クビ | - | △ | - | - | - | 21.1 |
6 | 6 | ポポカテペトル | 55.0 | 北村宏 | 105.4 | クビ | - | - | △ | - | - | 45.9 |
7 | 11 | パリンジェネシス | 54.0 | 石橋 | 100.0 | 1.1/4 | - | - | - | △ | - | 45.0 |
8 | 9 | ノーブルマーズ | 56.0 | 高倉 | 107.3 | 1/2 | △ | △ | △ | △ | △ | 14.8 |
9 | 3 | ハッピーグリン | 55.0 | 池添 | ----- | 1/2 | ▲ | - | ▲ | - | ○ | 19.5 |
10 | 13 | ウインテンダネス | 56.0 | 内田 | 104.6 | クビ | × | × | - | - | - | 73.3 |
11 | 4 | アイスバブル | 55.0 | 浜中 | 101.7 | 1.1/4 | ▲ | ▲ | ▲ | ◎ | ▲ | 7.5 |
12 | 12 | オジュウチョウサン | 53.0 | 松岡 | 103.0 | 1.3/4 | - | - | - | - | - | 19.4 |
13 | 8 | マコトガラハッド | 51.0 | 武藤 | 96.5 | 3 | × | × | - | - | - | 152.4 |
危険な人気馬結果 ルックトゥワイス→4着(3番人気)
定位置とも言える後方から数えて早い追込みの戦法を取ったルックトゥワイス。しかし、目黒記念時の様にレースは流れず、スローペースで前有利の決め手勝負となった1戦。さすがに前の馬に33秒台の脚を使われては自身もしっかり脚を伸ばすも4着が精一杯の競馬となった。とは言え、藤原英昭厩舎だけに休み明けで完全に仕上げている事もなく、次の舞台では更に走りは良くなって来る筈だ。
穴馬予想結果 ハッピーグリン→9着(8番人気)
どちらかと言えば、ルックトゥワイス同様にペースは流れて欲しかった部類のハッピーグリン。究極の上がり勝負は弱く、昨年のジャパンカップ時の様なタフな流れでラストにもうひと伸びするという形の方が持ち味は活きて来るタイプ。道中の行きっぷりなどは良く、いずれはこのクラスでも良い結果を残してくれる余地は感じられる。
配当&本印予想結果
馬連予想 | ⑤⑦-①②③④⑨ 的中 | ||||
---|---|---|---|---|---|
単勝 | 7 | 150円 | 枠連 | 2-5 | 3,640円 |
複勝 | 7 | 150円 | ワイド | 2-7 | 800円 |
2 | 260円 | 1-7 | 380円 | ||
1 | 150円 | 1-2 | 570円 | ||
馬連 | 2-7 | 3,120円 | 馬単 | 7→2 | 5,590円 |
三連複 | 1-2-7 | 3,070円 | 三連単 | 7→2→1 | 23,070円 |
編集部の回顧
勝ち馬ムイトオブリガードについて、仕上がり抜群であり、レース内容も素晴らしい。遅いペースだったのでしっかりとスタート後からポジションを取りにいった鞍上の判断も光った。ここ数戦適した条件で走っていなかったのでようやく本来の力が見れたかなと思う。自在性もあり能力は高い馬である。2着馬タイセイトレイルについて、各馬が外に進路を取る中、空いた内のスペースをうまくついた鞍上の判断が素晴らしい。やや恵まれた面はあったが上がり最速だし、力のあるところは示していると感じる。(石川)
まさに横山典弘騎手ありきのムイトオブリガード勝利だったのではないだろうか。内枠スタートで勿論あの競馬も考えられるが、それをスムーズに全く違和感なく乗り切れる鞍上の判断が素晴らしい。戸崎圭太騎手もタイセイトレイルで見事な騎乗、イン突きでしっかりと馬の能力を発揮させるレースとなった。アフリカンゴールドのC.ルメール騎手含め、やはり長距離戦は騎手の腕が問われる1戦という事か。(田中)
ムイトオブリガードの横山騎手の快心の騎乗だった。スタートが決まり3番手追走、ペースも落ち着いていたので直線でもあわてず追い出しを我慢、最後はタイセイトレイル、アフリカンゴールドが猛追したがそれでも1馬身余りの快勝。やはりこの距離のレースは騎手の読みがでる。1番人気のアフリカンゴールドはまだ4歳。これから伸びる余地はまだまだある。(坂入)
レース全体としては予想通り切れ味勝負になった格好だが、切れた馬達は少し後ろ過ぎたか。前で進めたムイトオブリガードがしめしめとリード分を保ち見事勝利。鞍上の作戦勝ちもあるだろう。ここは難しかったが上位の印をつけた馬達がこぞって予想外。紐で決着という痛いミスだった。(道永)
アルゼンチン共和国杯2019の予想
◎ルックトゥワイス
前走の目黒記念で悲願の重賞初制覇を飾ったルックトゥワイス。後方から大外一気のごぼう抜きというインパクトのある競馬に加えて、レコード勝利のおまけ付きの1戦だった。元より東京コースは大の得意でほとんど崩れた事がない絶好の相性を誇る。昨年6着のリベンジを果たすべく、福永祐一騎手との新コンビで重賞2連勝に挑む。
○ムイトオブリガード
こちらも東京コースを大得意とするムイトオブリガード。昨年同コースで3連勝を飾りアルゼンチン共和国杯では上がり32秒台の鬼脚を駆使して2着入線と息を吐く活躍。ルックトゥワイス同様に目黒記念からの参戦となるが、仕上り十分で即能力発揮の状態にある筈。ここで重賞初Vを飾り願わくばジャパンカップ参戦と目論みたい。
