デムーロ『まだまだ性格が子供』

 

2019年4月6日 桜花賞 芝1600m 阪神競馬場

1着:グランアレグリア 牝3 (C.ルメール)
2着:シゲルピンクダイヤ 牝3 (和田竜二)
3着:クロノジェネシス 牝3 (北村友一)

レースタイム:1:32.7(良)
レース上がり3ハロン:33.3
勝ち馬上がり3ハロン:33.3
 
スタートも決め、道中は前にグランアレグリア、外にダノンファンタジーをマークする形で理想的な位置取りをキープしたアクアミラビリス。折り合いもスムーズで直線に入るまでの競馬としては最高のイメージだった。そこからエルフィンステークスの様な豪脚を見せるかと思われたが、想像以上に伸び切れずそのまま後方に下がって行き13着と惨敗に終わってしまった。鞍上のデムーロ騎手も首を傾げながら、負けた要因として気性を一番に挙げていた。決して力負けではない。
 

爆発力ならメンバー随一

 
新馬戦のパフォーマンスもさることながら、やはりエルフィンステークスで見せた大外一気の末脚は破壊力抜群。前残りの展開を軽く追われただけで突き抜ける脚はグランアレグリアやダノンファンタジー、クロノジェネシスとも引けを取らない。追い込みが決まる展開になりやすい桜花賞だけに、ハマれば突き抜けるシーンまで想定して予想に活かしたい。何より、M.デムーロ騎手の爆発も気になるところ。
 

規格外のパフォーマンス

 

2019年2月02日 エルフィンステークス 芝1600m 京都競馬場

1着:アクアミラビリス 牝3 (M.デムーロ)
2着:ブランノワール 牝3 (福永祐一)
3着:ノーブルスコア 牝3 (川田将雅)

レースタイム:1:35.5(良)
レース上がり3ハロン:34.6
勝ち馬上がり3ハロン:33.3
 
最内枠からスタート、すぐさま最後方に下げる競馬でレースを進めたアクアミラビリス。直線までジッと我慢させ脚を溜めると、大外に持ち出して一気に脚を爆発させた。出し抜けを狙ったブランノワール以下を、上がり33秒3の鬼脚でまとめてかわしあっさりとゴール。他馬が止まって見える豪快な追い込みで2勝目を楽に決めて見せた。鞍上のM.デムーロ騎手も『とにかくリラックスさせる事に集中した』とコメント、さすがの仕事人は前走と同じ轍を踏まない。これで桜花賞への出走ボーダーはクリアだろう。
 

今回は輸送が短く好都合

 
前走は明らかに重賞の空気感と2戦目で気負っていたのが敗戦の原因だったろう。パドックからカリカリしており、レースでも前半から行きたがるを必死になだめるM.デムーロの姿が印象的だった。今回はその点で栗東からの輸送時間が短く、馬もテンションの維持が出来るというもの。新馬戦の内容から考えてもここで躓く様な素材ではない。普通に回ってくればあっさりまで、勝てばその時点で桜花賞への出走がほぼ確定的となる。
 

M.デムーロ『2戦目は難しい』

 

2018年1月12日 フェアリーステークス 芝1600m 中山競馬場

1着:フィリアプーラ 牝3 (丸山元気)
2着:ホウオウカトリーヌ 牝3 (大野拓弥)
3着:グレイスアン 牝3 (戸崎圭太)

レースタイム:1:36.0(良)
レース上がり3ハロン:35.3
勝ち馬上がり3ハロン:34.5
 
外枠から壁を作れず前にグングン加速するアクアミラビリス。ペースもスローで制御が付かなくなった道中、ここでかなり脚をロスしている事は間違いなかっただろう。直線に向いて一旦は見せ場を作るも、坂でピタッと止まっている所を見るとやはりテンションの高さが今回の敗因と言える。右回りで外に張ったり、ハミを噛んだりと想像以上に道中も手こずっていた様だ。M.デムーロ騎手も期待していただけに、レース後は2戦目の難しさを改めて痛感。
 

