有馬記念直前
遂にGⅠ2勝馬のアルアインが引退ー。3歳春のクラシック第一弾皐月賞で大波乱の立役者となり、その後は堅実にGⅠ戦線を盛り上げる強豪へ。5歳春には大阪杯で待望の2つ目のタイトルを獲得。その他にもマイルチャンピオンシップでも勝ち負けを演じるなど、マイルから2000mのレンジで相当な活躍を見せてくれた功労馬である。最後の有馬記念では記念出走の様な雰囲気だが、管理する池江泰寿調教師は十分こなせる距離だと言い切っているだけに不気味な存在に映る。
マイルチャンピオンシップ直前
成績にムラのあるアルアインも、そのキャリアを紐解けば1つの共通点が見えて来る。GⅠで好走した時の条件が中2週ローテなのである。これは隠れたトピックであり、その事を認識している池江泰寿調教師はあえて秋の始動戦を天皇賞秋にしたのではないだろうか。元々が500kgを超える大型馬だけに明らかに叩いた上積みは見込める今回。そして、鞍上にはR.ムーア騎手を配して何やら激走の予感がプンプン臭って来ている。後は内枠を引き当てられれば言う事はない。
天皇賞秋直前
勝ち切るというイメージよりも、先行して流れ込むシーンは大いに想像出来るアルアイン。アエロリットが作るペースの2~3番手で手応え良く進めれば、条件や展開次第では上位争いも可能だろう。2000mに限ればレコード勝ちも経験している様に、本馬の実力が最も発揮出来る舞台。北村友一騎手も秋華賞でGⅠ2勝目を飾っている様に、鞍上の勢いも加われば今回もアッと驚く演出が見られるかもしれない。
宝塚記念直前
大阪杯で待望のGⅠ2勝目を飾ったアルアイン。状態、展開、馬場など全ての要素が噛み合って生まれた渾身の勝利だっただけに、今回はそこまで完璧に事が運ぶかと言われれば疑問符も付く。但し、陣営は『状態だけなら前走以上』とコメントしており、2200mの宝塚記念でも好走する為の仕上がり具合はハードルを超えて来ている。後は展開、馬場などのファクターが後押しするかだろう。阪神競馬場は4戦3勝、前段階の予想なら相性も込みで引き続き狙える1頭か。
大阪杯直後
2019年3月31日 大阪杯 芝2000m 阪神競馬場
via www.youtube.com
内からスタートを決めてエポカドーロの後ろを付けるアルアイン。レースは想定外のスローペースで流れるも、絶好位をしっかりと折り合ってベストな形での追走となった。前日から降った雨の影響で上がりがかかる馬場も味方し、直線では内から堂々と抜け出してキセキやワグネリアン以下を完封。勝ち切れない競馬が続いていたが、それを補って余りあるレース内容で北村友一騎手が見事にエスコートして見せた。
大阪杯直前
前走の調教時と比べれば幾分、リラックスして来ている様にも思えるアルアイン。乗り替わりでレースに参加できなかった北村友一騎手は、金鯱賞で初ブリンカーを試した走りに言及している。『前半でまだ力んで走っている感じでしたね。ブリンカーが慣れてその辺りが解消してくれれば』との事。如何に道中、喧嘩をせず落ち着いたレース運びが出来るかがキーポイントだ。同騎手もそろそろGⅠタイトルが欲しいところ。
金鯱賞直後
2019年3月10日 金鯱賞 芝2000m 中京競馬場
1着:ダノンプレミアム 牡4 (川田将雅)
2着:リスグラシュー 牝5 (A.シュタルケ)
3着:エアウィンザー 牡5 (武豊)
レースタイム:2:00.1(稍重)
レース上がり3ハロン:34.6
勝ち馬上がり3ハロン:34.1
2着:リスグラシュー 牝5 (A.シュタルケ)
3着:エアウィンザー 牡5 (武豊)
レースタイム:2:00.1(稍重)
レース上がり3ハロン:34.6
勝ち馬上がり3ハロン:34.1
via www.youtube.com
道中は至ってスムーズ、何時も通りの先行策でいつでも前を捉えに行くスタイルの競馬となったアルアイン。しかし、4コーナーでペースが上がった時に思った様に動けず、一旦後方へ下がってしまうロスを食らった。それでも、またエンジンを点火させて直線盛り返すとペルシアンナイトに次ぐ5着入線と一応の面目は保った1戦。馬場も合わなかったのと、直前に主戦の北村友一から柴山雄一騎手へ乗り替わった点も影響しているのだろう。次はしっかりとコンビを戻してタイトル獲得へ前進したい。
金鯱賞直前
他馬の実力を推し量る際にアルアインを物差しとするのが実に明確。各強豪との対戦経験も豊富、このアルアインとの差が即ちタイトルまでの距離と考えると非常に分かりやすいのではないだろうか。上位人気が想定されるエアウィンザー、ダノンプレミアムやギベオンあたりはこれを見て今後の指針とする。それでも同馬の調整は至極順調で、今回の坂路でも自己ベストをマーク。それらを負かしてあっさりと金鯱賞を勝ち切っても何ら不思議ではない。