出馬表&レーティング&予想オッズ
想定RR:105.3
ようやく充実してきたアフリカンゴールドに、ルックトゥワイス、ムイトオブリガード、アイスバブル、ノーブルマーズなどのこの条件の常連組にオジュウチョウサンまで、信用できる中心馬がいないので中波乱まで込みで想定したほうがよいだろう。
馬番 | 出走馬 | 斤量 | 騎手 | 評価 | 本印 | 石川 | 田中 | 坂入 | 道永 | 予想オッズ |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | アフリカンゴールド | 55.0 | Cルメ | 97.0 | ▲ | ○ | △ | ○ | △ | 3.9 |
2 | タイセイトレイル | 55.0 | 戸崎 | 97.0 | △ | - | - | △ | △ | 12.3 |
3 | ハッピーグリン | 55.0 | 池添 | ---- | ▲ | - | ▲ | - | ○ | 53.2 |
4 | アイスバブル | 55.0 | 浜中 | 103.0 | ▲ | ▲ | ▲ | ◎ | ▲ | 6.5 |
5 | ルックトゥワイス | 57.0 | 福永 | 108.0 | ◎ | △ | ◎ | ▲ | ◎ | 3.2 |
6 | ポポカテペトル | 55.0 | 北村宏 | 102.0 | - | - | △ | - | - | 26.6 |
7 | ムイトオブリガード | 56.0 | 横山典 | 108.2 | ○ | ◎ | ○ | △ | △ | 5.1 |
8 | マコトガラハッド | 51.0 | 武藤 | 102.0 | × | × | - | - | - | 61.4 |
9 | ノーブルマーズ | 56.0 | 高倉 | 107.3 | △ | △ | △ | △ | △ | 8.7 |
10 | トラストケンシン | 53.0 | 三浦 | 98.3 | - | △ | - | - | - | 23.5 |
11 | パリンジェネシス | 54.0 | 石橋 | 98.0 | - | - | - | △ | - | 93.1 |
12 | オジュウチョウサン | 53.0 | 松岡 | 108.0 | - | - | - | - | - | 35.5 |
13 | ウインテンダネス | 56.0 | 内田 | 103.6 | × | × | - | - | - | 72.9 |
危険な人気馬 ルックトゥワイス(想定1人気)
ルックトゥワイス自体の鉄砲成績は良いのだが、如何せん藤原英昭厩舎自体が休み明けの仕上りについて太鼓判を押せない厩舎。あくまで本番に向けての叩き台というイメージの作りが多く、実際に2戦目で結果を出す馬が顕著である。今回がどちらの位置付けかは分からないが、レース後に『まだ馬に余裕がありましたね』というコメントが出る事も想定しておきたい。
穴馬予想 ハッピーグリン(想定10人気)
近5走の海外遠征と門別での結果が紛らわしいだけで、それを除けば日経賞4着→札幌日経オープン2着→毎日王冠8着と、決してここで買えない馬ではない。何より昨年のジャパンカップでは地方馬ながら7着に入る実績があり、東京の長距離コースになって一変まであっても良いのではないだろうか。尚、このレースから栗東の長谷川浩大厩舎へ転厩となっている。
編集部の見解
本命はムイトオブリガード、ここ数戦は馬場や苦手な右回り等敗因はしっかりとしている。一息入れて状態はリフレッシュしているし、追い切りをみても動きが素晴らしく久しぶりだが仕上がりはとても良くみえる。この状態、この条件ならここはこの馬であろう。対抗はアフリカンゴールド、前走がいい勝ち方であり、追い切りの動きも良く引き続き好調にみえる。レース内容が良くなってきたし、叩いた上積みも期待できる点が非常に魅力。(石川)
本命はルックトゥワイス。目黒記念の価値っぷりが実に鮮やかで遂に本格化といったところか。対抗に同じく東京巧者のムイトオブリガード。この2頭のいずれかが上位争いには加わって来るのは間違いなさそう。一発があるとすれば、アイスバブルかハッピーグリン。前者は目黒記念の走りが出来ればここでも上位。後者はやはり昨年のジャパンカップで見せた勇姿が忘れられず、池添騎手に乗り替わって魅力が増した。(田中)
頭数こそやや割れたが面白い一戦。本命はアイスバブル。前走はやはり小回りが合わなかった。広いコースでこそ狙い。東京コース2500mも合うので軸で行ける。対抗はアフリカンゴールド。こちらは2500mは初だが全く問題ないだろう。ルメール騎手の手腕にかける。ルックトゥワイス、ムイトオブリガード、タイセイトレイル辺りも差はなく混戦となりそうだ。(坂入)
スタミナ勝負になるか切れ勝負になるかだが、ここは想像すると◎ルックトゥワイスの切れ味が勝る気がしてしまう。前走晴れて重賞制覇なら勢いにのりここを獲ればこの先もさらに面白い馬となりそうだ。◯ハッピーグリンが対抗。無性にここで狙いたくなった馬。前走の距離ではこの馬の本領は発揮できない。ここのところ使われ方も迷走していたがここは楽しみにな一戦。なんと言ってもジャパンカップの入線は伊達ではない。▲アイスバブルは切れ味や能力なら本命にも劣らず。位置取りも重要だが頭も全然あり得る。(道永)
父馬:ルーラーシップ
母馬:ピサノグラフ
母父:サンデーサイレンス
所属:角田晃一厩舎(栗東)
生産:ノーザンファーム
馬主:市川義美ホールディングス
通算成績:21戦6勝(6-4-1-10)
主な戦績:アルゼンチン共和国杯など