2戦目で重賞Vもあり得る

 
坂路を軽快に駆け上がるアクアミラビリス

坂路を軽快に駆け上がるアクアミラビリス

via google imghp
 
初戦、2戦目と立て続けに関東へ輸送しての競馬となったアクアミラビリス。それだけの素質馬という事だろうが、吉村厩舎では姉クイーンズリングよりもその期待値は大きいと見て良い。何せ、姉も3戦目で重賞挑戦だったが、今回はいきなりの昇級戦がフェアリーステークス。勝てる見込みが無いと、この時期に無茶なチャレンジはしないもの。特に社台レースホースの馬だけに相当な自信があっての参戦という事だろう。M.デムーロ騎手の2019年初タイトルは本馬によるものか。
 

M.デムーロ『お母さんとそっくり』

 

2018年11月17日 2歳新馬 芝1600m 京都競馬場

1着:アクアミラビリス 牝2 (M.デムーロ)
2着:スイートセント 牝2 (C.ルメール)
3着:ガロシェ 牝2 (福永祐一)

レースタイム:1:37.2(良)
レース上がり3ハロン:33.4
勝ち馬上がり3ハロン:33.2
 
スタートから引っ張りきりの手応えで前に進出するアクアミラビリス。スイートセントを前に行かせて番手に控えるも、その手応えの差は歴然。持ったままで先頭に並びかけると、最後の直線はそのまま追わずに終始先頭をキープし楽な走りで1着ゴールイン。レース後、騎乗したM.デムーロ騎手も『すごく良い馬。賢くてい何でも出来る』と大絶賛していた。距離はまだまだ延びても問題無さそうで、順調に行けば来年の春の有力候補になる可能性は十分だ。
 

アクアミラビリス

 
アクアミラビリス(アクアリング2016)

アクアミラビリス(アクアリング2016)

牝馬

父馬:ヴィクトワールピサ
母馬:アクアリング
母父:Anabaa
所属:吉村圭司厩舎(栗東)
生産:社台ファーム
馬主:社台レースホース

通算成績:4戦2勝(2-0-0-2)
主な戦績:エルフィンステークスなど
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クイーンズリングの他、全兄にモンドバーグがいたがこちらは牝馬で良い方に出るタイプの母系なのだろう。ヴィクトワールピサ産駒らしからぬ小柄な馬体も、既に体幹はしっかりとした作りで走りもブレが無い。新馬で見せたパフォーマンス通りなら距離適性も中距離は優にこなせそうなイメージだ。馬なりで上がり33秒2は特筆すべき内容で、馬格ももうひと回り成長し更にパワーアップしてくればかなりの活躍が期待できそう。
 

血統背景

 
ヴィクトワールピサ ネオユニヴァース サンデーサイレンス Halo
Wishing Well
ポインテッドパス Kris
Silken Way
ホワイトウォーターアフェア Machiavellian Mr.Prospector
Coup de Folie
Much Too Risky Bustino
Short Rations
アクアリング Anabaa Danzig Northern Dancer
Pas de Nom
Baldonella ゲイメセン
Bamieres
シーリング Bering Arctic Tern
Beaune
Blue River Riverman
Azurella


 

兄弟馬

 
クイーンズリング(アクアリング2012)

クイーンズリング(アクアリング2012)

牝馬

父馬:マンハッタンカフェ
母馬:アクアリング
母父:Anabaa
所属:吉村圭司厩舎(栗東)
生産:社台コーポレーション白老ファーム
馬主:吉田千津

通算成績:19戦6勝(6-3-0-10)
主な戦績:エリザベス女王杯など
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近親馬

 
特になし
 

血統評価:3.0pt

 
半姉はG1馬も全兄は中央未勝利で可能性はあるものの未知数な血統。ファミリーに日本実績馬はあまりおらず血統的な強調材料はない。
 

前評判

 
血統構成である程度能力の担保はあったとしても、半姉を越えそうなポテンシャルを秘めているとまでは想像出来なかった。マンハッタンカフェからヴィクトワールピサに変わり、いずれも不安定ながら爆発力のある種牡馬で化ける要素は十分。それにしても新馬のパフォーマンスはなかなかの部類であり、今後は継続してこの走りが出来るかどうかに注目。馬体は正直、450kg前後まで大きくなって欲しいところ。
 

馬名の意味

 

不思議な水(ラテン語)

 
修道士が伝えた世界初のオーデコロン

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