マイルチャンピオンシップ直後
2018年11月18日 マイルチャンピオンシップ 芝1600m 京都競馬場
1着:ステルヴィオ 牡3 (W.ビュイック)
2着:ペルシアンナイト 牡4 (M.デムーロ)
3着:アルアイン 牡4 (川田将雅)
レースタイム:1:33.3(良)
レース上がり3ハロン:34.5
勝ち馬上がり3ハロン:34.1
2着:ペルシアンナイト 牡4 (M.デムーロ)
3着:アルアイン 牡4 (川田将雅)
レースタイム:1:33.3(良)
レース上がり3ハロン:34.5
勝ち馬上がり3ハロン:34.1
via www.youtube.com
スタートから押し出される様にして先頭に立つアルアイン。さすがに逃げるのは嫌がり、横のロジクライなどを並行して抑えにかかるとアエロリットが外からハナへ。ある程度ペースは落ち着き、アルアインにとっては絶好の形で直線入り口へ入って行く。抜群の手応えから単独先頭へ躍り出ると残り200mまでは先頭を死守、しかしそこから内のステルヴィオ&ペルシアンナイトにあっさりとかわされまたも惜しい3着入線となってしまった。いまいち勝ち切れない理由は決め手不足にあるのだろう。この理想的な競馬で勝てないのならもはや打つ手は無い。
マイルチャンピオンシップ直前
秋2戦の疲れも無く、順調な調整で状態には不安のないアルアイン。今回手綱が戻る川田将雅騎手は『前々から一度マイルで試したかったし、今回それが出来るので楽しみ』とコメント。マイルは3戦2勝だが、一度はシンザン記念で致命的な不利を受けてレースをやめた1戦。つまり、実質はまだ負けていない事になる。古馬一線級のペースはまた違うだろうが、スピード決着に強い同馬なら問題なくこなせるだろう。転向初戦で王者に君臨しても不思議ではない。
天皇賞秋直後
2018年10月28日 天皇賞秋 芝2000m 東京競馬場
1着:レイデオロ 牡4 (C.ルメール)
2着:サングレーザー 牡4 (J.モレイラ)
3着:キセキ 牡4 (川田将雅)
レースタイム:1:56.8(良)
レース上がり3ハロン:34.5
勝ち馬上がり3ハロン:33.6
2着:サングレーザー 牡4 (J.モレイラ)
3着:キセキ 牡4 (川田将雅)
レースタイム:1:56.8(良)
レース上がり3ハロン:34.5
勝ち馬上がり3ハロン:33.6
via www.youtube.com
まさに思い描いていた通りの展開だったアルアイン。キセキを捉えて後続を振り切れば勝利も見えたのだが、最後の直線でいまいちのびあぐねてしまい4着と馬券圏内にも入れず失意の敗戦となった。3歳のダービー以来となる左回りで、2戦共に案外な敗戦を喫している事からもしかするとコースが合っていない可能性もある。とは言え、レイデオロとは明らかな力差を付けられており今後はマイル路線に転向なども検討した方が良いのではないだろうか。
天皇賞秋直前
好調だからこそ2週連続で時計を出せる証拠。先週も51秒8を叩き出したばかりのアルアインが、最終追い切りでも併せ馬で抜群の動きを見せて自己ベストをマーク。池江泰寿調教師も『ひと叩きされた上積みは大きいし、馬自体が全然違う』と納得の表情で取材陣に応えていた。レースで鞍上を務める北村友一騎手も『追い切る毎にどんどん良くなって来ている』と自信の手応えを掴んでいる様子だった。昨年の皐月賞馬が同距離のタイトル2つ目を獲得出来るか。
オールカマー直後
2018年09月23日 オールカマー 芝2200m 中山競馬場
1着:レイデオロ 牡4 (C.ルメール)
2着:アルアイン 牡4 (北村友一)
3着:ダンビュライト 牡4 (武豊)
レースタイム:2:11.2(良)
レース上がり3ハロン:35.3
勝ち馬上がり3ハロン:34.3
2着:アルアイン 牡4 (北村友一)
3着:ダンビュライト 牡4 (武豊)
レースタイム:2:11.2(良)
レース上がり3ハロン:35.3
勝ち馬上がり3ハロン:34.3
via www.youtube.com
内枠から絶好のスタートを切り、マイネルミラノからやや離れた番手を単独追走。ロスの無い競馬で最高のレース展開を見せたアルアイン。抜群の手応えで4コーナーを回ると直線入り口では早くも先頭へ。一気に後続を突き放しそのまま押し切るかに見えたが、坂を上がったところで内から強襲したレイデオロにゴール前で差し切られ2着に敗退。とは言え、3着以下には3馬身と一応の格の違いは見せ付け今後の良いステップになるだろう。中距離前後のタイトルも目前の所まで来ている。
オールカマー直前
得意の中山で巻き返しなるか。GⅠ勝利した皐月賞以来、勝ち星から遠ざかっているアルアイン。帰国初戦でも動きは上々で、坂路を軽快に駆け上がって来る姿はやはり本物のひと言だ。今回初コンビを組む北村友一騎手も、『抜群ですね。見映えは太く見えるけど、乗っていて重たさは感じなかったです』とコメント。5ヶ月ぶりでも臨戦態勢は整っていると判断して良いだろう。池江泰寿厩舎の仕上げに抜かりなし、後はライバルで共にクラシック戦線を盛り上げたレイデオロとの直接対決を制するだけ。
大阪杯直後
2018年04月01日 大阪杯 芝2000m 阪神競馬場
1着:スワーヴリチャード 牡4 (M.デムーロ)
2着:ペルシアンナイト 牡4 (福永祐一)
3着:アルアイン 牡4 (川田将雅)
レースタイム:1:58.2(良)
レース上がり3ハロン:34.1
勝ち馬上がり3ハロン:34.1
2着:ペルシアンナイト 牡4 (福永祐一)
3着:アルアイン 牡4 (川田将雅)
レースタイム:1:58.2(良)
レース上がり3ハロン:34.1
勝ち馬上がり3ハロン:34.1
via www.youtube.com
GⅠながら前半1000mが61秒台という完全なスローペース。それを見越して道中一気に押し上げたスワーヴリチャードですら、4コーナー先頭で上がり3位を繰り出す流れで瞬発力の無いアルアインにとっては難しい競馬となった。上がり最速で追い込んだペルシアンナイトに差されている以上、今回はそういうレース展開だったと諦めざるを得ないだろう。同馬の真骨頂はやはり勝った皐月賞の様なハイラップの中、持続的に脚を使うタフな競馬だ。今後は大舞台になればなる程展開によって着順が左右されていくかもしれない。
大阪杯直前
500kgを優に超える大型馬で一見不器用そうに見えるが、逆に小回りは打って付け。これまでの9戦で上がり最速は新馬戦の一度だけ、キレは正直無いに等しい。その代わり、先手を取れる小脚やジワジワと長く良い脚を使える器用さを最大限活かすにはやはり内回りの方が良いだろう。それを証明したのが皐月賞の先行抜け出しで見せたレコードVの走りだ。今回、あの競馬をもう一度見せる事が出来たなら並み居る強豪を蹴散らして2つ目の勲章を手にする事が出来るかもしれない。大阪杯でもう1頭の有力馬トリオンフも乗れたであろう川田将雅騎手が選んだアルアイン、今週も十分に有り得る。
アルアイン
来年の池江泰寿厩舎、クラシックNo.1候補。均整の取れた好馬体は、如何なる展開や条件面なども気にしない万能タイプに育ちそうな予感がする。しかし、馬体重だけ見れば500kg近くあるとの事で雄大な雰囲気もありつつ、全体としてまとまって見える辺りはさすが血統馬といった所か。個人的にはワールドエースと何から何までカブって見える。
血統背景
ディープインパクト | サンデーサイレンス | Halo | Hail to Reason |
Cosmah | |||
Wishing Well | Understanding | ||
Mountain Flower | |||
ウインドインハーヘアー | Alzao | Lyphard | |
Lady Rebecca | |||
Burghclere | Busted | ||
Highclere | |||
ドバイマジェスティ | Essence of Dubai | Pulpit | A.P.indy |
Preach | |||
Epitome | Summing | ||
Honest and True | |||
Great Majesty | Great Above | Minnesota Mac | |
Ta Wee | |||
Mistic Majesty | His Majesty | ||
Necaras Miss |
兄弟馬
特になし
近親馬
特になし
血統評価:2.0pt
母はアメリカの1級スピード馬だが、日本で活躍した兄弟や近親馬がいないし母自体の血統も日本実績がないので血統背景では信用する要素がない。
前評判
管理する厩舎長が「かなりの大物」と絶賛する好素材だ。母はアメリカの短距離チャンピオンに輝いたドバイマジェスティ。当初は小さかった馬体も今ではすっかり大きくなり、走りもどっしりとした雰囲気で申し分ない。懸念されている血統的な距離の心配もそこまで考えなくて良いだろう。とにかくこのまま無事に成長を続けて欲しい。
馬名の意味
UAE東部にある遺跡群で、ユネスコ世界遺産。アラビア語で「泉」の意
短くすっきりとしたセンスの良いネーミング。サンデーレーシングも相当に期待しているのが伺い知れる。母親からの連想だろうが、世界を舞台に輝いてこその名前だ。既に活躍のフィールドを海外でと考えての事ならば、この馬のポテンシャルはかなりのものかも知れない。
2着:キセキ 牡5 (川田将雅)
3着:ワグネリアン 牡4 (福永祐一)
レースタイム:2:01.0(良)
レース上がり3ハロン:35.5
勝ち馬上がり3ハロン:35.2